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上智学生記者クラブ通信

#252 SSIC田辺市熊野スタディツアーで国際交流!

2023.07.14

みなさんこんにちは、国文学科3年のくるみです!
今回は、SSICで実施された1泊2日の田辺市熊野スタディツアーの体験をお届けします!
大学生のうちに色んな地域に行ってみたい、留学生と交流したいけれどなかなか機会がない、という方は必見です!

SSICとは?

まず、SSIC(Sophia Student Integration Commons)とは、「留学生ともっと交流したい」、「日本人学生と友達になりたい」という学生同士のコミュニケーションを促進するために生まれた交流スペースで、学生センターが運営しています。イベントの情報は、Loyola掲示板やFIND SOPHIA、SSIC のTwitterなどで告知されていますので、適宜チェックしてみてください。

どんなツアーなのか?

今回はSSICのイベントの一つで、6月10日~11日に開催された「田辺市熊野スタディツアー」に参加してきました。そもそも、「田辺市ってどこ?」と思った方も多いと思いますが、田辺市は和歌山県の中央に位置する、人口約70,000人の市です。梅やみかん、世界遺産の熊野古道などが有名です。今回は、多様な国籍・学科・学年から集まった18人の学生が参加し、4人の職員の方が引率してくださいました。スタディツアーの目的は、「田辺市のSDGsに向けた取り組みを知ること」と、「田辺市の関係人口になること」でした。「関係人口」はあまり聞き馴染みのない言葉だと思いますが、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々を指す言葉です。また、「日本語でも英語でも楽しめる」といった点も大きな魅力で、留学生と国際交流ができました。一人の職員の方が当日の動き方や体験で必要な指示を日本語で説明してくださった後に、別の職員の方が英語で通訳してくださる、という流れで、英語の勉強にもなりました!

田辺市の特産品「南高梅」の収穫体験!

田辺市に着いて最初の体験は、梅収穫体験でした。お世話になった農家の日向屋さんはとても温かく、笑顔で迎えてくださりました。

日向屋の皆さんとお手伝いに来てくださった地域の方々

まず、梅を収穫する際は、事前に張ってあるネットに落ちた実と、枝についた実を分けて取ります。地面に落ちた実は傷がついてしまっているため梅シロップなどの加工品に、枝についた綺麗な実は梅干しに、というように用途が分かれています。1日だけの梅収穫体験なのにも関わらず、「学生さんたちに手伝ってもらえて嬉しい」と言ってくださった日向屋さんに、私はとても感動しました。農家の方が木の剪定や、消毒などを行い、地道な苦労の末になった梅の実です。こうした温かい言葉をかけてくださるのは、SDGsに向けた取り組みをしている日向屋さんだからこそだと思います。日向屋さんは、持続可能な農業を目指し、次世代の子どもたちが関わりたいと思う農業を目指しています。伝統的な農業を守り伝えるだけでなく、「未来を語ること」が大切だとし、地元の小学校で未来の農業を子どもたちと一緒に考えたり、地元の高校生と商品開発をしたりしています。若者の視点を大切にしているからこそ、私たちを尊重し、感謝の気持ちを抱いてくださり、上辺だけではない「持続可能な農業」への想いを感じました。

一生懸命梅の実を収穫する参加者

実際に収穫した梅を使って梅シロップづくり!

次は、先ほど収穫した梅を使って、梅シロップを作ります。梅が旬の季節に、梅を使った保存食を作ることを「梅仕事」と呼びます。保存容器に青梅と砂糖のみを入れる一見シンプルな作業ですが、美味しい梅シロップを作るためには、様々な秘訣があります。まず、使用する青梅は一つ一つ丁寧に洗い、ヘタを取り、水分を取り除き、かびないように工夫しています。また、保存容器は金属ではなく必ず瓶かプラスチックを使用します。これは、梅に含まれているクエン酸やリンゴ酸が金属の容器と反応して酸化すると困るためだそうです。毎日容器を上下にゆすって「梅のお世話」をすることで砂糖が溶けやすくなり、1~2週間で飲めるようになります。

宿泊先の秋津野ガルテンにて梅シロップづくりをする様子

ところで、この一連の梅作業を見て、「水分は何も入れないの?」と思った方もいると思いますが、梅から出るエキスと砂糖が混ざってシロップになるため、水は入れません。先に梅を冷凍しておくと、梅の中の細胞が破壊され、エキスが出やすくなるため、おすすめだそうです。梅と梅の隙間にも砂糖を詰め、容器がいっぱいになるまで作業したところ、使った砂糖の量はなんと1kg……!! 出来上がりが待ち遠しい気持ちと、この量の砂糖を身体に入れる罪悪感で複雑な気持ちになりました(笑)。

砂糖の雪に埋もれた梅と、2週間後に出来上がった梅シロップ

世界遺産の熊野古道を歩いて、心も体もリフレッシュ!

2日目は、熊野本宮大社の参拝と、熊野古道歩きです。和歌山県南部には、熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の三つの大きな神社があり、これらは「熊野三山」と呼ばれています。そして、熊野三山へお参りするための道を熊野古道といい、かつては上皇・女院から庶民にいたるまで、多くの人々が熊野を参詣しました。切れ目なく多くの人々が熊野に参詣したことから、「蟻の熊野詣」という言葉もできたほどです。悪天候の中、熊野古道を歩くのは大変でしたが、歴史的背景を学んだ後に歩くと、まるでタイムスリップしたかのようで、登りきった後の爽快感は格別でした! 

互いに励まし合いながら熊野古道を歩く参加者

また、この日はアメリカのコロラド州出身で熊野古道のプロフェッショナルガイドをしているマイクさんが、ほとんど英語でガイドをしてくださりました。お仕事のやりがいについてお聞きすると、「初めて熊野を訪れた際、この感動や魅力を訪日外国人にも伝えたいと感じ、10年以上この仕事を続けています。日本語がつたなかった当時、熊野の歴史について勉強することはとても大変でしたが、先輩の外国人ガイドにたくさん助けてもらい、今こうして仕事ができています」とお話してくださりました。

熊野について楽しく解説してくれたマイクさん

昨日初めて会った友達が、今日はかけがえのない友達に

田辺を楽しむだけではなく、様々な国籍・学科・学年の参加者との交流も大きな魅力でした。梅収穫体験の際の二人一組や、お昼ご飯を食べるメンバー、一泊するルームメイトなど、多くの学生と交流する機会がありました。日本人学生との関わりでは、自分と異なる学科の話が聞けたり、学年が異なるとコロナ禍の生活や対応の違いが明らかになったりして、とても興味深かったです。また、留学生との関わりでは、細かな場面で国によって異なる習慣の違いが見つかったり、留学生が初めて経験することの場面に立ち会えたり、学ぶことが多くありました。また、うまく英語で伝えることのできない悔しさや、難しい日本語の意味を簡単に説明できないもどかしさなど、自分自身を成長させるためにも、とても良い機会となりました。個人的に、「しそ漬梅のしそって何?」と言われたときが一番困りました(笑)。こうした「一期一会」を大切に、今後の出会いや繋がりも大切にしていきたいと思います。

おわりに

いかがだったでしょうか。私は今回のツアーを通じて、田辺市のSDGsに関する取り組みを知ることができたり、多くの留学生と交流することができたりして、非常に実りある経験となりました。私はSSICのイベントに参加するのは今回が初めてだったのですが、参加して本当に良かった、と思いましたし、何事も恐れずにチャレンジすることの大切さも学びました。今しか経験できない貴重な機会だと思いますので、みなさんも、SSICのイベントにぜひ参加してみてください! 

引率してくださった職員の方々、2日間行動を共にしてくれた学生のみなさん、本当にありがとうございました! では、次回の記事も、お楽しみに!

くるみ
名前
くるみ
所属
文学部国文学科
〇〇がすき!
K-POPとパンが好き!
上智のいいところ
真面目で意識の高い学生が多いところ!