空きコマで散歩に繰り出してみた
2022.07.15
今回は、9月19日から21日の3日間にかけて行われた「上智大学×北海道八雲町交流事業」をお届けします。
今回の事業では、年齢も国籍も様々な上智大生12人が集まり、八雲町の産業視察や八雲町の中高生との交流事業を行いました。交流事業に参加した学生の中には、留学生として参加した人や2年連続参加した人も……! また今年は、八雲町と上智大学の交流開始から10年目の節目の回でした。八雲町のことやこの交流事業をまだ知らない方にも八雲町の魅力を伝えられたら嬉しいです!
(次回の配信では、9月28日にグリルハーベスター大崎(東京都品川区)で行われた「八雲町フェア」についてお伝えします。そちらもぜひ、ご覧ください。)
この記事を読んでくださっている皆さんの中には、八雲町のことをこの記事で初めて知ったという方もいるかもしれません。かく言う私も、Loyolaで交流事業の募集案内を見るまで八雲町のことは知りませんでした……。ですが交流事業で八雲町の魅力に触れたことで、今では八雲町のファンの一人です!
ところで、ここまで何度も「八雲町」が登場していますが、読み方は「やくもちょう」です!
八雲町は北海道道南に位置しており、日本で唯一、二つの海(太平洋と日本海)に面している町です。そこで獲れる「二海サーモン(ふたみサーモン)」はブランド化されており、ふるさと納税の返礼品としていただけるようです。また、木彫り熊発祥の地でもあり、今年は木彫り熊の100周年のアニバーサリーイヤーということで様々な記念イベントが行われています。
1日目は、八雲町の産業視察を行いました。私たち参加者がまず訪れたのは、イチヤママル長谷川水産という水産加工会社でした。ここでは、実際に工場の中に入らせていただき、タラコやとびっこなどの水産物が加工されている様子を見学しました。
1日目は、八雲町の産業視察を行いました。私たち参加者がまず訪れたのは、イチヤママル長谷川水産という水産加工会社でした。ここでは、実際に工場の中に入らせていただき、タラコやとびっこなどの水産物が加工されている様子を見学しました。
工場見学の後は、イチヤママル長谷川水産の社員の方から、八雲町を取り巻く水産加工の課題について伺いました。水産業を筆頭として、八雲町では第一次産業が基幹産業となっています。しかし近年は、代表的な産物であるホタテが死んでしまい、生産高が下落して、八雲町の漁業は危機的状況に陥っているそうです。これには心を痛めたのと同時に、持続可能な産業にするために解決策を考える必要があると強く感じました。
その後は、2030年以降の開業を目指す北海道新幹線のトンネル工事の現場へ。ここでは、それぞれヘルメットに防護服を着用し、車に乗って工事現場の最前線を見せていただきました。
こちらのトンネルは、全長で32kmあるそうで、私たちが見学させていただいた時点では、約20kmまで工事が進んでいました。工事に従事されていた方は、トンネルを掘る作業は一日に最大4.8mまで進めることができるとお話されていました。完成すれば、札幌や函館からのアクセスのしやすさが高まると期待されているようです。工事中のトンネルを中に入って見学させていただくという貴重な体験をさせていただきました。
1日目の最後のプログラムは、木彫り熊資料館の見学でした。「0日目:八雲町ってどんな町?」で記したように、八雲町は木彫り熊の発祥地であり、今年は100周年のアニバーサリーイヤーです! 学芸員の方から木彫り熊が誕生するまでの歴史や、八雲町の代表的な文化的産物になるまでのお話を伺いました。館内には、プロの木彫り師の作品から趣味で木彫りを楽しんでいる方の作品まで、様々な種類の木彫り熊が飾られていました。
産業視察の後は、宿泊地であるオートリゾート八雲に向かいました。夕食はバーベキューで、ジンギスカンや二海サーモンをいただきました。その後は、ロッジに集い、翌日に控えていた中高生への授業の最終確認。中高生への授業の成功に向けて、参加者同士の親睦を深めつつ、結束力も高められた時間となりました。
2日目は、八雲町の中高生との交流を行いました。各学年とも上智大生が授業を行った後、中高生とグループワークに取り組みました。
午前中は中学2年生と中学3年生に、午後は高校2年生に向けて授業を行いました。
中学2年生の授業では、「大学生活」をテーマにしたプレゼンテーションを行いました。楽しみながら大学生活をイメージしてもらうために、上智大学に関するクイズも多数出題しました。その後は、グループに分かれて、中学生から大学生活や勉強方法についての質問を受ける時間に。中学生が「こんなに楽しいなら、大学に行きたい!」と少しでも思ってくれていたら嬉しいです。
中学3年生の授業では、入試や就職に向けた「自己アピール」をテーマにした授業を行いました。大学生から「自分の強み」を発見する方法を聞くべく、トークセッションを行ったり、お手本として模擬面接をしたりしました。大学生からの授業の後は、中学生に事前に準備してもらっていたスピーチを聞き、大学生がアドバイスをしました。中学生が真摯に取り組んでくれたことで、企画した私たちも達成感を味わうことができました。
その後は中学生と一緒に八雲中学校の給食をいただいて、中学生とはお別れを。移動用のバスに向かっていた際にも手を振り続けてくれる中学生に、全員必死に応えていました(笑)。
午後は八雲高校に移動して、高校2年生に授業を行いました。高校生向けの授業では、生徒たちが将来について考えることを目標にマンダラチャートを作成しました。英語での自己紹介の際には、緊張した様子が見られた高校生でしたが、グループワークの時間にはすっかり大学生と打ち解けていました。マンダラチャートの作成後には各グループが皆の前に出て発表を行いました。中にはグループ全員で発表を行ったところも……! 「進路についてこれからやるべきことがわかった」と高校生から言ってもらった際には、大学生とのグループワークの成果が感じられました。
授業終了後は、個人発表の準備を行いました。この交流事業では、各々が感じる「八雲町の強みや課題」を基に八雲町をより良い町にするための提言を発表することが一つのゴールでした。授業が終わった達成感を抱きつつも、個人発表に向けて再度集中。
発表は、夕食会場でもあったグリルハーベスター八雲で行われ、夕食をいただきながらの発表でした。夕食会場には八雲町長や八雲教育長などもお越しになり、上智大生とこの交流事業で得た学びについてお話ししました。中高生への授業に個人発表と盛り沢山の一日でしたが、全員思い残すことなく、やり切ることができたのではないかと思います。
最終日には、噴火湾パノラマパークで開催された「秋の味覚祭り」のお手伝いをさせていただきました。各店舗に1〜2名ずつ上智大生が入らせていただき、売り子として活動しました。私が入らせていただいた「コアラのお店」は、ポップコーンの販売とバルーンアートショーを行っていたお店でした。八雲町エプロンを身に着けさせていただいたことで、お店の一員としての意識がより高まりました。お手伝いさせていただく中で、お店の方から八雲町の課題について伺い、一緒に解決策についてお話しした場面がありました。実際にそこで暮らす方からお話しを聞くことで、自分の目だけでは見えなかった課題を知ることができました。また、「外」からの視点を持つ私たちだからこそ、「今回の交流事業で何か提案できることがあるのではないか」と考えるきっかけにもなりました。
その他にも八雲町の名物である二海サーモンを用いた食品を販売していたお店や、八雲町で生産されたチーズを販売していたお店もありました。
その後は、空港がある函館へ向かいました。空港までの道の途中で一度下車し、「道の駅なないろ・ななえ」と「ラッキーピエロ峠下総本店」を訪れました。そこでお土産を買ったり、北海道限定のソフトクリームを食べたりと、思い思いに時間を過ごしました。
そして最後の目的地である、函館空港に到着。三日間を通してガイドをしてくださった八雲町町役場の方や運転をしてくださったドライバーの方、一緒に交流事業に参加をしてくださった方にお礼を言って、八雲町を後にしました。
八雲町の環境が、地理的な面や産業的な面から私がこれまで育った環境とは大きく異なっていたこともあって、様々な新しいことを経験した三日間となりました。八雲町に暮らす方々との交流を通して、国内の異地域の文化について知ることができてとても良かったです。上智大学の先輩方が繋いできてくれたこの交流事業が、来年以降も続いていくことを願っています!
2022.07.15