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上智学生記者クラブ通信

#219 研究者の掌に描かれた信念
卒業生のご活躍にも迫りました!

2022.11.25

こんにちは! 新米記者のさきかです。
すっかり秋色に染まり、冬に向けて街がキラキラしてきましたね。この秋、皆さんはどのように過ごされましたか。私は、芸術に触れた秋でした。今回の記事では、私が訪れた写真展「Fascination of Science ―私の原動力―」とドイツ学術交流会で活躍する卒業生をご紹介します!

写真展が行われた場所は、赤坂にあるドイツ文化会館です。
青山一丁目駅から徒歩10分、広々とした道(青山通り)を歩き、カナダ大使館を過ぎて、公園と草月会館の横道を入ると到着します!

研究者の笑顔:写真展「Fascination of Science ―私の原動力―」

写真展の紹介の前に本展の作品を撮影したヘアリンデ・ケルブルさんについてご紹介したいと思います。

ヘアリンデ・ケルブル

ドイツを代表するフォトアーティスト。これまで10を超える写真集を発表し、アンゲラ・メルケル元首相などにも密着した。ドイツ連邦共和国功労勲章功労十字小綬章をはじめ、多くの賞を受賞(写真展説明より一部抜粋)。

そして、「Fascination of Science ―私の原動力―」と題された今回の写真展は、38人の世界各国のノーベル賞受賞者と研究者の研究の本質に迫るものでした。

吹き抜けのスペースに、笑顔溢れる研究者の写真が飾られていました。
それぞれの写真には下に二次元コードがあり、スキャンすると研究者の方々の紹介へとアクセスできます。どのような実績をお持ちなのか、お一人お一人の表情を見ながら知ることができました!!

ここで、何か気になったことはありませんか??
全員の掌に何かが描かれていますよね。
言葉や絵、数式と一人として同じ人はいません。

これは、ケルブルさんから皆さんに「研究の本質部分」を描いてもらった結果だそうです。好奇心が自らを動かす方もいれば、世界を変えられるかもしれないワクワク感に楽しさを感じる方もいます。また、過去にとらわれずに自らの問いを追求し、時に挫折を味わうことも研究であると断言した方もいました。

38人の中には、3人も日本人の方がいました! 左から森重文さん(数学者)、山中伸弥さん(医学者)、坂井南美さん(天文学者)です。

このお三方に限り、ケルブルさんが行ったインタビューがあり、拝読しました。一番印象的だったのは、数学者である森重文さんのお話でした。数学者に至るまでの人生の苦労に奥様への感謝の言葉を示されていたのがとても印象的でした。

ドイツとの架け橋:堀田清文さんインタビュー

ここからは、写真展が開催されたドイツ文化会館に事務所を構える、ドイツ学術交流会(DAAD)でプログラムマネージャーとして活躍されている堀田清文さんのインタビューをご紹介したいと思います!!

堀田清文さん

上智大学法学部卒業。日本企業を経て、2年ほどドイツへと渡る。帰国後、ドイツ企業で総務を務める。2021年3月から現職に就く。ドイツ人向け奨学金プログラム「日本語学習と企業内研修」(SP Japan)と日本人DAAD元奨学生を担当。SP Japanプログラムでは毎年10人のドイツ人が選抜されており、その奨学生のサポートを行っている。

堀田さんから見たケルブルさんの作品の魅力を教えてください。

実際にご本人ともお話しさせていただきました。ノーベル賞を受賞されるような方々とコンタクトを取り、関係を築くことができることが彼女の魅力だと思います。また、ケルブルさんがたくさんの方とお会いする前に行う事前準備が作品の奥深さにつながっていると思います。

ドイツという国に堀田さんが興味を持った理由があれば教えてください。

最初のきっかけは、幼少期の家族旅行でした。初めて見る海外の風景は、強く頭に残る感覚がありました。その後、上智大学に入学し、第二外国語でドイツ語を学びました。講義を通して、楽しくしっかりとした基礎を学ぶことができました。今では自分の武器となる要素なので、当時授業を担当して下さった正木晶子先生にはとても感謝しています。また、大学時代に入っていたサークルを通してクラシック音楽に触れ、ドイツ文化にも興味を持ちました。

ドイツ学術交流会(DAAD)で働く楽しさや魅力を教えてください。

まず、日独交流の橋渡しを担えることです。ここでの仕事は、一人として同じ業務をする人はいません。言い換えれば、自分の任された仕事は自分で行動しなければ何も始まらないということです。自分で考える力が求められ、緊張感のある仕事でもあります。同時に、専門性の高い同僚から学ぶことも多いです。お互いの職責をリスペクトし、時に協力を求め、求められる環境が魅力の一つと考えます。また、この仕事だから出会える人がたくさんいます。公的機関や企業、大使館といった場で活躍される方々と関われる、そのような方々と関係を持てる一人であることへ楽しさを感じます。

最後に上智大学の学生、これから入学される皆さんにメッセージをお願いします。

帰国子女でもなく、留学経験があるわけでも、外国語学部出身でもないですが、こうしてドイツ語を武器に働いています。決して今までの道は、単純な道のりではありませんでした。大学時代は、遠い世界に感じていた海外に関わる仕事でした。やりたいと思った際に行動に移すと、やればできるということがわかり、憧れが現実となりました。学生の方々が持つ憧れは諦めずに持ち続け、面白そうと思ったら何事にも挑戦してほしいです。そうすることで、自分自身の何かが豊かになっていくと思います。

おわりに

写真展を訪れた際に感じたことは、偉大なことを成し遂げられた方は素敵な笑顔をされているなと感じました。同時にケルブルさんがカメラを向けた際に引き出された笑顔でもあるのかとも想像しながら写真を眺めていました。私も誰かの笑顔を引き出せるような人になりたいと心から思いました。

堀田さんとのインタビューはとても貴重な時間でした。最初から気さくにお話して下さり、これまでの経験や今振り返ってどう感じているのか、ご本人の口からお聞きできたことがよかったです。私が堀田さんとのお話の中で特に印象に残っていることは「自分の手で変えられるものと変えられないものを見極める」ことの大切さについてです。変えられるものは「一つ一つ片づけていく」と表現されていたのを覚えています。自分の描く将来は、一見夢で終わってしまうように見えたとしても、今目の前にあることを一つ一つ片づけることで自分が目指す先へと行きつくのかと思いました。

今回、取材にご協力いただいた堀田さん、ありがとうございました!

さきか
名前
さきか
所属
経済学部 経営学科
〇〇がすき!
野球と韓国が好き!
上智のいいところ
夕方の学校帰りに見る空がきれい