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Volunteer

上智とボランティア

寄り添う気持ちを
2024年度能登半島地震復興支援ボランティア報告〈7〉

2025.04.10

ボランティア・ビューローでは2011年に発生した東日本大震災以来、各地の復興支援ボランティアでの活動に交通費補助を行っています。この制度を利用して能登半島での災害復興支援ボランティアに参加した学生の声をお届けしていきます。今回は有志グループがボランティアに参加したときの報告です。

活動場所

石川県七尾市・輪島市

活動期間

2025年2月25日(火)~3月2日(日)

活動内容

・解体前の家屋の片づけ作業等
・避難所カフェ等の手伝い、傾聴活動等

昨年の震災後のままの瓦礫が残る家はまだ多い。人手が足りないという印象を受けた。
たくさんの生活の思い出が残る品々。震災がなければ廃棄する必要のなかった品々を手に心が痛んだ。

活動後に感じた被災地、被災者が抱える「課題」、そこから読み取れるニーズ

・能登半島という立地条件が影響しているためか、東日本大震災後よりもボランティアによる復興支援が減退している印象を受ける。被災地で生活を続ける多くの高齢世帯の方々は、自力での家屋片付けを担いきれない現状がある。公費解体(または自費解体)を前にした家屋整理には多大な労力を要し、ボランティアによる支援が継続的に求められているということを感じた。

・避難所や仮設住宅、または一部倒壊した家屋での生活を続ける高齢の被災者の方々にとって、孤独な生活を少しでも緩和するニーズがあると感じた。学生の訪問を、心の底から喜んでくださっているのが分かり、こちらも力づけられた。ボランティアの訪問による出会いや何気ない会話を通して、前に向かう力を汲み取ることが少なからず実現することを実感した。

水や食料など。山の中で生活を続ける方の安否確認も兼ねる。
産業廃棄物の撤去・搬出を行う。

全体的な感想・気づき

・ボランティア活動として実践できることは、復興に向かう道のりの、ほんの小さな一歩に過ぎないと思う。放置された瓦礫の山や、倒壊家屋、夏の集中豪雨後の山崩れの痕を眺めながら、自然災害の猛威に対する人間の力の小ささを痛感した。しかしながら、小さな力が集まって協働する時、瓦礫の山の一部が片付き、解体前の家屋内の整理が進むことも体験した。あきらめてしまっては前に進まない復興が、力を合わせることによって、わずかでも前進し得るという希望を抱くことができた。

・ご近所でお互いが心配しあっているのが印象的だった。文字通り体一つで生きなくてはいけない状況になったときに、特に共助は、ボランティアの立場でも、または実際に自分自身が被災したときも、まだまだ色々な可能性を探っていけるような気がした。お互いを信じて支え合うことは、今回のボランティアで得た最も大きな学びだったと思う。

・地域の方やボランティア参加者など誰もが決してひとりではなく、お互いが居場所であると感じることが重要だと感じた。

・被災された方のお話を聞いてその悲しみを知ると同時に自らの言葉に重みがないことにも気づき、何も声をかけることができず申し訳なさを感じたこともあった。しかし、そんな私たちにも心を向けてくださり、「来てくれて話を聞いてくれてありがとう」と抱きしめてくださる姿に、私たちが反対に勇気づけられた。そしてこの気持ちを絶やさないように次にバトンを繋がなければならないと思った。

山奥での一人暮らし。私たちを家族のように迎えて下さった。その心遣いに、私たちが大きな力をもらった。

初めて活動に参加しようと考えている学生へのアドバイス

・これから活動に参加しようと考えている学生に対して、「何かをするよりも寄り添う」気持ちを心に留めて、勇気をもって飛び込んでみてほしいと思う。被災地にはボランティアの力を、出会いを待っている方々がおられる。

・Encourage more young people to join volunteer efforts, as their energy and optimism can make a significant impact both physically and emotionally.