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上智学生記者クラブ通信

#259 本土を離れ、1カ月間の島暮らし! 「大人の島留学」体験記

2023.09.29

みなさんこんにちは! 国文学科3年のくるみです。
新学期が始まって数日経ちましたが、振り返ると、2カ月間の夏休みも長いようであっという間……。既に夏休みが懐かしい気もしますが、今回は私が8月の1カ月間経験した「大人の島留学」の体験記をご紹介します!

目次

  1. 「大人の島留学」とは何か?
  2. どんなお仕事をしたのか?
  3. 考えるよりも、行動すること!
  4. 島の一番の魅力は、人の温かさ
  5. 笑いありハプニングありの、シェアハウス
  6. 出会いは一生の宝物

では、早速ご覧ください!

1.「大人の島留学」とは何か?

私が訪れたのは、島根県・隠岐諸島の島前(どうぜん)地域にある海士町(あまちょう)という島です。「大人の島留学」とは、3カ月や1年という一定期間、全国から島へ集まった若者が、仕事と暮らしを通じて島を知っていくインターンシップ制度です。
今年の6月に上智大学が海士町と協定を締結したことをうけて、海士町のご厚意で、8~9月の中で、上智大生を対象として特別に2週間または1カ月のプログラムが実施されました。

島根県の北に位置する小さな島で、海士町の人口は約2,300人

このインターンシップでの仕事内容は、漁業や畜産業といった一次産業だけでなく、商業施設の企画開発・運営、島内の情報発信など様々で、受け入れ担当の方と何度か面談を重ねて決定します。活動支援金が支給されるほか、家賃や水道光熱費の負担もなく、金銭面のサポートも充実しており、若者が挑戦しやすい制度になっています。

隠岐島前地域の3つの島(海士町・西ノ島町・知夫村)のイメージカラーに、「三角」と「参画」を掛けたロゴ

2.どんなお仕事をしたのか?

私が今回のプログラムに参加した理由は、自分探しをしたい、という気持ちからでした。私は順風満帆で幸せな20年間を過ごしてきたのですが、だからこそ、全く知らない土地での挑戦が、新たな自分を発見するきっかけになるのでは、と考えたのです。そして、覚悟を決めて1カ月、縁もゆかりもない島で過ごすことを決意しました。
1カ月という短期間の中で、島民や観光客と多くの関わりを持ち、できるだけ様々なことを経験できるように、複数の事業所に配属していただきました。受け入れ先の方との面談の結果、海士町観光協会、島じゃ常識商店(通称:常識商店)、レストランの船渡来流亭(セントラルてい)の3箇所で勤務しました。具体的には、観光協会ではレンタサイクルの準備やレンタカーの配車、常識商店ではレジ打ちや品出し、船渡来流亭では洗い場やホールといったお仕事を、1日の中で、それぞれの忙しい時間帯に応援に行く形で働きました。
この3箇所は全て、船を降りてすぐの港のセンターにあるため、来島した方が最初に利用する場所であり、また、本土に帰る前に最後に利用する場所でもあるため、特別な意味を持っていると感じます。こうしたお仕事や暮らしを通じて学んだことは、行動することの大切と、人の温かさでした。

シェアハウスから電動自転車で20分程度の所に位置する「キンニャモニャセンター」

3.考えるよりも、行動すること!

まず、最も大きな学びであったことは、とにかく行動する、そのスピード感です。
例えば、観光協会に所属が決まったときは、レンタカーを自分で運転して配車するお仕事があることは想像もしていませんでした。私は高校を卒業後、地元の静岡県で普通自動車の運転免許を取ったものの、運転に苦手意識を持ち続けていました。もし配属が決定する前に、レンタカーの配車のお仕事があると事前に伝えられていたら、観光協会での勤務を断った可能性も高いほどです。いつも物事を慎重に考えてから行動に移す傾向にあったので、ここで「任せられたらやるしかない」「できないことをできるようにしていくしかない」と考え方が大きく変わりました。

また、私がそのようにチャレンジできた理由は、職場の方々が安心して挑戦できる環境を整えてくださったことにありました。みなさんは、無理な時間制限を設けたりすることも、私を咎めたりすることもなく、「ゆっくりで良いよ」「上手に停めることができたね」と声を掛けてくださいました。配属されたばかりの頃はずっと及び腰でしたが、日を重ねるにつれ、自分にできることを精一杯したい、もっとみなさんの力になりたいと思うようになりました。

4.島の一番の魅力は、人の温かさ

島での暮らしを通じて、島の方々の温かさを体感しました。まず、島の方々は、挨拶を大事にします。通勤中の道では、たとえ知らない人でも通ったら必ず「おはようございます」と挨拶を交わしました。また、お仕事中は心の込もった「ありがとう」をたくさん受け取りました。任されたお仕事をするのは当たり前のはずですが、「暑い中ありがとうね」「すごく助かるよ」と感謝の言葉をいただきました。特に、お客さんが同じ時間帯で一気に集中するようなレストランは本来ピリッとした空気になりがちですが、船渡来流亭は、いつも穏やかな雰囲気に包まれているのがとても印象的でした。それは、スタッフのみなさんが、言葉や表情、態度で、お互いへの敬意や感謝の気持ちを伝えていて、どんなに忙しくても「ありがとう」を欠かさないからだと思いました。

船渡来流亭でスープを用意している私

また、東京のバイト先で働くときと、島で働くときは、コミュニケーションで求められるものが異なるように感じました。東京のパン屋でアルバイトをしている私は、接客とは、機械的で正しく、丁寧にするものだと思っていました。もちろん丁寧さは大切ですが、島の方々は人間味のある温かいコミュニケーションを取るのです。常識商店では、飲み物やアイスを買うことだけが目的ではなく、コミュニケーションのためにも来てくださっているお客さんが多いように感じられました。定型文を繰り返すだけでなく、常連さんや地元の子供たちと、ゆったり心の会話ができることがとても心地良かったです。

5.笑いありハプニングありの、シェアハウス

島留学では、男女別のシェアハウスで平均3~6名で過ごします。役場から貸し出された古民家がシェアハウスとなり、途中でメンバーの入れ替わりもありながら一番多いときは5人で過ごしました。全員一人部屋が設けられているだけでなく、古い畳は張り替えられ、全部屋にエアコンとWi-Fiが完備されているなど、受け入れ前に環境を整えてくださっていたおかげで、とても快適に過ごすことができました。

2階立てで広々としたシェアハウス
テレビと大きな机がある部屋を居間に決め、ここでご飯を食べたり団らんしたりしました。

食事については、シェアメイトによって生活スタイルや考え方が様々だったので、各自で作って食べるときもあれば、みんなで作って食費を折半するときもありました。また、ご近所さんとの付き合いで、大きなきゅうりやトマト、大量のサザエをいただけたり、イベントやお得な情報を得られたりしました。島の方々と積極的にコミュニケーションを取ることで暮らしが豊かになっていき、ネットには載ってない情報も多くあることから、コミュニケーションの大切さを改めて実感しました。

立派なサザエを使って、サザエパーティー!
慣れない中シェアメイトと協力して作ったご飯
「絶対に私たちが朝ごはん一番ちゃんと食べているよね?」と盛り上がった日の朝食

ちなみに既に修理していただきましたが、来島したばかりの頃、トイレの扉の鍵が壊れていて、家で一人の時に、誤って自分を閉じ込めてしまいました……! 他のシェアメイトは既に出勤しており、私は出発10分前という大ピンチの中、窓から外へ脱出したことも、今では良い思い出です(笑)。

6.出会いは一生の宝物

盛り沢山な内容でお届けしてきましたが、いかがだったでしょうか?

島の方々が、私のことをたくさん愛してくれて、また自分自身も大きく成長できたと実感しているため、海士町に来ることができて本当に良かったと心から思います。 

また、今回の3箇所に配属されていなければ、恐る恐る駐車する私を見かねて「代わりに停めてあげようか?」「誰か呼んできてあげようか?」と声を掛けてくれる島の方々にも、通勤中の道で「常識商店のお姉さんだ!」と叫んでくれる小さなお子さんにも、私が働いている時間に合わせて船渡来流亭に来てくれるお友達にも、出会えていなかったと思います。全部全部私にとってかけがえのない出会いであり、大切な宝物です。

緊張している私をみなさんが温かく迎えてくださったからこそ、今後の生活で自分のコミュニティに新しい人が入ってきてくれた際には私も笑顔で迎えたいと思います。

来年もまた行きたい……どころか年に1回は行きたいと思うほど、海士町は私にとって大切な、第二の故郷になりました。

海士町観光協会・島じゃ常識商店・船渡来流亭の方々をはじめ、海士町でお世話になった方々、大人の島留学生・島体験生、上智の参加者のみなさん、本当にありがとうございました! そして、この記事を契機に、読者のみなさんが、少しでも海士町に興味を持ってくれたら嬉しいな……と思います。

最後までご覧くださりありがとうございました! では、次回の記事も、お楽しみに。

くるみ
名前
くるみ
所属
文学部国文学科
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