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上智のいまを発見

樋口匡貴
学生時代も今もつながっている

2024.11.21

大学の中と外で、いまおきているあれこれを紹介する「上智のいまを発見」。
普段の授業では知れない学生時代のエピソードなど綴っていただく「先生コラム」の第18回目をお送りします。先生コラムは教員から次の教員をご紹介いただくリレー形式でお届けします。
今回は、杉谷陽子先生(経営学科)からのご紹介、樋口匡貴先生(心理学科)です!

経営学科の杉谷陽子先生からご紹介いただきました,心理学科の樋口匡貴です。杉谷先生とは専門領域が近く,学会での多方面にわたるご活躍,昔から存じ上げておりました。前回コラムでは「アニキ」などと呼んでいただきましたが,本当に不肖ですすいません。

さて今回のコラムをお引き受けし,一体何を書こうかかなり悩みましたが,少なくとも楽しく伝えられることを書いてみようと思いました。広いテーマとしては,私が学生時代に身につけたことについてです。その中でも二つのことについて書きます。一つは学問について,もう一つは一生の趣味である音楽活動についてです。

学生時代,特に大学院生の頃には本当に死ぬほど勉強しました。英語が苦手だった自分はとにかく1日1本英語の論文を読んでまとめるまで帰宅しないというルールを定め,朝5時ごろから夜の10時過ぎまで,ずっと大学にいました。文字通り大学で暮らしていました(学食が健康を支えてくれました)。今振り返ると,この生活はとても有益でした。あの時期があったからこそ,今があると実感できています。それはその頃に身につけた知識が現在も直接役に立っているということではなく,専門としている研究領域におけるものの見方や考え方を自分にインストールできたという点で,とても有用だったと感じています。

大学での学問は何かの職業に就くためや年収を上げるためのものではなく(もちろん現在の大学教育にそういう側面があることは否定しませんが),自分なりのものの見方を身につけるためのものだと考えています。そのためにも,専門の勉強をしっかりやるのは本当に重要なことだと思います。

さてここまで主に大学院時代の話を書いてしまったわけですが,では学部の頃はどうだったかと言いますと,実はもう一つのテーマである「音楽」に捧げる生活を送っていました。一時期はギタリストとして生計を立てようかと考えたぐらい,大学生時代は音楽活動に熱中していました(もちろんそれなりに勉強も……)。大学卒業後は少し離れてしまっていたのですが,10年ほど前から少しずつ復帰しています。心理学者の友人たちともスタジオ入りしたり,一緒にバンドを作って自作の曲を録音したりして楽しんでいます。またここ数年ハマっているのは,色々なセッションバーに出かけて行って,色々な国籍,年代,性別の人たちとその場限りのジャズやファンクのセッションをすることです。色々な人と音楽を通じた交流ができます。新しい友達もたくさんできました。大学時代にずっと続けていたことが,大学時代で終わらずに30年経っても続けていられる。これは本当にありがたいことです。

地元のバーで知らない人たちとセッションしている時の様子です。

学生の頃には,「とにかく今のうちに遊ばなきゃ」「就職する前に色々な勉強をしておかなくちゃ」と感じていました。大人になったら,卒業したら時間がなくなると思っていたからです。時間的な制約ができることは確かに事実かもしれませんが,それでも,大人になってもたくさん遊べます。たくさん色々なことが学べます。新しいことだって始められます。一生のうちのほんの一部が学生時代です。どうぞこれから先の人生もお楽しみに。

さて長くなってしまいましたので,そろそろこの辺で終わりにしようと思います。

次のコラムは外国語学部の出口真紀子先生にお願いしました。出口先生は上智の名物講義と言ってもいい「立場の心理学」をお持ちの先生ですね。研究に対するスタンス,取り組み方,成果の伝え方,色々な点で私が密かに憧れている先生です!

次回は……

樋口先生から出口真紀子先生(英語学科)をご紹介いただきました。次回の「先生コラム」もお楽しみに。