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上智のいまを発見

ジェンダー・セクシュアリティ科目を増やしたい!
学生団体GESの活動報告

2022.01.17

大学の中と外で、いまおきているあれこれを紹介する「上智のいまを発見」。今回は、ジェンダー・セクシュアリティ問題に取り組む学生団体GES(Gender Equality for Sophia)の稲井清香さん(法律学科2年)が、同団体の先輩、成田真由さん(フランス語学科3年)にインタービューした記事を寄稿してくださいました。

学生団体「GES」

GES(Gender Equality for Sophia)は、上智大学におけるジェンダー平等の推進と、すべての学生が安心して過ごしやすいキャンパスづくりを目指し、2021年4月に設立された学生団体。
5月に始まった様々な要望書の提出や、オンライン署名サイトを通じた署名の募集など、大学におけるジェンダー・セクシュアリティ問題に関して精力的に活動を続けてきました。
現在は、オンラインと対面の両方の形式を取り入れながら、約30名のメンバーが日々議論を重ねています。
同団体の立ち上げに関わり、現在共同代表を務めるフランス語学科3年の成田真由さんにお話を聞きました。

「何で授業が少ないの?」

GESの設立に至った経緯について、成田さんはこう振り返ります。

「最初は『なんで上智はジェンダー・セクシュアリティについて学べる授業がこんなにも少ないの?』という疑問からスタートしました。上智大学のジェンダー・セクシュアリティに関する授業は、数が少ない上に(履修登録の際の)抽選倍率がとても高いため、どんなに意欲があっても履修できないことが多くあったんです」

倍率が高いということは、それだけ学生のニーズもあるということ。

「学校側の供給と学生側の需要が一致していない状況を改善したい」という想いが、成田さんの中で大きくなっていきました。

「その後、友人と『上智大学には他にもジェンダー・セクシュアリティの観点で改善すべき点が多いよね』という話になり、団体を設立して課題解決に取り組むことを決めました」

具体的な活動内容

一般教養科目におけるジェンダー・セクシュアリティ科目を増やしたいという想いで始まったGESだが、現在はこの他に4つ、合計5つのプロジェクトに分かれて活動しています。

  1. 一般教養科目におけるジェンダー・セクシュアリティ科目の増設
  2. オールジェンダートイレの設置
  3. 生理用品の無償設置
  4. ジェンダー・セクシュアリティセンターの新設
  5. 学生・教職員のそれぞれを対象とするジェンダー・セクシュアリティに関する研修の実施

それぞれ、大学におけるジェンダー平等を推進するうえで、欠かせないプロジェクトとなっています。

「キャンパス内の課題解決に、実践的に取り組むことがメインです。その一方で、SNSやイベントの開催などを通じて、啓発活動にも力を入れています」

共同代表としての想い

「多くの学生・教職員に今ある問題について考えてもらう機会を提供し、上智大学をよりセーフな場所にしたい」

これは成田さんが、GESを立ち上げた当初から変わらず持ち続けている想いです。

「ジェンダー・セクシュアリティについての知識は、自分自身のためにも、他者のためにも、皆が身に付けるべきだと考えています。知識を身に付けることで、私たち学生自身の学びになるだけでなく、自分と他者の尊厳を守ることにも繋がり、結果として学校をセーフな環境にすることができると考えています」

これまでも、教職員や学生によって様々な取り組みがされてきた。それでもまだ、成田さんの思い描く理想とはほど遠いのだといいます。

初の対面イベントを開催

啓発にとどまらず、プロジェクトベースの実践的な活動を続けるGESは2021年12月、同団体初となる対面イベント「Gender book club & open talk」を開催。
14~16日の3日間、メンバーが薦めるジェンダー関連の本を展示し、気軽にジェンダーについて話せるコミュニケーションスペースを作りました。
「ジェンダー・セクシュアリティについて悩んでいる人や、話したいけれど友人や家族と話すことにハードルを感じている人などにとっての『居場所』づくりの一環として、企画しました」と、発案のきっかけを成田さんはこう振り返ります。

イベントを開催した9カフェのラーニングコモンズで準備をするGESメンバーと成田さん(右)。メンバーから寄せられた本は約30冊にものぼりました。(Photo Credit : GES)

参加した学生たちからの反響も、上々でした。

「『普段ジェンダーについて話す機会がなかなかないので、日々のモヤモヤを言語化できてよかった』、『学校にこういう場所があるだけで安心感が生まれる』などといった、肯定的な感想を多くいただけました」

「また、このイベントに合わせてメンバーが作成したGESオリジナルステッカーも好評でした。『EQUALITY』+『ALL』+『ALLY』の三単語を組み合わせた、GESオリジナルの造語です」

「EQUALITY」(平等)、「ALL」(みんな)、「ALLY」(セクシュアルマイノリティのサポーター)を組み合わせた文字に、レインボーフラッグを彷彿とさせる色をあしらったステッカー。メンバーの1人がデザインを担当しました。(Credit : GES)

また、イベントの運営に携わったメンバーにとっても、学生がジェンダー・セクシュアリティについてどのように考えているのか知る良い機会となったようでした。

今後の活動予定

GESはこれから、どのような活動を進めていく予定なのか。成田さんに今後の展望を尋ねました。

「現在取り組んでいる5つのプロジェクトの実現に向けて、今後も活動を続けていきます。もう少しで嬉しいご報告ができるプロジェクトもありますので、ぜひ今後も私たちGESの活動にご注目ください! また、キャンパス内でのイベントも沢山開催する予定ですので、そちらもぜひご期待ください」

新メンバーの募集は、2022年4月を予定しているという。InstagramTwitterなどでは常時連絡を受け付けているため、何か質問があれば気軽に連絡することができます。

担当者memo

日常生活で感じる様々な違和感をしっかりと捉え、行動に起こしていることが素晴らしいです。構成員みんなで誰もが安心して過ごせるより良いキャンパスにしていきたいですね。

「上智のいまを発見」では学生の活躍、耳寄り情報、先生によるコラム、先輩紹介など、大学の中と外でおきているあれこれを特集しています。取り上げてほしい人や話題など、みなさんからの情報も募集中。情報提供は findsophia-co(at)sophia.ac.jpまで。記事形式、ビデオ、写真、アイディアなど形式は問いません。どうぞ自由な発想でお送りください。*残念ながらすべての応募情報にお答えすることはできません。採用させていただく場合のみご連絡をいたします。

それでは次回の発見もお楽しみに。