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上智学生記者クラブ通信

#364-1 Tokyo Prideを通して学ぶ、上智と性の多様性について
もっと知りたい、LGBTQ+のこと

2026.07.10

初めまして! 哲学科1年のちはるです。新入生の皆さんは、課題に追われて夏休みが待ち遠しくなってきた頃だと思います。かくいう私もその一人です(笑)。

今週と来週は、上智大学の性の多様性への取り組みについて、連載でお届けします。

第一弾は、6月に開催されたTokyo Prideがテーマです。教職員と大学院生の方々のインタビューと、記者の参加レポートをお伝えします!

🌈Tokyo Prideについて知ろう

タイトルを見て、「そもそもTokyo Prideってなに?」と思った方が多いのではないでしょうか?

「Tokyo Pride」とは、毎年6月に開催される、LGBTQ+の当事者の人権や多様性について考えるイベントの総称です。6月の週末を中心に、東京都内の各地でパレードやステージ企画、トークイベントなどの催しが行われます。LGBTQ+の当事者をはじめ、「アライ」と呼ばれる理解者・支援者・企業が集まり、性の多様性への理解を広げるアジア最大級のイベントとなっています。

本記事では、6月6日(土)、6月7日(日)に代々木公園で開催された「Pride Festival」と、6月7日(日)に行われた「Pride Parade」についてお伝えします!

🌈上智の性の多様性への取り組みについて聞いてみた

今年、上智大学は有志でTokyo Festivalのブースに出展し、大学としては唯一Pride Paradeに参加しました。これは、教職員が共同するプロジェクト、「性の多様性に対する実現可能かつ継続的な取組の研究」 の一環です(My Sophiaでパレードの参加者が募集されていたことを、皆さんご存じでしょうか?)。

本記事を執筆するにあたって、このプロジェクトに参加する5名に取材を行いました。

(左から順に)

総合人間科学研究科社会学専攻 博士後期課程  永岡 史帆さん
総合人間科学部社会学科 准教授  石井 由香理先生
ポルトガル語学科事務室  新井 佳英子さん
学生局学生センター チームリーダー  正山 耕介さん
学事局学事センター チームリーダー  江口 愛実さん

お話を伺った、教員、職員、大学院生の5名

Q.「性の多様性に対する実現可能かつ継続的な取組の研究」のプロジェクト内容と、プロジェクトメンバーについて教えてください。

(江口さん) 教員と職員の有志が、「教職協働プロジェクト」という枠組みを使って、2020年から継続的に活動を行っています。上智に関わる方々のアライを増やして、当事者が安心・安全に過ごせる環境作りを目標にしています。主な活動として、他大学の取り組みの調査、ダイバーシティ宣言が出される前に行った性の多様性に対する宣言の提案、映画祭や講演会の開催などを行っています。

(石井先生) 活動のなかでメンバーの入れ替わりもありましたが、ここにいる教職員は(取材を受けてくださったメンバー)初期から活動に参加しています。

(正山さん) ダイバーシティ・サステナビリティ推進室では扱うテーマがとても広いので、我々は性の多様性に特化したグループとして大学に提案したり、当事者の声を広く聞いたり、当事者ではない方々の理解を深めたりする活動をしています。推進室と協力して活動を進めることもあります。

Q. 上智大学内で行われている、性の多様性への理解を広めるための取り組みはありますか?

(正山さん) 「上智LGBTQ+映画祭」(Sophia Pride Film Festival)という映画祭を2023年と2024年に開催していて、2026年にも開催予定です。そこではLGBTQ+のさまざまなテーマが主題となっている劇映画やドキュメンタリー映画を上映しています。上映後に監督のトークショーや、そのテーマに詳しい先生方の解説を入れる回もあります。この映画祭が、学内で我々が行う行事では、最も規模が大きいものです。

(正山さん) 当事者たちが、学内でどんなことができるのかを知るためのガイドライン作りにも取り組みました。例えば、トランスジェンダーの方が性別や学籍上の氏名を変更するための学事センターでの手続きやウェルネスセンターでのカウンセリング、キャリアセンターでの対応など、様々な部署が対応を行っています。しかし、その情報が一つにまとまっていなかったため、私たちがそれらをまとめる取り組みを行いました。

(石井先生) その成果として、今はWeb Piloti(在学生向けポータルサイト)から整理された情報をまとめて閲覧できます。

(江口さん) 上智はグローバルな大学なので留学生もたくさん来ていますが、海外の当事者に対してどう対応していけるかということも課題になっています。

(石井先生) 海外の大学から「上智は当事者を受け入れる体制になっているのか」という問い合わせが来たこともありました。上智大学のLGBTQ+の当事者への対応が国際的に期待されていると思います。

Q. Tokyo Prideへの参加の経緯や、参加の目的を教えてください。

(正山さん) 去年から有志の形で参加しています。ブースでは、本学でのLGBTQ+のための取り組みや、理解を広げるための取り組みを展示で紹介しています。ジェンダーをテーマにしている先生方の研究内容や担当する授業の紹介の展示も行っています。大学受験を控える高校生に、当事者のための環境があることを伝えたいという思いもあります。去年には卒業生や現役の学生の方々が来てくれて、上智がこのような取り組みを始めたことに対してとても喜んでくれました。予想以上に多くの方が来てくださって、参加した意味をあらためて感じました。パレードに参加しているのは、大学としてはおそらく我々だけですね。上智大学のみならず、これから大学に進む全ての方々に対して、そこに自分を受け入れる空気や仲間たちがいることを分かってもらうことが、Tokyo Prideの参加の目的だと言えます。

(石井先生) 上智の活動の特徴は、学生のみならず教職員で活動を回せているところです。そのため、アカデミックな知を提供しながら、実務的にも魅力的なブースを作ることができていると思います。大学として参加できることはすごいことだと思っています。他大学に学ぶべき部分もありますが、上智でもグローバル・コンサーン研究所やアジア文化研究所、個々の先生方の企画等で、ジェンダーやセクシュアリティに関連するテーマの講演やイベントが行われており、もっと上手く情報を集約できれば良いと感じています。

(江口さん) 一見すると、LGBTQ+当事者のための取り組みは、大学内で何も行われていないように見えたかもしれません。しかし、実際は各部署・研究所で独自に取り組みをしていて、教職員の中にもアライや当事者がいるということを、上手くまとめて大学としてアピールしていきたいという思いが、私たちが集まった発端ではあります。その一つの形としてブースを出したり、パレードを歩いたりすることができているのは、ありがたいことだと思います。

(新井さん) 私も昨年ブースを出してみて、ポジティブなエネルギーをもらうことができてとても良かったと感じています。これまで6年間活動をしてきましたが、やはりまだまだ学内での認知度が低いという課題があります。Tokyo Prideをきっかけにして私たちの活動を知ってくれた方が本当に多くいらっしゃいました。今年もさらに多くの方に知っていただき、当事者の高校生が安心して上智大学に進学できる環境が整っているということを、引き続き発信していきたいと思っています。

インタビューの様子(圧迫面接ではありません)

Q. 性の多様性に向けた社会を作るために、上智大学の学生に伝えたいことはありますか?

(石井先生) 学生の様子を見ていると、どこか受動的で、用意されたものをただ受け取るだけになっている印象を受けます。自分たちの手で学内環境を変えていくんだという強い意思があまり見られないのが現状ではないでしょうか。大学という場は失敗もできるので、自分は何が成し遂げられるのだろうという経験を一通りしてもらう方が良いのかなと思います。そのためにも、ぜひ学内環境にも目を向けてほしいですし、次のステップを見据えた時に、能動的に動いてさまざまな壁にぶつかりながらも、現状を少しずつ変えていくことを大事にしてほしいと願っています。

(永岡さん) 今回のTokyo Prideのブースでは、映画祭でどんな映画を上映してほしいかを付箋を貼っていただく企画をしようと思っています。先ほど石井先生からお話があったように、自分で何かを変えていくことももちろんですし、そこにハードルの高さがあると思うのであれば、まずはTokyo Prideのブースや映画祭に足を運んでもらうことから始めていただけたらと思います。「情報がまとまっていない」というご指摘がありましたが、今回のブースに掲示するポスターでは、私たちの活動や先生方の研究内容を分かりやすく形にしてまとめたので、それらを見て知るきっかけになれば嬉しいです。

(新井さん) 学生の皆さんには、心を広く持って「人との違い」を楽しんでほしいと思います。違いを知ることは自分を知ることでもあり、「この人は自分と違うな」と気付くことは、自分がどうであるかを理解するきっかけになります。大学生活の中で自分と違う人たちを排除するのではなくて、他の人の違うところを色々見つけて、もっと自分を深掘りしながら人生を楽しんでほしいですね。

(江口さん) 「マジョリティの特権」という言葉があるように、マジョリティの要素を持っている人ほどその自覚をして、そうではない立場の人たちに目を向けていけるような感覚をもって大学生活を過ごしてもらいたいですね。

(正山さん) 当事者の方の中には、大学の窓口に相談してもどこまで親身に聞いてもらえるのか、理解してもらえるのかと不安を抱えている方もいるかもしれません。しかし、Tokyo Prideのブースであれば、そこにいる人たちとは対話ができるという大きな前提があります。実際、去年も我々の活動について知らなかったけれど、Tokyo Prideを通じて活動の存在を知った大学の関係者から連絡が来たこともありました。学生の方でもそうでない方でも、安心してコミュニケーションできる機会でもあると思うので、ぜひブースにも足を運んでほしいですし、学内の方であれば一緒にパレードを歩いてほしいです。そこから何かが少しずつ変わっていったり、新しいものが生まれたりするはずだと信じています。

(江口さん) Tokyo Prideや映画祭のようなイベントってもちろん目を引きますし、インパクトや発信力があるという点でとても大きな意義があります。しかし、イベントを開催することだけに終始せず、上智大学にいる誰にとっても過ごしやすい環境を整えていくにはどうすればいいのかを考えなければいけないとは常に思っています。やはり大学という大きな組織なので、お金や時間、施設もいるという中で、6年続けていてもすぐに実施することが難しいこともあります。それでもやはり、他大学のように当事者の方々の居場所を作ることや、教職員と学生のネットワークを作っていくことを、私たちは大きな一つの目標にしています。

🌈Tokyo Prideに参加しよう

6月6日と7日に開催された、Tokyo Festivalに参加してきました!
ここからは、当日の様子をたっぷりお届けします。

2日間、代々木公園では多くの賑わいを見せていました

会場は5色のブースに分かれて、それぞれのブースで企業が自社の取り組みを紹介していたり、代々木公園内のステージでアーティストのパフォーマンスが行われていたりしていした。グルメも充実していて、イベント名通りの「お祭り」の雰囲気を感じられてとても楽しかったです!

入り口のゲート

上智大学のブースに参加してきました! 上智のブースでは、おすすめのクィア映画や小説、マンガなどのコンテンツを付箋に貼ってもらうワークショップを開催していました。大学内の性の多様性への取り組みの紹介、上智大学の先生方のジェンダーやLGBTQ+の研究内容のパネルの展示がありました。

ワークショップの様子
研究内容についてまとめられたパネル
映画祭の企画

こちらは、私がユースインターンで参加している「Marriage for All Japan」のブースです! 同性婚実現に向けて、最高裁判所の裁判官に届けるメッセージを書いていただきました。

中央に位置しているのが「Marriage for All Japan」のブース
2日間で集まったメッセージの一部

2日目に行われた「Pride Parade」にも参加しました。代々木公園から渋谷、原宿を通り1周しました。沿道で手を振ってもらったり、応援の声をもらったりして、とても貴重な経験になりました!

小雨が降っていましたが、楽しく歩いてきました!

「自分らしさ」を表現している方々や、多くのアライの方々と同じ空間で過ごすことができて、たくさんのエネルギーをもらった2日間でした!

🌈終わりに

いかがでしたか?
興味をもっていただいた方は、ぜひ来年のTokyo Prideに参加をしてみてください!
この記事が、上智大学の性の多様性への取り組みについて知るきっかけになれば、嬉しく思います。
誰もが自分らしく暮らせる社会を、あなたも一緒に作っていきませんか?

最後までお読みくださり、ありがとうございました!ご多忙の中、インタビューにご協力いただいた教職協働プロジェクトの皆様に、心より感謝申し上げます。

【もっと知りたい方はこちら】
「LGBTQ+とは」特定非営利活動団体東京レインボー:https://tokyorainbowpride.org/learn/lgbtq/
Tokyo Pride 2026公式サイト:https://pride.tokyo/
Marriage for All Japan公式サイト: https://www.marriageforall.jp/

ちはる
名前
ちはる
所属
文学部・哲学科
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上智のいいところ
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