FIND SOPHIA

カテゴリーで探す

コンテンツ名で探す

Find Sophia

上智のいまを発見

映像に込めた『あの日の記憶』

2026.07.09

初めまして。上智大学放送研究会(Sophia Broadcasting Circle:SBC)69期の三品小英桜(みしな さえら)です。

上智大学放送研究会、通称SBCは約100人の部員が所属するアナウンス・放送系サークル。番組発表会やソフィア祭、合宿などさまざまな活動を通して、映像制作だけでなく、ラジオ番組の制作や司会進行、機材操作など幅広い分野に取り組んでいます。

今回は、毎年SBCが参加している「NHK全国大学放送コンテスト(Nコン)」で、私が制作した作品についてお話しさせていただきたいと思います。

私は2025年に開催されたNコンに初めて出場し、映像番組部門でセルフドキュメンタリー『あの日の記憶』を制作し、準優勝を受賞することができました。サークル活動を始めて間もない中でいただいたこの賞は、自分にとって大きな自信となり、「ここからSBCでの活動が始まった」と思えるほど、忘れられない経験となりました。

映像『あの日の記憶』の一部(私の家族が撮影した実際の震災当時の様子です。)

この作品は、私が過去に経験した「震災」がテーマになっています。私は宮城県出身で、2011年3月11日の東日本大震災を経験しました。当時は幼く、震災の本当の意味や被害の大きさを十分に理解することはできませんでした。避難生活や当時見た景色も、年月とともに少しずつ記憶が薄れてきています。しかし、その震災で最愛の祖母を津波によって亡くしたことだけは、今も決して忘れることはありません。

祖母の家にあった時計(津波が来たと思われる時間に止まっています。)

大学で学ぶ中で、「震災の記憶を映像として残したい」という思いを密かに抱いていました。そこで、この作品制作を本格始動させるきっかけとなったのは、家族が震災当時に撮影していた写真や映像を偶然見つけたことでした。その映像には、私自身も知らなかった当時の様子が残されており、忘れかけていた記憶が一気によみがえりました。また、津波が到達したと思われる時刻で止まった時計の写真を見たときには、胸が締め付けられる思いになりました。

映像『あの日の記憶』の一部(祖母と私の写真をエンディングに入れました。)

震災の経験と祖母の死を決して無駄にしたくない。そして、自分だからこそ伝えられる記憶を映像という形で残したい。その想いから『あの日の記憶』を制作しました。本作品では、震災当時の映像と現在の復興した町並みを対比させながら、「記憶」と「希望」をテーマに描いています。演出、撮影、編集、ナレーションまですべて自分で担当しました。特に震災当時の映像は、当時家族が撮影していたものであり、私自身しか持っていない貴重な記録となりました。

映像『あの日の記憶』の一部

この作品を通して伝えたかったことは、

震災そのものをなくすことはできなくても、その記憶から学び、次の世代へ語り継いでいくことができるということです。

そして、どんな大きな悲しみの中にも、希望は必ず存在することを感じてほしいという想いを込めました。

私が経験した震災と祖母との別れを、「記憶」と「希望」という二つのテーマで映像に込め、消えない悲しみがあったとしても、その先には新しい希望や喜びが生まれることを伝えたいと思っています。

映像『あの日の記憶』の一部

今年開催される第43回NHK全国大学放送コンテストでも作品を制作します。さらなる私ならではの視点や表現を取り入れながら、昨年以上に多くの方々の心へ届く作品を目指しています。

そして、何事にも温かく応援してくれた祖母に少しでも成長した姿を届けられるよう、これからもSBCの一員として一歩ずつ挑戦を続けていきたいと思います。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

ぜひ、今後の上智大学放送研究会(SBC)の活動にもご注目ください。

第42回NHK全国大学放送コンテスト本選大会のダイジェスト映像が公開されました。インタビューと実際の作品をリンクからご覧いただけます。ぜひ、ご覧ください。

(17:08~から『あの日の記憶』の映像になっております。)

上智大学放送研究会 Sophia Broadcasting Circleには、部員が手がける公式ホームページが公開されております。多方面に活躍する活動について掲載されております。SNS(Instagram、X)もありますので、ぜひご覧ください。

https://www.sbc1961.com