“NOROSHI 2018”優勝者、上智大学お笑いサークルSCSへのインタビュー。
後編は新入生必見!「日本一面白いサークル決定戦」の王者に、充実した学生生活を過ごすためのヒントを聞きました。
【オデッセイが伝授する人気者への道】
―お笑いをやられているということで、多分皆さん学科の中とかでも人気者なんじゃないかなと思うんですが、どうすれば他の人と仲良くなったりコミュニティの中で人気者になれるんでしょう?
ニシダ(以下、ニ) 「お笑いをやってるのはそもそも、クラスや教室の中でうまく自己表現ができない人たちなんですよ。舞台でしか『こんな面白いことを考えてるんだぞ』っていうのを発表できない人たちが集まるんです」
一同 「そういう人が多いよね」
ニ 「さーやさんとかは多分、学科でも友だちとか多かったですけど。俺はもう…」
さーや(以下、さ) 「そこそこね。でも(ニシダさんは)最前列で授業も受けてて…(一同笑)」
ニ 「年齢不詳の不思議な奴と一緒に(一同笑)。俺は本当友だち少なかったから」
さ 「でも『教室ライブやるよ』とか言うと割とみんな『え、行く!』って言ってくれて」
ニ 「来てくれて、そこから人と話せることは多かった」
さ 「ネタ見て『あぁ面白いじゃん西田!』みたいになってたもんね。そのおかげで学科内でも(存在が)浸透した感はありますね」
―でも、どうしたらいいんですかね?
さ 「多分全員がコミュ力高いわけじゃないと思うんですよね。上智の人って落ち着いて品のあるような人も結構多いし」
マザーハッカー金澤(以下、金) 「お笑いサークルも結構自己表現が苦手って言うか…同じ波長を感じてるんですよ。だから学科の中とかでも、自分と同じ波長の人を探せば仲良くなりやすいかもしれないですね」
さ 「最初はね」
田中(以下、田) 「(サークル内の)下の学年も今もうほとんど暗いというか…(一同笑)人気者ではないんです。で僕が3年生の時会長だったんですけど、面白くない奴はやめさせようと(笑)それでみんなの前で無茶なことするんですよ。急に水めっちゃ飲むとか…」
金 「地味…(笑)」
さ 「それで突っ込めるか、みたいなね!」
田 「そう、それで本当に怖がってる1年生なんかは『えっなんで急に水飲んだんですか』『私の水ですけど』みたいなね(一同笑)」
ニ 「あと飲み会に行った時に、最後締めで鍋が出てきたんですけど、(雑炊用の)生卵が鍋ごとに1個運ばれてきたんですよ。それを全部の卓回って生卵だけを飲んだりして。でもみんなは『最後の締めの鍋おいしく食べたかったのに…』って言ってました(笑)」
田 「そいつらは全員俺のこと嫌いになった(一同笑)そういうところで突っ込んでくれる奴は、ちゃんとみんな面白くなっていくんですよ」
【きっかけは意外な場所に?】
―前に(ラランドの)2人は別のサークルに入ろうとして、ダメだって思った同士のコンビだと聞いたことがありますが
さ 「(某音楽系サークル)にね(笑)」
ニ 「1年生の新歓の時、別に歌が得意ってわけでもなかったんですけど、輝かしいところに行きたいと思って(某サークル)に行って。でもみんなと喋ってても全然楽しくなくて。波長も合わないし…。パートも、声がいいからベースをやれって言われて、ずっと『ボン、ボン』って(一同爆笑)。
で3年のかっこいい男の人とかが『君のボンボンは違うよ、僕のよく聞いて!』とかって言ってくるんですよ。何が楽しいんだと(笑)」
さ 「適性があってないんだよね(笑)」
ニ 「でもたまたま(某サークル)でさーやさんに会って、学科一緒だよねって話になって」
さ 「私はそもそもお笑いサークルに入ろうって入学前から決めてて、そっちの新歓で先輩に『すごい太ってる子とか面白そうな子とかいたらどんどん呼んで』って言われてて、それで(某サークル)の新歓に行ったらめちゃくちゃ(ドンピシャのが)いて(笑)。同じ学科だし、太ってるし、面白そう!と」
ニ 「そこでお笑いサークルがあることを初めて知った」
さ 「今でも覚えてるのが、道歩いてるときに好きな芸人を言い合って。最初は相手を見定めるために有名どころを言って、最後に凄いコアなコンビ名を言ったら『俺凄い好き!』って。それでお笑い好きだなコイツってなって、一緒にお笑いサークルに行きました」
―1年の時からコンビを?
さ 「1年の時に『一緒にやらない?』って言われて、私最初凄い嫌で(一同笑)。そしたら私の友だちとかにに、『俺さーやさんとコンビやりたいんだけど何とか言ってよ』みたいなことを根回しし始めて」
田 「自分で行けよ!(笑)」
ニ 「そんな感じでなんとなく組んで、なんとなくうまくいって、そんな感じで4年間続いただけですね」
さ 「(某サークル)のおかげだよね(笑)」
ニ 「『ボン、ボン』のあの人のおかげ(笑)」
さ 「コンビ名もラランドで最初からずっとやってきたのに、急に『ラ・ラ・ランド』が上陸して、エゴサしてもそっちばっかりになって…。こっちが先だったのにね」
―オデッセイっていうのは?
金 「オデッセイっていう名前で出たのは今年が初めてなんですよ」
さ 「これまではずっと『チーム恐喝』って『今日勝つ』って意味を込めて先輩たちとやってたんですけど、ここでちょっと色を変えようと。ずっと負けてたし、一回リニューアルオープンみたいな感じで(イメージを)一掃しようと思ってオデッセイになりました」
―どうしてオデッセイという名前に?
さ 「最初は語呂がいいなっていうだけだったんですけど、調べたら『長い旅路』っていう意味が出てきて。確かにずっと敗者復活戦止まりだったから、もっと長い旅にしようってことで」
【早くもトラブル発生中?】
―優勝賞金の30万円の分配はどうしましょう?
ニ 「30万の分配でもう揉めるっていう(一同笑)」
金 「俺(line)グループ退会させられたもん(笑)」
さ 「さっきニシダにね、『週2しか来てない』とか言ってましたけど、こいつは来ても飯食って帰るんです。2時間くらい遅刻してきて、コンビニ弁当のカルボナーラをバカみたいに食って『あーバイトなんでー』っつって帰る、っていうのがずっとだったよね」
金 「いやいやいや、ずっとじゃないですよ」
田 「大会の前週とか、普通は全部予定を空けるんですよ。『俺は週3(バイト)絶対入りたい』って言うんです」
ニ 「コントの小道具とかも、3人で作って、台本も俺らで書いて、音響も作って…」
さ 「だから何もしないんです!(一同笑)」
金 「でも、その素材の…金は出しましたよ」
さ 「そう、8000円は払ったので、確実に賞金から8000円は行くんです」
金 「あと決勝準決勝のネタで、ダンボールで作ったギロチンを使ったんですよ。で準決勝の後に、『これは決勝でも使うかも』ってなってどうしようってなった時に、『じゃあ持って帰るか…』ってなって、ギロチンの首のところに首突っ込んだ状態でそのまま帰ったんです。そしたら地元の駅で『きゃっ、何あれ!ユーチューバー?』って言われて(笑)」
さ 「でもそれは持ち運び…だけだよね(笑)そんな感じだったのに後で、『俺やっぱちゃんと7(万)は欲しいっすわ』って均等に割った額を要求してきて、『マジかこいつ…』って(笑)。一応なんとなくは(配分が)決まったんですけどね」
金 「え、決まってんの?」
田 「もう分配、終わりました!」
金 「まだ俺ゼロよ(一同笑)」
ニ 「これ以上揉めたら殴り合おう。血塗れの手で30万バッて握って帰るから(笑)」
【SCSに来てね】
さ 「そういえば、私は方南会館ってところで最後に単独ライブをやるので、賞金はそれの資金にします!チケットも100枚以上売れて、会館もかなり盛り上がると思うので。3月27日にやります」
金 「そこ、僕らの予選が始まった会場なんですよ」
ニ 「あと3月23日にサークルの卒業ライブがあって、ここで僕らは卒業ですね。無料で、新宿駅から徒歩5分くらいのバティオスって劇場でやります。ぜひよろしければ!」
―あと新歓用に何かあれば
さ 「本当に入ってほしいなぁ。今まで本当に目立たなくて…盛り上がってるんですけどね」
田 「地味なんですよね(笑)全員地味」
金 「華がある人がいないっていうのも…」
さ 「売り込みがねぇ、下手だった…(一同笑)でも今はもう『日本一のお笑いサークル』っていう称号も手に入れたし、自慢になると思うので入ってください(笑)」
ニ 「あとやっぱり楽しいよね。自分で何か考えて、大勢の人の前で発表してすぐリアクションが返ってくるっていうのは。あんまりないから楽しいと思う」
―『高校までやってた』っていう人も少ない?
金 「俺は一応高校では漫才愛好会っていうのに入ってたけど、ただ俺が部長の時によくわかんないけど潰れたから…(一同笑)」
田 「意外とこういう経験のある人よりかは、大学からの人の方が全然多い」
ニ 「先に始めたからといってアドバンテージになるわけでもないしね。スポーツとかと違って」
金 「『やるのはちょっと…』みたいな人でも、スタッフさんっていうのもいるし」
さ「合宿とかで、スタッフさんと演者がくじ引きで組んでネタやったりね。そこで自分の才能に気付いて…みたいなこともあるからね。まずはどんな人でも」
ニ 「誰でもできる。道具もいらないし、お金もいらない」
金 「それもアピールポイントじゃない?このサークルの部費は1年で2000円なんですよ」
―これはさっきも出ましたけど、明るい人が多いってわけでもないんですか?
さ 「7:3で暗いですね。それで3の方が悪目立ちする(笑)だからそんなハードルは高くないですよ」
田 「みんなおとなしいし、はしゃいでるわけでもないですね。でも生卵は飲むよ、ってことです(一同笑)」
【オデッセイが最後に伝えたいこと】
さ 「上智大学っていろいろな国から人が来るし、個性もいろいろだと思うんですけど、そのおかげで面白いものが生み出されるっていうのを、今後のSCSっていうサークルでも感じられたので。多分他のどんなサークルでもそういう化学反応が起こると思うので、それに期待してほしいです。あとその反応によって優勝できるので、ぜひSCSに…(笑)優勝に導いてくれる先輩もまだいます!」
田 「当たり前ですよ」
―もしかしたらニシダさんの新しい相方も?
ニ 「そう!来年の1年生の中に…」
金 「何個下なんですか(笑)」
田 「でも、むしろ目立ってない人たちに来てほしいですね。そういう人が舞台に立ってる時が輝いてる時ですから」
金 「作家さんだ(笑)」
田 「だって僕なんか1年生の時ね、覚えてます?」
さ 「うん、汚かった…」
田 「汚いは今も!ずっと下向いてね」
さ 「めちゃくちゃ尖ってたもん」
ニ 「貧相だったしね」
さ 「ちっちゃかったし…」
金 「眼鏡もかけてたし…」
田 「貧相もちっちゃいのも眼鏡も今もでしょ(笑)でもそういう何の特徴もない奴が入って、こうやってお喋りできるまで成長しますから…」
ニ 「でね、全然モテなかったのに彼女もできるでしょ(一同笑)」
田 「見た目は無理だけど中身は変われる。これ今凄いいいこと言ったでしょ」
さ 「まあ、変われる場所です!」
長い間目標としてきた大会での優勝を果たし、1つのゴールを迎えたオデッセイの4人。
賞金の分配という火種こそまだ抱えているようですが、今後のそれぞれの活躍にも期待しましょう。
ありがとうございました。そして改めて、優勝おめでとうございました!
ライブ情報
「SCS11期 卒業ライブ」
3月23日(金) 会場:新宿バティオス (入場無料!)
○1部(1年生+2年生によるライブ!)
open 15:30 / start 16:00
○2部(11期の最後のSCSライブ)
open 18:00 / start 18:30
「さーや卒業ライブ『HIT GIRL』」
3月27日(火) 会場:方南会館 (charge 500円)
open 18:30 / start 19:00
ライター 新聞太郎
写 真 峠
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