2021.08.30
大学の中と外で、いまおきているあれこれを紹介する「上智のいまを発見」。現在開催中の「上智大学アフリカWeeks」に際して、学生企画メンバーによる寄稿特集をお届けします。第4弾となる本記事では「アフリカの学生のルーティン」をお伝えします!
アフリカWeeksで学生広報を担当している地球環境法学科3年のSuzuです。
今回は「アフリカの学生のルーティン」をテーマに、コートジボワールにある上智大学の交換留学協定校「Centre de Recherche et d’Action pour la Paix(平和研究・活動センター。以下、CERAP)」で働くAmbeu Patriceさんにお話を伺いました。
CERAPの前身はイエズス会により創設された「African Institute for Economic and Social Development」で、コートジボワールの最良私立大学に選ばれたこともある大学です。上智大学の実践型プログラム「アフリカに学ぶ」おける昨年度の渡航先でもあり、私も昨年の「アフリカに学ぶ」に参加し、Patriceさんと知り合いました。
Patriceさんの学生時代のルーティン
Patriceさんはコートジボワール在住の28歳です。昼間はCERAPに勤務し、夜間はエンジニアの仕事をしています。社会人として働く傍ら、2023年から日本語学校にも通い始め、2024年の夏には日本に渡航する予定だそうです。学生時代と社会人になってからの生活の違い、日本への興味についてもお話を伺いました。
家事は私の学びの一つ
Suzu:お久しぶりです! 本日はPatriceさんの学生時代を振り返っていただきながら、当時のルーティンについてインタビューさせていただきます。早速ですが、Patriceさんは何時に起きていましたか?
Patrice:朝は5時に起きていました。
Suzu:とても早起きですね! コートジボワールの学生はみんな早起きですか?
Patrice:いえ、私の起床時間が早いのは、掃き掃除や食器洗いなど家事をするためです。家事は私の学びの一つなので、これを終えてから学校に向かっていました。
Suzu:なるほど。朝ご飯は何を食べていましたか?
Patrice:パンとジュースです。
Suzu:日本でも朝は手軽に済ませているという学生はいますね。コートジボワールではパンの他に米、フフ(イモ類を粉砕し団子状にしたフワフワした蒸しパンのようなもの)、クスクスなどを主食にしていると聞きました。日本では「パン派、米派論争」というものがあるのですが、コートジボワールの多様な主食文化にも「パン派、米派、フフ派、クスクス派論争」はありますか?
Patrice:コートジボワールの朝食は非常に多様です。朝食にパンを食べる家庭もあれば、その余裕のない家庭もあります。朝食を別のもので用意できない場合は、前日の夕食と同じものを朝食に食べるので主食はそれに準じます。また、主食の選択は部族によることもあります。人によっては雑穀粥やケーキも選択肢にあるみたいです。
Suzu:なるほど。面白いですね。大学は何時から始まりますか?
Patrice:8時からです。8時半から12時半までが午前授業で、13時半から16時半までが午後授業でした。
Suzu:日本よりも始業時間が早いですね。授業時間の長さはだいたい同じぐらいです。お昼休みは何を食べていましたか?
Patrice:私はチキンライスが好きでした。
Suzu:チキンライス! 私がコートジボワールに渡航したときも食べました。コートジボワールは、主食の選択幅が広くて、毎日のご飯が楽しそうですね。
好奇心に導かれて
Suzu:特に好きな授業はありましたか?
Patrice:会計の授業が好きでした。アルゴリズムの授業は私には難しかったです。
Suzu:Patriceさんは理系の学生だったのですね。授業後はどのように過ごしていましたか? 友達と出かけることはありましたか?
Patrice:私はMovieクラブに所属していました。友達と出かけるのは授業後のみです。外の空気でリフレッシュしたり、次に遊びに行く計画について話したり、将来について語ったりもしました。
Suzu:友達との過ごし方は私たちと同じですね。Movieクラブも面白そうな部活ですね。帰宅後は、宿題や勉強をする時間はありましたか?
Patrice:はい、週に3、4回、宿題が課されます。勉強時間は履修する科目の難易度によって変動します。履修している授業が難しければ勉強時間は増えました。
Suzu:勉強時間といえばその大敵になるのがスマホですよね。Patriceさんや周りの学生はスマホとどのように付き合っていましたか?
Patrice:私は学生時代、極度のスマホ中毒でした。一日8時間から10時間ぐらいかな。しかし社会人になって時間経過とともに使用時間が減りました。
Suzu:スマホは私たちの時間をあっという間に消費してしまいますよね。自由時間を過ごした後、何時に寝ていましたか?
Patrice:午前1時半です。
Suzu:そうすると睡眠時間は約4時間半ですか! かなり短かったのですね。学生時代の生活と今の生活を比べて、何か変化したことはありますか?
Patrice:今は必要不可欠でないことをする時間がなくなりましたね。日曜日しか自由時間がないです。
Suzu:Patriceさんはエンジニアの仕事もされているとお聞きしました。エンジニアの仕事を選んだのは、大学の専攻と関係しているのですか?
Patrice:いえ、関係ありません。私は自分自身でエンジニアの仕事を選びました。
Suzu:なるほど。新たな分野に挑戦したのですね。最後に、Patriceさんはコートジボワールで日本語学校に通い、今年夏には日本に渡航すると聞きました。日本に行く目的、行くことを決めたきっかけはありますか?
Patrice:日本に行くのは、上智大学「アフリカに学ぶ」プログラムで知り合った日本の友人に会うためです。また、日本文化や日本料理を学ぼうと思っています。
Suzu:Patriceさんが日本に来てくださるのがとても嬉しいです! 「アフリカに学ぶ」ではコートジボワールのことをたくさん教えていただいたので、今度は私たちから日本を伝えたいです!
最後に
アフリカの同世代の人々がどのように過ごし、学んでいるのか伝わりましたでしょうか? 日本では、メディアや教育がアフリカに関する情報を取り上げることは他の地域と比較して少ない現状があると思います。今回のような機会が日本とアフリカの深い相互理解の一端になることを期待します。
担当者memo
アフリカの大学生の日常が垣間見られて新鮮でした。昨年の実践型プログラムから交流が続き、地理的な距離を越えて一過性の出会いではなくお互い行き来して友情を育み、社会に出てからも学び合えるなんて! かけがえない関係ですね。このような個人的なつながりが、これからの社会にも光をもたらすと感じます。
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