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Student Gatherings

上智の学生交流

SSIC田辺市熊野スタディツアーを通じて関係人口になろう!

2025.06.19

皆さんこんにちは!法律学科2年ののぞみです。
今回は私が参加したSSICのイベントの一つである田辺市熊野スタディツアーでの体験や感じたことをお伝えします!

どのようなスタディツアーなのか?

6月7〜8日の1泊2日で和歌山県田辺市を訪れました。田辺市は市域の約9割が森林で占められており、みかんや梅などの地域資源が豊富です。そして、世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」(熊野古道)が有名です。現在、田辺市は自然と文化が融合した市として、観光や地域活性化などの観点から注目されています。今回のスタディツアーの目的は、「田辺市のSDGsの取り組みを知ること」、「田辺市の関係人口となり、どのような関わりを生み出せるか」でした。ここで、「関係人口」という言葉が出てきましたが、あまり聞き馴染みのない言葉だと思います。「関係人口」とは、「観光」以上「定住」以下で地域と多様な形で継続的に関わる人々を指します。この2つの目的を達成するために、様々な学科・学年・国籍の12人が参加し、ともに学びを深めました。

一面梅畑で収穫体験

田辺市に到着し、はじめに梅の収穫体験をしました。地面に落ちた実と枝についた実をそれぞれ分けて取る作業をしました。日差しが差し込む中、一つ一つ収穫するのは大変でしたが、ケースにいっぱいとなった梅を見た時には達成感に溢れました。収穫する中で、だんだんと手が梅のいい匂いになったのも思い出です。作業の休憩時間には、梅シロップと梅干しをいただきました。塩だけの白干し梅は今まで食べたことのある梅と異なり、しょっぱくて参加者全員が驚きましたが、果肉のおいしさも最大限に感じました!お世話になった日向屋さんは持続可能な地域づくりに農業の視点から取り組んでいます。丁寧にそして楽しみながら梅の収穫作業をする日向屋さんの姿勢から地域を大切にする想いが滲み出ていました。

一つ一つ丁寧に梅を収穫する参加者

世界に一つだけ!自分で収穫した梅が梅シロップに!

次に、自分たちで収穫した梅を使用して梅シロップを作りました。丁寧に洗い、ヘタを取り、水気を取り、梅と砂糖を交互に保存容器に入れていきます。この作業の中でも梅のいい香りがしました。毎日容器を上下にゆすることによって砂糖が溶けやすくなります。私も毎日自分で作った梅シロップをゆすり、観察しています(笑)自分の手で収穫し、加工した梅シロップを炭酸水で割って飲むのが楽しみです!

梅のヘタを取り、容器に入れる準備の様子

先人も歩いた熊野古道、非日常を感じる

2日目は熊野古道歩き、熊野本宮大社の参拝をしました。この日はアメリカのコロラド州出身で熊野古道のガイドをしているマイクさんが英語でガイドをしてくれました。時にはユーモアを交えつつ熱量のあるガイドに徐々に引き込まれていきました。普段、英語の使う機会の少ない私にとってはリスニングの勉強になりました!出発地点の伏拝王子は、熊野古道をずっと歩いてきて初めて遠くに熊野本宮大社が見え、人々がそのありがたさのあまり、ひれ伏したことからこの地名が生まれました。あいにくの小雨でしたが、緑に囲まれ遠くに見えた景色は美しく、思わずひれ伏したくなりました。 段差が激しいところや足場が悪いところもありましたが、参加者同士で励まし合い、今日も変わらない神聖な道を一歩一歩進みました。道自体に価値があるとされている熊野古道を歩くことで歴史を身体で感じたとともに、この素晴らしさをどのように守っていくのかを考える機会になったのも良かったです。たどり着いた熊野本宮大社では、ネットや本で見るよりも先人が大切にしてきたものを全身で感じ取ることができたように思います。

分かりやすいマイクさんの解説をじっくり聞く参加者
神秘さを全身で感じた熊野古道

スタディツアーで生まれた交流

スタディツアーでは、収穫体験や熊野古道歩きなどで参加者と交流ができるのが大きな魅力であると考えています。様々なバックグラウンドを持つ参加者が1泊2日という短い期間ながらも互いのことを知り、初めて訪れた地域の魅力に気づくことができる機会は非常に貴重でした。また、田辺市で出会えた地元の方々との交流も印象的でした。個人の事業の発展が目標ではなく、手を取り合って活性化を目指していこうとする絆を感じました。

終わりに

このスタディツアーを通じて、自然と文化、産業が融合する地域をどのように守っていくのか、田辺市のSDGsに関する取り組みはどのようなものかを考えたり、知ったりすることができ、大きな学びとなりました。私は、再び訪れたいと思える地域づくりの仕組みが作られていることが大きな発見でした。ここで得た学びを所属する学科での学びに活かすなど、今後も貪欲に学び続けたいと思います。

1泊2泊ともに過ごし学んだ学生の皆さん、引率してくださった職員の方々、学ぶ機会を与えてくださった田辺市の皆様、本当にありがとうございました!