2021.09.21
2021.09.21
こんにちは! ひかるこです。2023年もあっという間に夏を迎えましたね……。春学期は多くの学生で賑わうキャンパスが印象的でした。聞こえる言語も見かける留学生の数も大きく増えたように思います。
ところで、みなさんは留学生がどんな生活をしているか、ご存じですか? 中にはあまり留学生と交流がない学生もいるのではないでしょうか。
そこで! 今回は私とくるみ記者で、それぞれが出会った留学生にインタビューをしてみました。
勉強や生活の様子から、それぞれの国のおすすめ情報まで色々深掘りしたので、これを機に留学生と交流したいと感じていただけると嬉しいです。
まず、私がインタビューさせていただいたのは、韓国から来た史学科4年のジョン・ユナさん(左)とドイツから来た国際教養学科4年のゲンツ・マドゥリンさん(右)。
ユナさんは、アニメや小学生のとき韓国でボーカロイドが流行ったことをきっかけに日本に興味を持ちました。歌詞や字幕を日本語で読めるようになりたいと思い、ひらがなから勉強を始めたユナさん。歴史好きだったこともあり、高校では日韓の政治問題や日本社会に興味を持ち始めたそうです。
マドゥリンさんも、幼い頃から日本のアニメや漫画、料理が好きだったといいます。ドイツでは日本の武道も人気があるそうで、昔から日本文化に慣れ親しんだようです。マドゥリンさんが初めて日本を訪れたのはなんと11歳の時!!
ユナさんもマドゥリンさんも昨年9月に来日し、ユナさんは8月、マドゥリンさんは10月に留学生活を終えて帰国されます。
(ユナさん)高校で日本語や日本について勉強したことで、実際の日本人の暮らしや日本社会を見てみたいと思ったからです。高校生の時から、交換留学は大学生だからこそできることだと思い目指していました。大学では日本学を専攻しているので、日本学専攻者として日本での生活をしておくべきだという考えもあり、留学を決めました。
(マドゥリンさん)様々な理由はありますが……実はライブに行きたかったのが一番の理由なんです(笑)。本当に本当に、日本のバンド(my first story・ONE OK ROCK)が大好きなので彼らのライブに行きたい思いが強かったですし、実際日本に来てからは、彼らのライブで日本全国を回っています!
(ユナさん)1つは、標準語を学びたかったからです。関西圏や東北圏など選択肢はあったのですが、日本語教師になるには標準語を習得する必要があると思い、関東圏の大学を検討しました。中でも、上智は留学生が多く、留学についての情報も豊富なので、留学生として楽しい生活を送れると感じ、上智に決めました。
(マドゥリンさん)上智は規模が小さいことが魅力的で、友だちを作りやすいと思ったからです。国際的な雰囲気もあり、日本人学生の多くが英語を話せることも便利な環境だと思いました。私は良い成績を修めていたので他の大学も選択肢にあったのですが、大学の規模が大きいと友だち作りに不安を感じたので、上智に来たいと思いました。
(ユナさん)日本語や日本史など史学科の講義を受けています。韓国での専攻は教育学と日本学ですが、日韓の歴史にも興味があったので、上智では史学科を希望しました。しかし、日本史の知識量の差には苦戦していて、史学科生として受ける授業は難しいです。でも、挑戦することが大事だと思って頑張っています。
あとは、K-POPや韓国文化の人気の高さには驚きました。上智では、私が韓国人であることに気付いた学生さんから、「韓国に関心があるので友だちになってくれませんか?」と声をかけられたことがあったんです。来日して、いかに韓国に対する人気や関心が高まっているのかを実感しました。
(マドゥリンさん)私は日本語の授業や経済、日中の歴史について学んでいます。宿題の量や朝早くの講義には悩まされることもありましたが、弓道のサークルに入ったり、友だちと遊んだりしてとても楽しい生活を送っています。最近では、日本語が上達したと言われるんです! LLCのコミュニケーショングループでドイツ語も教えていますよ。他には、旅行が大好きなので、北海道から九州までたくさんの場所を訪れました。3年前、東京の旅行会社でインターンシップをした経験から日本の観光については知識がありますし、その時の友人から情報を教えてもらうこともあって、旅行を楽しむことは多いですね。
(ユナさん)多様性に富んでいるところが好きです。留学生が多く、ドイツ人・台湾人・中国人・アメリカ人と、さまざまな国籍の友だちができました。韓国では留学生や外国の人にはあまり目を向けていなかったと思うのですが、上智では留学生という立場になったことで様々な国の人と関われて、視野が広がりました。
最初は日本人の友人が少なかったのですが、LLCをはじめ、学内外の交流会に積極的に参加し、授業でも韓国に興味のある学生さんと出会い、日本の方との交流も持てました。
ただ、まだまだ交流プログラムでの日本人参加者は少ないと思います。留学生と日本人学生が積極的に混ざり合うことが必要だと考えています。
(マドゥリンさん)四谷というとても便利な立地にあるし、みんなが同じキャンパスで勉強しているところも好きです。上智生はみんな優しいですし、上智が大好きです!
(ユナさん)韓国には、大学の近くに大学街(대학가)というものがあります。学校の周りには飲食店やカフェ、カラオケなどのエンターテインメント施設が多く、学食に人が多くても近くのレストランに行ったり、放課後には近くのカフェで勉強したりします。上智の周辺は、ビジネス街のイメージが強いですね。
(マドゥリンさん)私の大学は、四谷に学部が集まる上智とは違い、キャンパスがいくつかの場所にあるんです。だから、他学部だと知らない人が多いです。サークル活動もあまりないので、友だちと交流するのは同じキャンパス・学部のクラスメイトのみですね。上智は多くの学部が四谷に集まっていて、多くの友人といつでも集まれる点が良いと思います。あと、上智は施設がとても綺麗です!
(ユナさん)人生初の1人暮らしなので、自由に生活できて楽しいです。日本では、都会の中でも代々木公園や新宿御苑など管理の行き届いた自然を楽しめる場所があり、日常の中で余裕を感じられたのが良かったです。また、神社など昔の雰囲気や伝統が今でも守られている姿が好きですね。
あとは、韓国にはカスタードプリンやクリームソーダがないんです。クレヨンしんちゃんでずっと見ていて憧れだったものを食べられたのも嬉しかったです! 新大久保が身近にあったし家族やたくさんの友人が韓国から日本旅行に来たので、ホームシックになることも少なく、留学生活を楽しめました(笑)。
(マドゥリンさん)日本の生活はとても便利です。自販機があったり、電車が時間通りに到着したり……ドイツの電車は60%、時間通りに到着するのですが、ドイツの時間通り=誤差が6分以内という意味なんです。3、4分は遅れたことになりません(笑)。ただ、日本に来て、日本人の建前や働きすぎを感じることもありました。
あと、私は海や、こぢんまりとしていて伝統的な町並みが好きなので、宮島、鎌倉、厳島がお気に入りの場所です。食べ物だと、お好み焼き、たこ焼き、たい焼き、すき焼き……〇〇焼きが好きみたいですね(笑)。
(ユナさん)留学生活では、1人でどこかへ行ったり色んな人に会ったりと、今までは全くしなかったことを経験しました。以前は心配性で、新しいことに挑戦するのが苦手だったんです。上智でも、授業についていけるかという不安もありました。しかし、1回きりの留学だと思い、勇気を出して様々なことに挑戦しました。その過程で、自分が出来ることや出来ないことも分かりましたし、自分をよく知ることができたと思います。挑戦することを恐れなくていいのだと学びました。私は8月に留学生活を終えて帰国するのですが、本当に楽しい留学生活でした。もしもう一度留学をするとしても、上智に来ると思います!
(マドゥリンさん)上智に来る前は内向的でシャイでした。でも、上智は私にとって誰も知らない場所ですし、友だちを作りたかったので元気で外交的に、様々なことをやってみました。ドイツでは、サークル活動もなく、キャンパスも各所にあったのであまり友だちがいなかったのですが、上智ではたくさんの友だちができたことが留学で得た大きなものです。帰国しても、留学生活で養った外交的で元気な自分を継続させていきたいです!
みなさんこんにちは、くるみです! ここからは、私がインタビューした中国の留学生のお話をお届けします。私がインタビューさせていただいたのは、文学研究科文化交渉学専攻1年生のキョウ・ガキさん。
ガキさんは、中国で単語や表現を学んでいても、なかなか使う機会がないことがもどかしかったため、来日して日本語や言語文化について学びたかったようです。大学時代、学校のプログラムで東京と京都を訪れた時を境に、より日本に興味をもち、大学院で1年間の留学を決めたそうです。
(ガキさん)上智に留学をしたことがある先輩から、雰囲気も先生もすごく良いと話を聞いていました。それから、上智に行きたい気持ちが強くなって、ここ以外のプログラムには応募しませんでした(笑)。実際に来てみると、キャンパスがとても綺麗で、想像していたよりも良いところがたくさんありました!
(ガキさん)日本人は、日本語をゆっくり話してくれたり、難しい単語の意味を説明してくれたり、私がうまく日本語を喋れないときも優しく接してくれたりしたので嬉しかったです。また、別の大学から上智に来ている中国人の留学生が同じシェアハウスに住んでいて、仲良くしています。
(ガキさん)私は、日本の海が大好きです。中国では海に行く機会があまりないので、日本で綺麗な海を見てリフレッシュすることができました。既に熱海や鎌倉、三浦などに行っており、日本にいる間にできるだけたくさんの海を見に行きたいです。また、今は映画研究会のサークルに入っているので、映画の撮影地にも足を運びたいです。特に私が好きな『Love Letter』という映画は北海道で撮影されたので、冬に北海道に行って雪を見に行く予定です。
(ガキさん)まだ日本に来たばかりの時、日本語を聞くのが難しかったので、コンビニやラーメン屋さんに行くのにとても緊張しました。質問が分からないのに分かったふりをしたり、単語や表現を調べてから話したりすることは大変でした。また、母の手料理や中華料理が食べたくなったときに、中国に帰りたくなりました。日本の中華料理は、日本人の口に合ったものなので、「激辛」とされている料理でも、私からしたら物足りないです(笑)。今食べたい母の手料理は青椒肉絲(チンジャオロースー)と紅焼牛肉(ホンシャオニュウロウ)です。
(ガキさん)中国では外務省に属する外交学院に通っていて、日中の友好関係を築くことに関わりたいので、外務省への就職を目指しています。また、日本で学んだことを生かして、中国で日本語を教える先生も夢の一つです。
(ユナさん)普通はソウルを思い浮かべると思うのですが……伝統的な景観を楽しめる「慶州」をおすすめします! 新羅時代の首都だったので遺跡や伝統的な服を楽しめて、観光には最適です。日本でいう京都の祇園や大宰府のような街並みですかね。ソウルとは違った、古き良き韓国に出会えると思います! 食べ物だと、「イサックトースト」というトースト屋さんがおすすめです。安くて大容量のドリンクが特徴の「デザート39」というカフェチェーン店もおすすめですし、韓国のたこ焼きは日本と若干味が違って、ブルダック味など味の種類も色々あるので食べてみてほしいです!
(マドゥリンさん)場所だと、ヴェルニゲローデ(Wernigerode)がおすすめです。伝統的な景観で、ハリーポッターみたいな電車が走っているんです。その電車に乗ると山の上に行けますし、冬にはスキーもできる良い場所です。冬だとクリスマスマーケットもおすすめですね! 食べ物がとても美味しくて、ホットワインやブラートアプフェル(Bratapfel)が有名でドイツ人の多くが食べるんです。ブラートアプフェルは、りんごの中にカスタードやシナモン、アーモンドを詰めてオーブンで焼いたものです。あとは、ケバブの一種であるドナー(Döner)という料理もおすすめですよ。日本のケバブとはパンやソースが少し違っていて、とても美味しいんです! ぜひドイツに来たときは楽しんでください!
(ガキさん)重慶と北京にぜひ行ってみてください。四川料理は激辛ですが、火鍋が美味しいです。北京は北京ダックがおすすめです。あと、重慶は湿気が多いので、汗をかいてスッキリしたくて、健康のためにも辛い料理を食べているんですよ!
以上、3名の留学生に協力いただき、彼女たちの多様な経験と挑戦を知ることができました。思わず私も留学に行きたくなるような、魅力的なお話でした。1つのキャンパスに学部生・大学院生や世界各地からの留学生など、多くの学生が集い、異なる学びと文化が交差する「多様性に富んだ上智」だからこそ、積極性や広い視野が養われるといった成長が得られたのかもしれませんね。留学生のお話から、改めて上智の良さに気が付きました。みなさんも、留学生との交流を通じて知識や価値観の交換を楽しんでみてください。
ユナさん、マドゥリンさん、ガキさんをはじめ、留学生の皆さんに向けて、実り多い留学生活を心から応援しています! (ひかるこ)
今回のインタビューを通して、新たな発見がたくさんあり、ずっと日本で暮らしている私でも気が付かなかった日本の魅力を、逆に留学生に教えてもらう機会にもなりました。改めて日本が大好きになりましたし、インタビューに協力してくださった3人の出身国にも訪れたい気持ちが強くなりました。私も、留学生のみなさんが今後も充実した大学生活を送れることを願っています! (くるみ)
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