今日、あなたはペットボトル飲料を飲みましたか? 日本国内で消費されるペットボトルの本数は1人あたり年間183本と言われています。レジ袋の有料化など、プラスチックごみへの関心が高まっている今、私たちに何ができるでしょう。上智大学の直営寮の1つである「アルペ国際学生寮」における面白い取り組みをご紹介します。
2021年度春学期に上智大学直営寮「利他的リーダーシップ育成プログラム」に参加した福島慶悦さん(総合グローバル学科2年)、宮園佳耶さん(国際教養学科2年)、近森由衣さん(経営学科2年)。アルペ国際学生寮に住む3人は、プログラムの一環として、SDGsの問題解決に向けて ”Go_greeeen”と名付けたプロジェクトに取り組みました。
Q. SDGs Goal の中からGoal 13(気候変動に具体的な対策を)をプロジェクトのテーマに選んだきっかけは何ですか?
(宮園)日本人1人あたりのプラスチック廃棄量がアメリカに次いで世界2位である、という記事を雑誌で見たのがきっかけです。リサイクルされるペットボトルは生産量の半分以下で、適切にリサイクルできるようラベルを剥がしてキャップを分別する人の割合がまだまだ少ないことも知りました。
環境問題は身近な問題であるにもかかわらず、自分を含め普段あまり意識できていない人が多いように感じて、自ら学び、それを発信して周りを巻き込んだ活動がしたいなと考えました。
Q. アルペ国際学生寮でペットボトルのリサイクル活動をされたそうですね。具体的にはどんな活動なんですか?
(近森)ペットボトル削減に向けた意識啓発ポスターを作って寮内に掲示し、SNSで発信したり、二者択一クイズを玄関前に設置し、ペットボトルキャップを一票として回答してもらうシステムを作ったりしました。
Q. ペットボトルキャップの回収箱がただの箱ではなく、二者択一クイズの投票箱になっているのがとても面白いですね。
(福島)誰でも楽しく参加できるように工夫しました。実際にたくさんのペットボトルキャップが回収でき、寮生や寮スタッフの方から多くの反響があったのは嬉しかったですね。
(宮園)環境問題に興味がない人たちにどうアプローチすれば良いのかは常に悩ましい課題でしたが、シリアスすぎない方法で“楽しく習慣づける”ようにするのも、多くの人を巻き込む上で大切なことなのではないかと感じました。
Q. このプロジェクトを振り返っていかがですか?
(福島)以前から環境問題に興味があり、国家や企業、市民社会の環境への取り組みについて調べていたのですが、ただ調べるだけではなく何かしらのアクションを起こしたいと考えていた時に、「利他的リーダーシップ育成プログラム」を知り、参加しました。プロジェクトを通じて、ペットボトルの正しい分別方法とプラスチックごみが環境に与える影響について認知度を高めることができたと感じています。
プロジェクトはひとまず終了しましたが、寮内で始めた活動が少しずつ広がり、現在は、大学のキャンパスライフ環境向上に関する取り組みの中で、大学と協働して上智大学オリジナルマイボトルの作成を進めているところです。
(近森)昨年も「利他的リーダーシップ育成プログラム」に参加したのですが、学ぶことが多くとても楽しい時間を過ごせたため、今年も継続して参加しました。
今回のプログラムでは「小さな取り組みから大きな変化へ」という言葉が繰り返し使われています。まさにこの言葉通り、ポスター作りから始まった活動が、寮生を巻き込んだキャップの投票箱へと広がり、そして現在の大学マイボトル作成の活動につながっている。まずは自分のできる範囲から行動を起こすということの重要性を学びました。
(宮園)新型コロナウイルスの影響で、自分が思い描いていた理想とは大きくかけ離れた大学生活を強いられ、コロナ禍でも何かできることはないかと考えこのプログラムに参加しました。
プロジェクトを進めていく中で、どんなに小さなものでもアクションを起こすこと自体に意味があるのだと実感しました。自分たちの活動範囲が徐々に広がっていることがとても嬉しいです。
担当者memo
「利他的リーダーシップ育成プログラム」で学んだことを活かし、行動につなげる姿が素晴らしいと思いました。環境問題もあなたの未来も、何かを変えたければまずは自分にできる小さな一歩から。開発中の上智大学オリジナルマイボトルの完成も楽しみにしています!
「上智のいまを発見」では学生の活躍、耳寄り情報、先生によるコラム、先輩紹介など、大学の中と外でおきているあれこれを特集しています。取り上げてほしい人や話題など、みなさんからの情報も募集中。情報提供は findsophia-co(at)sophia.ac.jpまで。記事形式、ビデオ、写真、アイディアなど形式は問いません。どうぞ自由な発想でお送りください。*残念ながらすべての応募情報にお答えすることはできません。採用させていただく場合のみご連絡をいたします。
それでは次回の発見もお楽しみに。
※ (at) は @ に置き換えて下さい