2021.08.30
こんにちは! 新入記者のくるみです。新学期が始まって2カ月が経ち、みなさん新生活にも徐々に慣れてきたことと思います。1、2年生の中には、教職課程を履修しようか迷っていたり、悩んでいたりする方もいるのではないでしょうか?
今回は、教職を目指すみなさんに向けて、現在教職課程を履修している私と、3年生の4人の友人たちの体験談をお届けします! ぜひ、履修の参考にしてみてください。
なぜ教職課程を履修したのか?
私は、父が高校の教員をしていたため、学校の先生という職業が元々身近にありました。また、高校時代、辛いときに温かい言葉がけをしてくれた先生との出会いも、教員を目指すきっかけとなりました。高校3年生の時、推薦に関わる重要な試験を前にして悩んでいた私に、当時の担任の先生が「いつも通りでいいんですよ」と声をかけてくださいました。この言葉を受け、私はとても温かい気持ちになり、プレッシャーから解放されたことを鮮明に覚えています。
また、友人は中学校3年生の5月というタイミングで家庭の事情による転校が決まった時に、担任の先生が親身になって相談に乗ってくれたことがきっかけだったそうです。「その先生が、私の知らない世界の話を沢山してくれたり、転校先で頑張る理由をくれたりしたので、私も誰かの背中を押すことの出来る存在になりたいと感じた」と話してくれました。
教職を履修して良かったことや楽しいことは何?
多角的な視野や学びを得ることができて面白い!
教職課程では、中高の現場で実際に指導されている先生や、スクールカウンセラーとして勤務されている先生など、経験豊富な先生方が講義をしてくださいます。また、教職課程を履修する全学部学科の学生が履修する授業も多いです。出身校も私立校、公立校、インターナショナルスクール、中高一貫校など様々なので、授業で他の学生と交流すると、お互い経験したことのない珍しい環境の話を聞くことができます。
近年の教育では「教科横断学習」も大切にされるため、専門分野以外の学生とも交流ができるのは、多角的な視野を養うためにもとても良いチャンスです! 「自分自身の学生時代の生活とのギャップを感じて凄く面白い!」という意見もありました。
学生の視点ではなく、先生の視点で物事を見ることができる!
友人は、「教科書は学習指導要領のここをねらいとしているんだ」、「先生はあのときこういうところに気をつけながら授業をしていたんだ」という気づきがとても面白いと話してくれました。また、「教育相談で教わった傾聴の方法は、友人の相談を聞いたり、アルバイト先で電話を受けたりする際にも役立った」、「教育を施す側の観点から見つめ直すことによって、物事の多面性や自分の視野の狭さに気づくことができた」という声もありました。
今までの「生徒」の立場から「先生」という反対の視点で教育に向き合うことで、先生の心情が理解できたり、新たな気づきがあったりする、というメリットがあるようです。
履修前、不安に思っていたこととのギャップは?
取得単位が多いイメージだけれど、超過履修をする必要はない!
私が教職課程を履修する前に最も不安だったことは、教職課程は取得すべき単位が多いため、超過履修しなければならないのでは、ということです。少なくとも私が所属する国文学科では 、卒業単位に充当できる教職の単位数が多いため、1年生の頃から計画的に履修できれば、ある程度余裕のある予定が組めます。インタビューの中でも、「思っていたよりも授業数が負担になることはなかった」「入学直後覚悟していたよりかは履修上の苦労が少なかった」という意見が多数ありました。
塾や家庭教師のアルバイト経験がなくても、教育実習に安心して臨める!
教職課程を履修する学生は、教育に興味があって履修する人が多いため、学習塾や家庭教師のアルバイトをしている人が多い傾向にあります。ただ、学生の前で模擬授業を行う科目があり、教育実習の前に実践できるため、私のように教育系のアルバイトや活動に携わっていない人でも大丈夫です!
模擬授業を終えた友人たちは、「学習のねらいや教科の面白さを組み込むよう意識して指導計画を練るのが楽しい」、「他の人の授業を見て、こんな風な授業のやり方があるんだと学べる」、「これまで生徒として『受身』で過ごしていたときと異なり、先生として『主体的に』授業を考えたり、生徒との関わり方や教育の在り方について考えたりすることが面白い」と話してくれました。他の学生から受ける刺激も大きいため、互いに高め合うことが大きな成長に繋がります!
教職課程で大変だなと思うことは何?
課題に時間がかかったり、将来について考える時間が増えたりする
現在の教育課程や学習指導要領について調べたり、生徒との向き合い方、教員としての立ち居振る舞いを考えたりすることがあるため、教職に真剣に向き合うほど、どうしても課題に時間がかかってしまいます。また、授業でのグループワークや課題をこなすうちに、「自分はこれで良いのだろうか」と、自分自身が目指す理想と現実のギャップに悩まされる、という意見もありました。
必修科目が多く、履修中止がしづらい
教職は、4年間の中でいずれ履修しなければならない必修科目が多いため、安易に履修中止することが難しい、という側面があります。ただ、自由度の高い一般教養科目のように、多くの選択肢の中から授業を選ぶよりも、事前に決められた課程科目が一定数あった方が授業を組みやすい、という声もありました。
これから教職を履修しようと考えているみなさんへ
インタビューした友人より、これから教職を履修するみなさんに向けて、メッセージをいただきました!
「教職は履修しなければならない科目が多くて大変だと思いますが、最終的に教員にならなかったとしても得られる経験や知識は今後の生活に必ず役立つと思います! 大変だとは思いますが、一緒に頑張りましょう!」
「課程センターからの説明や指導はとても丁寧です。本当に無理だ、と思ったら途中で辞めることもできるので、興味があるなら受けておくのも一つの手だと思います」
「教職課程を取ると自然と関わる人が増えて交流の幅が広がり、大学生活をもっと楽しめるようになります。科目が多くなる分、大変なこともありますが、今までの学びの集大成として教員免許を手に入れられることは教職課程のなによりの魅力です。また、教職課程の授業では自分が受けてきた教育や経験してきたことを振り返ることが多いため、自分自身を見つめ直すことにもつながり、就活において自己分析に活かすこともできます。取って損はないと思うので、ぜひ一緒に頑張りましょう!」
おわりに
いかがだったでしょうか。私自身も、今回改めて友人にインタビューをしてみて、新たな気づきや学びをたくさん得ることができました。これから教職を取ろうと考えている方の参考になっていれば、幸いです。
100分の授業だけで教育に関する情報を得たり、学びを完結させたりすることはなかなか難しいので、より教職の知識を深めたい、本気で教員を目指したいという方々のために、最後に教職関連の活動のご紹介です。上智を卒業して現在教員になられている先輩と、学部生がお話できるTeachers Sophianや教職・学芸員課程センター長が顧問を務めていらっしゃるSTS(教育教職サークル)などの活動もあります。興味のある方はぜひこちらにも参加してみてください!
インタビューにご協力いただいた、教職課程を履修している3年生のみなさん、ありがとうございました!
では、次回の記事もお楽しみに!