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上智学生記者クラブ通信

#152 もっと多くの人に知ってもらうために 環境問題を発信! 卒業生にインタビュー

2021.08.30

こんにちは! れいれいです。

今週末、6月5日は国連の記念日「世界環境デー」です。今年のテーマは「生態系の回復」。ということで今回は、海の生態系と私たちを結ぶ「食」の分野で環境問題の解決に向けて取り組んでいる卒業生にインタビューしました!

小島彩さんは、総合グローバル学部総合グローバル学科を卒業後、地球環境学研究科を修了し、2020年4月からマルハニチロ株式会社(以下マルハニチロ)で勤務されています。

食品企業のマルハニチロにとって、水産資源は基盤の1つ。経営企画部サステナビリティ推進グループに所属する小島さんは、どのようなお仕事をされているのでしょうか。

インタビューは2021年5月8日に行いました。

Q. お仕事の内容を教えてください。

A.サステナビリティ推進グループは、マルハニチロが掲げる「3つの価値」(経済価値・社会価値・環境価値)創造の達成に向けて、環境と社会の両面からサステナビリティを推進する部署です。学生の間ではSDGsなどへの関心が高いですが、様々な年代を含めた社会全体を見てみると、環境問題への意識はまだ十分とは言えません。社内での意識向上を目指して情報誌『サステナブル通信』を発行したり、廃棄物処理についての説明会や環境問題に関する新入社員研修を実施したりしています。
社外に向けての発信もしています。マルハニチロはMSC認証やASC認証の取得に力を入れていて、こうした認証を得た商品を使って料理教室などを開催し、参加する小学生に海の環境問題について伝えています。また、品質には問題がないのに店頭に並べられない商品を子ども食堂などに寄付することで、食品ロス削減を目指しています。

Q. 現在のお仕事に出会うまでの経緯を教えてください。

A. 学部生の頃は国連やNPOでの仕事に関心があり、総合グローバル学科で国際問題を学んでいました。環境問題に関心をもったきっかけは卒業論文でした。タンザニアの食糧問題について研究する中で、温暖化や干魃が食糧状況に大きな影響を与えていることを知りました。
そこで、環境問題についてもっと学ぶため、地球環境学研究科へ進学しました。最終的に企業を就職先に選んだのは、大学院での勉強を通じて、環境問題における企業の活動の重要性に気づいたからです。社会で実際にアクションを起こす主体として、企業の役割は大きいと思います。さらに、いろいろな環境問題の中でも、魚の取り過ぎや海洋プラスチックによる海洋資源の枯渇は大きな課題です。マルハニチロを志望したのには、海洋問題に取り組みたいという思いが大きかったですね。

Q. 企業で環境問題に取り組む上での難しさはありますか?

A. 大学院で学んでいる時は、「環境問題に取り組むのが正義」ということが前提でした。ですが会社では、環境問題への取り組みと利益を両立していかなくてはなりません。営業利益だけの追求から一歩前進するためには、環境問題が深刻だということ、そして環境問題に取り組むことで企業の信頼度が上がるということを社内の人に認知してもらうことが大切だと思っています。

Q. 大学生活を振り返って印象深いことはありますか?

A. いろいろな国籍の人と交流できたことです。特に大学院では周りに中国の学生が多かったので、中国の環境問題について聞いたり、ディスカッションしたりする機会が多くありました。「地球環境学研究科」といっても環境だけでなく様々な分野のバックグラウンドをもつ学生がいたので、広い視点から環境について学ぶことができました。
そして、大学で「なぜ」を追求した経験は、仕事の中でも役立っていると思います。論文では、結論だけでなく過程も詳細に書いていきますよね。社会人になった今も、「なぜこれをするのか」という目的を明確にしながら仕事をすることが大切だと実感しています。

Q. 持続可能な社会の実現に向けて、今後どのようなことが大切だと思いますか?

A. まずは知ることが大切だと思います。年齢が上の人ほど、若い人と比べて環境問題への理解が薄い傾向があると感じています。幅広い世代が持続可能性の大切さを知ることが大切です。持続可能性への取り組みが、環境だけでなく企業にとってもプラスになることを伝えていきたいです。そして、消費者にも環境問題への理解が広がり、持続可能な商品を買おうという意識が高まれば、企業と消費者のアクションが合わさって、社会全体が変わっていくと思います。

Q. 小島さんの今後の目標を教えてください。

A. 環境問題への理解を、社内にもっと浸透させていきたいです。そのために、環境問題を難しい・堅苦しいと思っている人も興味をもてるきっかけ作りをしていきたいと思っています。部署を超えて関心が高まるよう『サステナブル通信』に他部署の人へのインタビューを盛り込んだり、イラストを取り入れて「面白い」と思える教材を作ったりしています。
同時に、会社の環境問題への取り組みを社外に発信していくことも大切です。企業訪問に来る中高生に、環境問題やマルハニチロの取り組みについて話す機会も活用しています。

Q. 最後に、学生へのメッセージをお願いします。

A. やりたいこと・興味のあることを追求してほしいです。海外に行くのは難しい状況ですが、本を読む、教授に話を聞く、など関心を追求する方法はいろいろあると思います。環境から政治まで、目の前にある課題に目をつぶらないことも大切です。他人事だと思わず、学びの機会を生かして、疑問に思ったことを追求していくことが、きっと将来の糧になると思います。

いかがでしたか? 環境問題について、会社内外に向けて発信していこう、という小島さんのエネルギーが伝わってきますね。自分がもった問題意識を追求し、周囲に発信してより大きなアクションに繋げていくこと。そんなチャレンジに一歩踏み出せるよう、応援のメッセージを頂いた気がします。

今週もありがとうございました! それではまた!

れいれい
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れいれい
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国際教養学部 国際教養学科
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