こんにちは! れいれいです。皆さんは、北海道にある八雲町をご存知ですか? 八雲町と上智大学は、2015年から交流を続けています。
今日は、ウクライナからの留学生も参加した八雲町のPRイベントの様子、そして岩村克詔町長や上智の卒業生で交流事業の発案者である大河原毅さんへのインタビューをお届けします。
八雲町ってどんなとこ?
北海道南西部に位置する八雲町は、日本海と太平洋ふたつの海に面する唯一の町です。人口は約1万5000人で、上智大学の学部生と院生を合わせた人数の約1.2倍です。面積はおよそ956km2で、東京23区の約1.5倍に相当します。
水産業・酪農・農業が盛んな八雲町。ホタテやチーズなどが特産品として知られています。北海道土産の定番である木彫り熊の発祥地でもあります。
町と上智大学の交流事業が始まったのは7年前。2018年には、上智学院と八雲町の連携協定が結ばれました。2019年度までは、学生が八雲町を訪れ、インターンシップや現地の高校生との交流などを行なってきました。コロナ禍で現地での交流活動が中止となった2020年度には、学生が八雲町の特産食材を使ったレシピを考案するコンテストが開催されました。
八雲町フェアで笑顔いっぱい
今年9月、グリルハーベスター大崎(品川区内のレストラン)で行われた八雲町のPRイベント「八雲町フェア」に、ウクライナからの留学生6名が参加しました。
土曜日の昼時ということもあって家族連れを中心に多くの人が訪れ、学生は八雲町産の食材などを来場者に配布しました。用意した50セットの野菜や牛乳が1時間もしないうちに配布終了となる盛況ぶりでした。
さらに、岩村町長や大河原さんと交流したほか、八雲町の食材を使ったランチを楽しみました。「このイベントで、日本の文化を少し感じることができました」(ソフィア・ディカさん)、「八雲町の町長をはじめ、たくさんの人に歓迎されてとても嬉しく思いました」(コルネリヤ・コルパクチさん)など、参加者はイベントを満喫した様子でした。
11月には、上智で学ぶウクライナの学生が八雲町を訪れるスタディーツアーが予定されています。「東京とは違った文化や雰囲気を味わえると思うので、ぜひ八雲町に行ってみたいです」(ポリナ・チェルボナさん)など、参加した学生からはツアーが待ち遠しいという声が上がりました。
町長に聞く、八雲町の魅力と取り組み
八雲町の魅力について、「一番は自然が豊かなこと」と話す岩村町長。町ではSDGsに向けた取り組みにとして、再生可能エネルギーの導入やブルーカーボン(海藻など海の生態系が吸収する炭素)の活用を推進しているそうです。
4月、八雲町はウクライナからの避難民に町所有の住宅や生活必需品を無償提供するほか、職業相談や通訳などのためのボランティアを配置することを表明しました。岩村町長は、「受け入れ態勢が重要ですので、ウクライナの方々が住む場所や環境を整備していきたいと思っています」と話します。
これまでの交流事業を振り返り、「学生さんからいろいろなアドバイスをもらい、刺激になりましたし、たいへん有意義な交流だと思っています」と岩村町長。2030年に予定されている北海道新幹線の延伸(※)を見据えて観光にもいっそう力を入れる方針で、「上智の皆さんといろいろなことをできればと思っています」と今後の交流に期待を示しました。
※現在新函館北斗〜新青森間を走る北海道新幹線が札幌まで延伸され、八雲町などに新幹線の駅が新設される計画。
「人のために」ソフィアンからのメッセージ
八雲町と上智大学の交流事業の発案者・支援者である大河原さんは、上智大学の卒業生(1967年、経済学科卒)。日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社の設立メンバーとして活躍し、同社の社長などを務めました。現在は食品・外食事業を手がける株式会社デルソーレの代表取締役CEOを務めています。
1988年に八雲町で実験農場を開設して以来、八雲町観光大使に就任するなど町とつながりを深めてきた大河原さん。町と上智の交流事業を通して、学生が八雲町の自然の中で勉強や研究に取り組める場を作りたいというビジョンをもっているそうです。
「チャンスは、恵まれていないところから始まる」と話す大河原さん。貧乏で「バイトばかりやっていた」学生時代が、努力する原動力になったと振り返ります。さらに、今ほど上智大学が有名でなかった当時、就職は決して楽ではなかったそう。しかし、それがベンチャーの外食産業に飛び込み、ケンタッキーの日本での立役者となるチャンスになりました。
大河原さんは「for the sake of people」(人のために)という考え方を大切にしています。2005年に現・株式会社デルソーレの社会貢献プロジェクトとして、ほのぼの運動(現・一般社団法人ほのぼの運動協議会)を設立し、ボランティア団体やNPO団体への寄付・支援などを行なってきました。「ほのぼのと助ける」こと、つまり継続的に支援することに力を入れています。ウクライナ支援についても、「長続きしなければいけない」という考えから、教育・就業環境の整備を含め、実生活に結びつく支援を目指しているということです。
おわりに
いかがでしたか? 遠く離れた八雲町と上智大学に、こんなに強い結びつきがあったことに驚かされました。現地での交流が再開され、たくさんの上智生が八雲町を訪問できるようになるのが待ち遠しいです。今後の交流の発展が楽しみですね! それではまた!
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