こんにちは! 今年度も残すところ、あとわずかとなりました。春に向けて何か新しいことにチャレンジしてみたいな、そんな気分になっている方も多いのではないでしょうか。そんなみなさんに今回は「職欲(ジョブヨク)の未来@上智」(以下、ジョブヨク)を紹介したいと思います。そもそもジョブヨクとは何でしょうか? それはテーマに沿って学生と社会人とが垣根を超えて自らの生き方を語り合うことができるイベントのことです。あお記者とくるみ記者も秋のイベントに参加をしてきたので、その時の体験談も交えつつお伝えします。今月末にもイベントが開催されるので、みなさんもぜひ参加してみてください!
ジョブヨクを担当されている経済学部経済学科教授の川西諭先生と運営メンバーのみなさんにインタビューをしてきました。
Q. ジョブヨクというイベントの位置づけを教えてください。
(川西先生)ジョブヨクは他大学でも実施されているイベントです。上智大学の場合は「上智大学フューチャーセンタープロジェクト」(以下、フューチャーセンター)の有志メンバーがジョブヨクの企画運営を行っています。フューチャーセンターはヨーロッパが発祥なのですが、日本でも企業をはじめ、大学や行政に取り入れられました。上智大学も2013年から活動し始めて、昨年で10年目を迎えました!
Q. ジョブヨクができた経緯について教えてください。
(川西先生)2010年ごろは東日本大震災やリーマン・ショックで経済状況もあまり良くなく、就職活動で悩んでしまう人が多かったんです。働きたい企業で働けなかった、それだけで自分はダメだと思ってしまうのは、あまりにも悲しいですよね……。
2013年、学生と社会人、教職員が集まって就職活動について考えるワークショップをやっていた時に民間フューチャーセンター代表の方から声をかけていただいて、上智でも2017年に第1回目ジョブヨクが始まりました。多い時では年に3回ほど開催し、2023年秋のジョブヨクで16回目を迎えました。
Q. 他大学のジョブヨクと比較した上智大学における特徴はありますか。
(川西先生)フューチャーセンターの教職員と学生によるボランティアでやっていることが特徴的ですね。告知も学内掲示板で行いやすいので、教職員の方々が助けてくれることもあります。社会人の参加者は上智の卒業生や上智関係者、その知り合いを中心に募っています。その他、Facebookを見た人やフューチャーセンターの別の企画に参加してくれた方もいます。
Q. みなさんはイベントの実施に向けてどのように活動をされていますか。
(川西先生)今回行なったジョブヨクからは準備段階で新しい試みにチャレンジしてみました。今までは毎回、参加者の募集をするために3時間のプログラムの概要を3ヶ月前から組み立てていたんですよ。今年は3回目だったので、今年の1回目のテーマを活用してゴールであるサブタイトルを変更してみました。私としては学生主体でなるべく省エネでやってねっていうのが想いとしてはあります。
(井上さん)今回はやはり今までのノウハウがある分、最初からやるよりは楽でした。ただ過去の回を採用するとなるとどの部分を変えるかっていうところは継ぎ接ぎになってしまうので、筋が通らなくなってしまうところもあって……。0から1を創る時なら先に一本筋を建ててしまえば、あとは枝葉をつければいいので楽な面もあります。
(川西先生)私の理想としては、参加者が変われば話す内容も違うからこそ何回来ても楽しめるような鉄板プログラムがいいなと思っています。今までで多かったテーマだと「働くときの軸をどこにするのか」「働くなら、どこがいい?」とかですかね。あと過去に開催した「社長ジョブヨク」では会社を起業された社長さんたちが来てくださったんです。
Q. ジョブヨクのメンバーとなることに興味を持ったきっかけは何ですか。
(佐々木さん)私は大学1年生ですが、Loyola掲示板で見つけたフューチャーセンターの説明会をきっかけに興味を持ちました。高校の生徒会で文化祭とかの企画運営を自分ですることが好きだったので、そういうのに携われたらなと思い参加してみました。
(岩武さん)元々、フューチャーセンターのサブプロジェクトである学教職協働「ピア・カフェ」プロジェクトに所属していたところ、職員の方から紹介されました。当時、職員さんからは場づくりや対話に興味があると思われていたので薦めてもらえました。
(井上さん)私は大学2年生の時に入りました。当時はコロナの時で学校にも登校できず地元に戻っていました。コロナのせいでイベントに参加できないなら自分が作る側になればいいと思って入ってみたんです。それまでの大学生活では学生と社会人が就活やアルバイトの話題以外で話す機会はなかなかなかったので、そういった機会があればと始めました!
Q. ジョブヨクを運営するにあたって感じている課題はありますか。
(井上さん)やはり人ですかね。新しいメンバーはどんどん増やしていきたいですね。興味を持って来てくれる方、特に主体性があると尚いいのかなって思います。こういうことがやりたいとかの意見を出してくれたり、ここってどういうことですかみたいな質問を出してくれたりすると、その人にとっても活躍できているって思えるので活動も続くのではないかと思います。
(岩武さん)フューチャーセンターのキーワードが「対話」なので、その場限りではなくて、キープしていくことが重要だと思います。受け継ぎ手がいてこそ対話は継続するものだと思うので、人不足は深刻な課題だと思います。いろんな方と話し合ったら、より良いものが生まれるんじゃないかってことを素直に思ってくれる方がもっと増えてくれると嬉しいと思います!
ここからは、参加した記者が当日の様子の紹介も交えながら、お話していきます!
私たちが参加した回は、まず22名の参加者が社会人と学生混合の4、5人のグループを作り、各々が憧れる人物(身近な人や著名人など)をロールモデルに設定しました。また、その人物を選んだ理由をグループ内で共有した上で、自分はどんな人物になりたいのかを言語化していきました。そして、一度メンバー替えをして、新たなグループで今自分が悩んでいることや将来どんな風になりたいのか、などを話し合いました。
Q.イベントの進行で心がけていることはなんですか?
(井上さん)社会人も学生も同じ立場で話せるように、ということを意識しています。面白いアイスブレイクを用意して、緊張をほぐして楽しんでワークに参加してもらえること、また、社会人のお話を聴講したり、一人で黙々と作業したりというだけでは、実際に対面で集まっている意味がないので、お互いに楽しく対話できるようなプログラム作りを心がけています。
今回のアイスブレイクは、手元を見ずに相手の似顔絵を描く、というもので、グループ内でとても盛り上がりました! 全員初対面でしたが、このアイスブレイクのおかげで、その後も話しやすくなった気がします。
(岩武さん)属性が違う人でもフラットに話せるように、という点は私も意識しています。ここにある「6つの心得」(下記画像参照)のようなグランドルールを設けて、イベントを始めるにあたって参加者に意識してほしいこと、例えば心理的な安全性やお互いをリスペクトすることなどを明示しています。学生や社会人、教員、職員など様々な属性の人が一同に会す場で、意識しないうちに壁を感じることがあると思うので、活発なコミュニケーションをするためにも、グランドルールは大切にしています。
参加前は、社会人のありがたいお話を聴くというイメージだったのですが、想像以上にフラットに話せて、社会人の方々も私たちの悩みを積極的に聞いてくれたり、学生生活について質問してくれたりしました。最初のグランドルールがあったからこそ、全員がフラットに話す意識を持てたと思います。
(佐々木さん)私は企画の段階で、企画の筋が通っているかを意識しています。それぞれのワークのつながりや、参加者にどういうことを得てほしいのかなど終了後の目標をはっきりさせることを心がけています。
(井上さん)佐々木さんにはすごく助けられていますね。たくさんアイデアを出すだけではゴールを見失ってしまうこともあるので、まとまりを持たせるためにも、チェック役として活躍してくれています。
当日は、運営メンバーの方々がグループで話が滞っていないか見回って声掛けをしてくれたおかげで、話がずれたり、目的を見失ったりせずに進めることができました。
今回は、ジョブヨクの担当をしていらっしゃる川西先生と運営メンバーの方々に、ジョブヨクの裏側についてたくさんお伺いしてきました。私たちは今回このイベントに参加してみて、初対面の学生や社会人の方と交流できてとても楽しかったですし、視野も広がり良い機会となりました。これまで参加したことのない方も、ジョブヨクのことが少し理解できたでしょうか。
次回のジョブヨクは2月17日(土)16:00-19:00で、初参加の方や4月入学の新入生、留学生の方も大歓迎だそうです。
参加申し込み締め切りは2月15日(木)です。ただ、定員40名に達し次第、受付を終了するそうなので、お申し込みはお早めに!
お申し込みは、下記のリンクからできます!
社会人の方 https://forms.gle/FG7kmnAhVx8itrAEA
在学生の方 https://forms.gle/xAo2ReJbrBnmSzL79
新入生の方 https://forms.gle/gbtoMwXGWcAZ16rv9
イベント詳細については、こちらをご覧ください。
https://www.facebook.com/events/7047774018605636/
では、来週の記事もお楽しみに!
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2023.02.03