心の記憶を信じること – 学生時代の旅の経験から –
2022.10.21
皆さんこんにちは!あみこです!
今回の記事では、この秋学期に私が参加した、上智大学と韓国・西江(ソガン)大学共同開講の講義型プログラム、
NEW SOFEX についてご紹介します!
まあ、ざっくり言うと思い出話みたいなものです。どうぞごゆるりと、お楽しみくださいませ!
まず、SOFEX とは何の略かというところから。
ずばり
Sophia-Sogang Festival of EXchange
の略です。
Sophiaはもちろん我らが上智大学のこと、Sogang というのは韓国にある西江大学のことです。西江大学は上智と同じイエズス会系の大学で、調べてみると交換留学の協定校にも入っています。
この西江大学と上智大学が連携し、その年ごとに異なるテーマを一緒に学びます。(そして2単位取れます。)
韓国へ渡航して勉強したり、逆に日本で受け入れたりという活動もありますが、他の海外研修や実践型プログラムと違って秋学期ほぼ丸々(渡航の分少し短め)毎週決まったコマに講義があり、選考もありつつ履修登録も必要なので、ざっくり言うと授業です。
ちなみに、講義の正式名称は実は「東アジアの諸問題とイエズス会教育」という、かっこいいようなそのまんまのような、そんな名前なのです。でも普通にちょっと長いので、SOFEX と言ってしまう人が大半(多分全員)です。というわけでこの記事でもそう呼んでいきます。
何がNEWなんだと申しますと、実はこのSOFEX、元はスポーツの面で交流しよう!みたいな感じのものでした。
それをアカデミックにしたものがこのNEW SOFEXです。
そして、このプログラムは主に3つに分けられます。
その3つが
です。
要するに、これらの活動を通して移民・難民問題についての理解を深め、西江の学生とも仲良くなっちゃおう!みたいなプログラムなのです。
これから、この3つについて詳しく書いていきますね。
まずはこれから始まります。
講義は全12回、渡航と受け入れがある分、少し短くなっています。嬉しいような、悲しいような……???
担当の先生は、総合グローバル学部のサリ先生、神学部の具先生です。テーマは主に移民・難民問題についてですが、時には西江大学のことについて学んだり、イエズス会について学んだりしました。
さらにさらに、この授業では、
韓国とのビデオ通話
があるのですー!
こんな感じ。パワポも映せます。
6号館の最新(?)設備を使い、向こうの大学と繋ぎます。韓国、日本それぞれに渡航した際の振り返りなどをしました。
ここから数行はめちゃくちゃ個人的な話なのでザッと読み飛ばしていただきたいのですが、実は私、初めてビデオで向こうの学生と会話できたとき、泣きそうだったんです。嬉しくて。
ニュースでも日韓関係がかなり悪化しているといわれている中、時差もなく、おーいだのわーいだの笑顔で手を振り合えて、根拠なんか全くないけど、それでも
まだ大丈夫なんじゃないか、まだ仲良くしていけるんじゃないか
と思って、謎に感動してしまいまして……
なんだか自分で書いていて恥ずかしくなってきましたが、本当にそんな感じのことを思っていました。(客観的に見たら授業中に泣きそうになってる情緒が心配な人……!)
講義が始まって約1ヶ月、ようやく韓国に行ける日がやってきました!この3日間を楽しみにこの講義に参加していた人も少なくありません。何より、やっと会えるのです!!ビデオでしか話したことのなかった、西江の学生たちと!
3限以降をお休みさせていただき、いざ、韓国へ!
金浦空港に着くのが夜なので、この日はほぼ移動&ご飯です。
こんな感じで、早速お出迎えしてくれました!嬉しかったです。
この日は主に
この4つ。
歓迎式と自由行動はざっと写真を。
見ていただければわかると思うのですが、
超エンジョイしました。
自由行動では、西江の学生が私たちをいろいろなところに連れて行ってくれました!実は初韓国だった私にとっては、有り難いの一言でした。
まずは移住者センターです。
この施設は、移民の方のために、就労相談などさまざまな支援を行っている施設です。私たちが見学した日には、移住者の方のお子さんたちがいらして、楽しそうに遊んでいました。(これもこのセンターのお仕事の一つなのだそう。)
韓国語さえ……韓国語さえできれば一緒に遊べたのに!!!
まあ仕方ありません。ここでは、主にセンターのスタッフさんのお話を聞かせていただきました。韓国での移民受け入れの現状や、このセンターが行っている支援などを、わざわざパワーポイントまで使って話してくださいました!
移民の方々の支援を行っている施設なだけあり、リアルな話も聞くことができました。
韓国での移民受け入れに対する感情についても聞くことができましたが、そこで思ったのは、かなり日本と似ているということ。アメリカなどと違い、移民受け入れには抵抗がある人が多いらしく、ただただ尊重するか、あるいは避けてしまうか、の2択になってしまっている人が多いのだそう。
ただ、それではやはり問題だ、移民受け入れをしなければ、という動きも出ているそうです。そのきっかけがやはり人口減少、これも日本と似ていますね。
移住者支援の段階でも、ニーズの多い事については比較的早めに対応できても、少数の方からのみ出たものには対応が遅れてしまうそうです。当然といえば当然ですが、だからこそこの施設では、そういった個人的なニーズに対応していくことを目標としているのだそうです。
次に、移民の方が働いている工場を見学させていただきました。
工場長のお話だけでなく、実際に移民として韓国に渡り、この工場で働いている方々の声も直接聞くことができました。
出身地やご家族の構成も教えていただきましたが、予想以上にみなさんバラバラで驚きました。
ちなみに、この工場見学の時、ちらっと西江側で参加していた香港からの留学生と話せました。中国がどうとか、香港がどうとかはさておき、やはり学生の政治への関心は高いんだなあ……!と驚きました。見学と同じくらい、いい経験だったような気がします。
この2つの施設を見学してものすごく思ったのは、移民や難民に対する支援は、その「入口」は「同じ人間だから」でいいけれど、いざ支援が始まったらそれだけではだめで、1人ひとりのニーズにしっかり応える努力を忘れてはいけないのだな、ということでした。
……あれ?なんか真面目な感じに??
まあ、いいか。
これが3日目の行程です。
この日はもうとにかく語学の大切さを学びました。
平たく言うと
何にもわかんない。
フィリピンマーケットの方はともかくとして、ミサはフィリピノ語、演劇は韓国語……
とくに、ミサは悔しかったです。
幼稚園と中高がカトリックだった私は、ミサならなんとかなるだろう!とか思っていたのです。しかし当然
なんとかなるわけがない。
幻想でした。でもよく考えてみると、特にその国に来てすぐの人って、みんなそんな感じなんですよね。私だって、日本語が母国語じゃなかったら、文字3種類(ひらがなとカタカナと漢字)なんて目眩がします。
だからこそ、移住先ではこのフィリピノ語のミサのような、自分の国の言葉が使える環境が大切なのでしょう。
あ、この写真はフィリピンマーケット見学の時食べた、フィリピン全く関係ない冷麺です。美味しかったので。
ちなみに韓国語の劇の方は、移民がテーマでした。当然西江の学生達は理解できるので、韓国語チンプンカンプン勢(私とか)は
「あのラストシーンはどういう意味だったのだ」
「あの人はなぜ泣いていたんだ」
「なぜ突然人が死に出したのか」
などをいちいち彼らに聞きまくり、やっとのことでぼんやりと理解しました。
でも、なんとなくですが感動しました。
帰国の際の空港では別れを惜しみまくり、2週間後にまた会えるから!とみんな自分に言い聞かせるように繰り返していました。
英語が微妙な私はひたすら
‘See you soon’
と叫んでおりました。
さてさて、韓国での涙の(?)別れから2週間後、金浦空港で言いまくった
‘see you soon︎‼︎’
を実現する時がやってまいりました。
1日目は韓国渡航と同じ理由で(時間がない)この2つのみ。
出迎え&歓迎会は、私行けなかったのです。講義(出席厳しめ)があったので。
ご飯会は出られました。これはご飯会で食べた串カツの串。
さて2日目です!
この日は、
この3つがメインでした。
小山先生の授業は、韓国語のできる日本人学生が日本語→韓国語の翻訳に挑戦!いやあ、すごかったです。語学ができるといいなあ……とつくづく思いました。
講義の内容もとてもためになるものでした。
人が難民となる理由だったり、難民になってからの宗教の問題(その人たちや、その子どもたちが自分たちの信仰を持ち続けていけるかどうか)だったり、難民の方の実体験なんかも知ることができました。
詳しくはここには書きませんが、アルバイトを何歳から始められるかだとか、学費はどうするだとか……私がのうのうと、進路すらろくに考えずに生きていた年齢の時にそんなことをいろいろ考えて、悩まなくてはならないのが日本に来る難民の方の現状なのかな、とも思いました。
次に行ったイエズス会中国センターも、かなり印象的でした。
ここでは、中国にルーツを持つ方たちのお話を聞くことができました。
小学生、中学生、高校生もいて、中には4歳の子も!教育学科の私にとっては彼らの話が聞けて、とても貴重な体験でした。
特に、日本語がまだわからなかった時、周りに馴染めるよう先生が助けてくれた、という経験を話してくれた子は印象に残っています。
教育学科だと言うと、みんなから「先生になりたいの?」と聞かれる誤解は解きたいあみこではありますが、彼女の話を聞いて改めて先生という存在は偉大だよなとつくづく思います。「誤解ときたい」とかいっときながらがっつり教職課程をとっている私にとっては、ものすごくモチベーションが上がる話でした。
他にも、中国と日本、どっちの文化も持っていて、本当に良かったと思う!と言っている子もいて、自分のルーツに自信とか誇りを持てているのが、すごく素敵だと感じました。実際、バイリンガルって羨ましいですし……
それにしても、いい子達だったなあ……(しみじみ)
ちなみに、このときも学生通訳大活躍!中国センターの方のお話は日本語なので、今度は日本語ペラペラの西江大生が日本語→韓国語を頑張ってくれました。韓国語が全くわからない私にも、「すごい」と言うことは伝わってきました。
この日はかなり上智色(?)強め。ほぼずっと上智近辺にいました。
この4つがメイン。
リフレクションではSOFEX全体での振り返りを。結構感動的で、何人かうるうるしていました。別れも近いことですし。
ミサは英語でした!正直きついといえばきついのですが、それにしても
フィリピノ語に比べたら……!!!
なんとなくこんなこと言ってる、ってことがわかるだけでもありがたいと思えました。
再びSSICに戻り、外国人移住者の方々との話し合いを。
話し合いといっても、実質ほぼご飯会でした。各班に1人聖イグナチオ教会国際青年会のメンバーの方が来てくださいました。日本に来たきっかけや目的、どうやって言語を習得したか、日本についての印象等、いろいろな質問にとても気さくに答えていただきました!
最後の最後はやっぱり自由行動に。
西江の子たちの希望に合わせて四方八方に飛び散りました。
ここで1つ思ったことがあります。
上智のアクセス、すごい。
どっこにでも行ける。しかも比較的短時間で。
新宿も渋谷も近いのなんの。
ありがたかったです。
みんなで食べたスフレパンケーキ×4。韓国にはあまりないのだそうです。
自由行動が終わり次第、空港に向かいました。
何度も何度も写真を撮り、何度も何度も「またね!」と言い、何度も何度も手を振りました。
もう会えない人もいるかもしれない、と思うと、涙腺がやばかったです。
実際に泣いている子もいて、なかなかに真面目なプログラムながら、こんなにも仲良くなれたのもすごいことだな、と思います。
移民・難民問題も、はたまた日韓関係も、あちこちで話題になる今日この頃。そういったことを乗り越えるためにも大切なんだな、と思ったのはとにかく
学ぶこと。
当たり前ですが、これは今回お話を聞かせてくださった方ほとんど全員が仰っていました。
ここではほんの一部しか紹介できませんでしたが、座学でも、韓国でも、日本でも、それぞれの場所でいろいろな方から教えていただいた現状は、なかなか厳しいものでした。こうしてほしい、こうなればいいのに、と思っても、すぐに法律だったりお金だったり、あるいは言葉・宗教その他諸々の違いだったりといった、私のような一学生にはどうしようもないようなありとあらゆるものが、ありとあらゆる方向から壁になって襲ってくるようで……
それを考えると、やはり私たち学生にできることは少ないし、小さいし、今すぐドーンと助けることなんてできないな、というのが正直な感想です。でもだからといってあきらめないで、小さなことでもできることからやって、とにかく学び続けていくことが重要なのだと、皆さんが励ましてくださいました。
最後になりましたが、プログラムの中で色々お話を聞かせてくださった皆様、上智大学、西江大学双方の先生方・スタッフの方々、優しくしてくれて、仲良くしてくれて、しかも二つ返事で取材許可をくれたSOFEX2019参加者の皆、そしてこのカットする前の冷麺よりも長い記事にお付き合いくださったあなた!
ありがとうございました!
それでは!
2022.10.21
2024.09.09