2023.11.30
2023.11.30
こんにちは。かなり日中も暖かくなり、春といった感じになってきましたね。今回のSophia Topicsでは、今年学長賞を受賞されたある方にインタビューをしてきました。
その方というのが、第21回ジャパンクラシックベンチプレス選手権大会74㎏級ジュニア部門優勝、日本新記録樹立という素晴らしい活躍をされた坂下竜一さん(法学部法律学科3年)です。
「ベンチプレスってなんだ?」という方のために、軽く説明すると台の上に横になったところから、重りをつけたバーベルを押し上げるというスポーツです。ウエイトトレーニングの種目としてもポピュラーなので、トレーニングの一環としてやったことがあるという方も多いかもしれません。
このベンチプレスを含めた3種目の記録を争う「パワーリフティング」という競技の中で、ベンチプレス部門ジュニア日本一に輝いたのが坂下さんということになります。
(参考:日本パワーリフティング協会公式サイト https://www.jpa-powerlifting.or.jp/)
今回はそんな坂下さんに、優勝までの道のりや日本新記録を出した現在の心境を伺ってきました!
坂下さん(以下略):目標として、優勝と日本記録を更新したいというのがありました。僕は高2の時からこの競技をやっていたんですけども、その時に日本記録取れそうで取れなかったんですよね。それがとても悔しくて、チャンスのある時には優勝して日本新記録を出したいという気持ちはありましたね。
ずっと目標にしてきたことだったので、すごい達成感がありましたね。ただ、直後は達成感があったんですけれども、今時間が経って振り返ってみると冷静になると言うか「まあこんなもんかな」という思いも出てきました。今回は日本新記録を達成したんですけれども、その上には世界記録もあるので今度はそこを狙っていきたいなと気持ちは切り替わっていますね 。
高校や大学の友人からは、「すごい奴だな!」という風に言ってもらえました。あとは、学長賞を頂けたのが、一番の反応だったのかなと思います。やっぱりそれを聞いたときは嬉しかったです。
僕の場合は、日本一と言ってもジュニアという区分(19歳~23歳)の中での日本一なので。その上には一般というカテゴリーがあって今度は年齢関係なく日本一になりたいと言う思いが芽生えました。まだ上もあるので、今はまだ満足はしてないですね。次の目標が見えてきて、またやる気が出てきたという感じですね。
今回僕が達成したベスト記録が181kgなのですが、世界記録は200kgなので結構遠いなとは感じています。ただ、不可能ではないかなという思いもあります。
競技を始めたのは高2の時でした。当時、特に部活にも入らず生徒会の活動をしていたんですけど、時間もあって運動不足を解消したいなと思い、市営のジムに行ったのがきっかけです。そこでベンチプレスをやってみたら、40kgも上がらなかったんですね。それが悔しくて、ちょっと何とかしたいなと思ったのがきっかけです。
競技としてのベンチプレスにのめりこんだきっかけは、そのジムにたまたま通っていた高校のOBがいたことでした。そのOBと仲良くなって、ベンチプレスを教えてもらったりしたんですけど、そのOBに誘われて試合に出るようになりました。
球技とかは苦手ではなかったんですけど、持久系がとにかく苦手でした。根性がなかったんですよね。
運動神経って、自分の思った通りに体を動かせるかどうかのことだと思うんですね。ベンチプレスの記録を上げるにおいても、自分の思った通りに体を動かせるかというのは大事ですね。それができるかどうかによって、練習の効率が変わってきます。
ただ、それよりも大事なのは、地道な練習をコツコツと続けられるかという部分だと思います。
そういうことだと思います。ベンチプレスを教えてくれていたOBの方にも「お前は気持ち悪いくらい真面目だな」と言われたことがあります。「ベンチプレスが強くなりたい」という思いはあったので、その目標に対して練習を継続していくという意味での根性はあったと思います。「強くなりたい」という思いがあったからこそ、とは思います。嫌いなことだったら続けられていないと思うので。
ジムに行く気起きないな~という日もあります。ただ、ジムに行っちゃえば何とかなるんですよね。それを自分でもわかってるんで、気乗りしない日でもテンション上げて無理やり行くようにしてます。もう行っちゃったらこっちのもんです。
それすごくよくされる質問なんですよね……。ただ、好きだなという感覚は確実にあるんですけど、なぜかといわれるとよくわからないんですよね……。世界一になれたらそれが分かったりするのかなとも思ったりします。
ベンチプレスを挙げている最中もそうですし、記録が出たときにもそういった感情が芽生えますね。記録が目に見えると、モチベーションにつながりますね。
競技生活が自分の中でルーティン化されていたので、そこまで大変という感覚は無かったですね。
週3~4回で、1回の練習は3~4時間くらいです。そのうち2時間~2時間半くらいはベンチプレスをやっていて、残りで補助の種目をやっているイメージです。
トレーニングではなくて、あくまで練習という位置づけなので。毎回自分の限界に挑戦するようなことをやっていたら、ここまでできないと思います。そういう意味では、負荷を考えながら練習しています。
明確に異なりますね。自分の中では、練習はベンチプレスのクオリティを上げていく作業で、トレーニングは筋肉を大きくするための作業です。
例えば野球だったら、素振りをして自分のフォームを確認すると思います。そのような感じで、軽い重量で自分の上げやすいポイントを探したり、フォームを修正したりします。
以前は、トレーニングと練習を分けて考えずに、闇雲に重量を上げていたんですけど、それでは記録が伸びないということに気づきました。そこを分けて考えられるようになって、記録が伸びたと自分では考えています。
今だとSNSなどでトップ選手が練習法を発信していたりして、そういうのを参考にしたりしました。また、2年ほど前から競技専門のジムに入って、周りの人たちと話しているうちにそういった意識がついてきました。以前も分けて考える必要性は感じていたんですけど、実際にはひたすら重い重量を上げて、その限界まで追い込んでる感に満足してしまっていました。また、がむしゃらにやっていたころは、オーバートレーニングで怪我をしてしまったこともあったので、そういったことも考えを変える要因ではありました。
大学1年の時に、それまでの受験も含めて競技を離れた時期がありました。そのあと、1年生の10月頃に復帰したんですけど、その時が140kgでした。そこから2年強で40kg伸ばしたことになるので、これに関しては自分でも結構な伸び幅だなと思います。
自分は働きながらも競技を続けていきたいと思っています。そう考えると、今のように1回の練習に長時間割くことは難しくなると思うので、短い時間の中でどうやって練習していくかは今のうちから考えています。世界記録の更新と、一般カテゴリーでトップになるという新たな目標をクリアしたいですね!
日本新記録を達成しても、新たな目標に気持ちが切り替わるのがさすがだと感じました。そして、「練習の前に気乗りしない日はあるけど、ジムに行ってしまえば何とかなるし、それを自分でもわかっている」という言葉が印象的でした。物事を継続していく、ということに長けているからこそ、今回の快挙があったのだなと思わされます。
今回のSophia Topicsは以上です。次回もお楽しみに!
2023.11.30
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2024.06.05
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