2021.08.30
こんにちは! 新人記者のひなです~。
皆さんはホフマン・ホール4階にある、東京ハラルデリ&カフェ(以下、ハラルカフェ)を利用したことはありますか? この食堂は宗教法人日本イスラーム文化センターよるハラール認証を取得しており、完全ハラール対応のメニューを提供しています。
こちらは店内の写真です。テラスにも席がありますよ~。
ハラール認証とは?
イスラームの教えでハラールとは「許されている」という意味で、「もの」や「こと」が神に許されているかどうかを示す言葉です。したがって食べ物でいうと、ムスリムが口にすることができる野菜、果物、豆類や、イスラームの戒律に則って処理された動物の肉などはハラールにあたり、禁止されている豚肉やアルコールを含む食材は避ける必要があります。
そしてハラール認証とは、イスラーム法に則って生産、提供されたものであることをハラール認証機関が監査し、一定の基準を満たしていると認められたサービス、商品に付与されるものです。(PDF「ハラール食品輸出に向けた『手引き』」、農林水産省(2015))
今回はそんなハラルカフェのおすすめメニューやお料理のこだわりについて、食堂を運営するASlink株式会社代表取締役の中村竜己さん(以下、中村さん)、代表のモハマド・シャーミンさん(以下、シャーミンさん)にインタビューさせていただいたので、その模様をお伝えします。
カフェ内のおすすめメニューやこだわりについて教えてください。
中村さん ハラール認証は食材のルールに厳しいため、限られた食材の中で、健康的でかつ美味しいメニューを提供することを目指しています。おすすめメニューは週替わりカレーと鶏肉の自家製ハンバーグです。また、料理の盛り付けにもこだわっています。
シャーミンさん 利用者の方に飽きさせない、美味しいものを提供出来るよう努めています。ほうれん草を使ったカレーや、ハラール認証を取得した牛肉(生産、加工の段階からイスラームの教えに則っているもの。例えば、と畜の際にはイスラーム教のお祈りが行われます)を使ったものもあります。ハンバーグの鶏肉も市販のものは使えないので、牛肉と同様、ハラール認証を得た鶏肉を使っています。
人気メニューTOP3を教えてください。
中村さん 3位はチキンカレーです。限られた食材の中で何度もブレンド・調合を繰り返して作り上げた、自家製のスパイスを使用しています。安いのに本格的なカレーを楽しめるということで学生の方からも大人気です。
2位はローストチキンです。先述した牛肉やハンバーグと同様、イスラーム法に則って生産されハラール認証を取得した鶏肉を使っており、オーブンを使い皮はパリッと、中はジューシーになるように焼き上げています。ソースも自家製のトマトソースを使用しています。学食の場合、オーダーが入ってから焼くということが出来ないので時間が経っても美味しく召し上がっていただけるよう努めています。モモ肉を丸々1枚使用しているので、男子学生の方も満足出来るメニューとなっております。
1位はカレー・ナンのセットです。当店で提供するナンは焼き立てのものです。タンドリー窯で焼き上げたナンはとても大きく、その見た目のインパクト、そしてカレーとの相性の良さから学生のみなさんにも好評を頂いております。
これはカレー・ナンのセットの写真です。カレーもとても本格的な味で、ナンのサイズもこの通りとても大きく、満足感のあるメニューでした!
これは、チーズナンの写真(撮影:ひびっきー記者)。私もこのチーズナンを食べたことがありますが、形もピザのようでパーティー気分が味わえて見た目からもテンションが上がります。ナンとチーズの組み合わせも最高でした! 私のお気に入りのメニューです。
メニュー考案の際、苦労なさった点があれば教えてください。
中村さん ハラールの場合、食材だけでなく調味料の中にも使用できないものが多くあります。例えば、しょうゆやみりん、酒といった定番の調味料も使うことが出来ません(アルコールが含有されているため)。使用可能な食材の中でそれらの味をどのように再現するかということを考えるのが大変でした。しかしその分、当店にしか出来ないノウハウを築くことが出来ました。
ムスリムの方を含む、カフェ利用者の声を聞かせて下さい。
中村さん 学生の方からは、「安いのに味も見た目も本格的なカレーや料理を楽しむことができる」といった嬉しい声を頂いております。
シャーミンさん 私自身ムスリムですが、私たちにとってこのようなハラール認証の食堂があるというのはとても嬉しいし、安心ですね。また、キャンパス内には食堂の近くにお祈りのスペース(「祈りの部屋」)も設けられており、食事の前後にお祈りすることが出来ます。この点もムスリムにとって嬉しいポイントですね。
皆さん、いかがでしたか? 限られた食材の中で美味しいものを提供したいという運営に関わる方々の思いがよく伝わってきましたね。
私自身もこの食堂を利用するときはいつも、メニューの種類が豊富でどれにしようか迷ってしまいます(笑)。
ちなみに、シャーミンさんがおっしゃっていた「祈りの部屋」(11号館1階)は、イスラームの教えの通り男女別にお祈りすることができ、ムスリムの方も使いやすくなっているそうです。カトリックの大学ではあるけれど、このようにムスリムの方にも目を向けた食堂やお祈りのスペースがある点は多様性を重視した取り組みを盛んに行っている上智ならではだなと強く感じました。
運営に関わる方々のこだわりが詰まったハラルカフェ、ぜひ皆さんも利用してみては?
春期休業中のため、来週2/25配信のSophia Topicsはお休みします
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2021.08.30