南三陸プロジェクトチーム2022では、震災学習を行って「過去」を学びつつ、収穫体験・林業体験・BBQなどを通して南三陸の「未来」の可能性を感じることを目的に、10月1日~2日に南三陸町を訪問しました。二日間の活動報告をプログラムごとにお伝えします!
①南三陸さんさん商店街
南三陸に到着し、まず初めに「南三陸さんさん商店街」を訪問しました。南三陸の海でとれた食材を贅沢に使った海鮮丼や特産品のわかめ、アイスクリームを食べて、腹ごしらえをしてから一日目の活動を開始しました。
②まちあるき語り部
南三陸さんさん商店街の隣に併設された311メモリアルから、町内を回る『まちあるき語り部ツアー』に出発しました。ツアーでは実際に震災を体験された南三陸町のボランティアの方々と、震災遺構である「旧防災対策庁舎」を訪れました。高さ12mあった旧防災対策庁舎でしたが、それをすべて飲み込むような大津波に襲われて、建物は原型を留めぬ状態になっていました。実際に間近で震災遺構を見て、11年前のあの日にこの場所で大津波に襲われたことを実感し、震撼しました。
その後、東日本大震災によって犠牲になられた方々の名簿を納める「名簿安置の碑」や、町の復興を祈念して設えられた「復興祈念のテラス」が設置されている復興祈念公園に行きました。公園は丘になっていて、途中に海抜16.5mの「高さのみち」がありました。市街地を襲来した津波はこの高さだったという話を聞いて、間近から建物を見上げた時はすごく高く感じた防災庁舎すらを飲み込んだ津波の高さを実感し、恐ろしさを感じることができました。
③南三陸311メモリアル
私たちが現地研修に訪れた10/1(土)はなんと「南三陸311メモリアル」のグランドオープンの日で、オープニングセレモニーが行われていました。この施設は東日本大震災における自然災害の記憶から自らと向き合い、語り合い、学びあうという、震災の教訓をいかした学習施設です。いろいろな展示がありましたが、私たちにとっては、被災直後に津波被害を受けなかった山側の地域の人たちが大量の米の炊き出しをして、避難所に食料を届けて助け合ったという話が印象的でした。東京にいる私たちは、地域の人との関わりも少なく、いざ災害に巻き込まれたときに迅速な助けあいができるのか、今の生活を見直すことができました。
④現地高校生とのワークショップ
南三陸311メモリアルから南三陸町生涯学習センターへ移動し、南三陸町の志津川高校との混合チームを作って防災をテーマにしたケースディスカッションを行いました。ディスカッションを通し、災害対応を自らの問題として考えるとともに、自分とは異なる意見・価値観の存在への気づきも得ることができました。また普段かかわることのできない同世代の南三陸に住む高校生とそれぞれ、高校生視点の意見と大学生視点の意見を融合して新たな視点をもつことができました。ワークショップの最初にアイスブレイクとして行った「じゃんけんゲーム」も盛り上がり、現地の高校生との交流もすることができ非常に有意義な時間となりました。
~1日目を終えての参加者の声~
実際に目で見たことのなかった津波に襲われた町の実態を見て、改めて地震の恐ろしさを実感できる体験になった。語り部の方の実体験を踏まえた貴重なお話を聞くことができて、南三陸を全く知らない自分でも、震災当時のあの町の様子がありありと脳裏に浮かんできて胸が苦しくなるような思いだった。それと同時に、約 11 年を経てこれほどまでに復興し、私のように震災についてそれほど詳しくない人に様々なことを伝えられるようなあの街並みに感動した。
炊き出しや地域でのつながりなど、都会では実感できない部分も多かったけど、助けあいや地域連携の大切さについて理解することができました。南三陸311メモリアルは震災を経験した方々の当時の行動や思いがひしひしと伝わってくるような施設だったと感じる。
今まで震災や大津波を経験した一般の方の肉声を聞く機会はめったになかったが、現地には実際に震災を経験し、小学校入学前にも関わらず避難所での生活を強いられた方もいて、熱のこもったお話をしてくれる方が多く、年下の子が自分よりも震災についてよく知っている様子を見て奮い立たせられました。防災についてのこともそうだし、普段の生活に関しても、今回見聞きした経験をどう生かしていくかをよく考えていこうと感じた。南三陸311メモリアルの施設は震災当時生まれていなくて震災について何も知らないような世代に伝えていくのにも役立つものであった。
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2024.03.13
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