上智大学では2014年度より福島県飯舘村と協定を締結しています。今年度は9/24~10/10に飯舘村の中学3年生(9年生)とオンラインで交流し、キャリア支援等を行いました。参加した上智生の1人が以下の報告を作成してくださいました。
交流前の準備
今回参加した上智生6名は学部・学科も、これまでのバックグラウンドもまったく違いましたが、「飯舘村の中学生のキャリア形成に貢献したい」「交流を通して自分も成長したい」という共通の目標を持っていました。最初は緊張していた上智生同士でしたが、打ち合わせを重ねるなかでお互いの考え方を理解し、次第に打ち解け、交流の準備をすすめることができました。
交流当日(全6回)の様子
交流は6日に分けて行われました。初日ではまず、上智生の自己紹介と自分の好きなものを紹介するマインドマップの披露を行いました。その後、自己理解を深めてもらうため、いくつかのグループに分かれ、9年生にも同様のマインドマップを作成してもらいました。上智生と9年生でコミュニケーションをとりながらマインドマップを作成したので、打ち解けるのに時間はかかりませんでした。また、初めて使うツールを上手に使いこなす9年生の成長スピードに驚かされました。
2日目の交流では、この日から参加の上智生の自己紹介を行い、その後前回作成したマインドマップをもとに、9年生にも自己紹介をしてもらいました。9年生それぞれの個性が光る、楽しい時間となりました。上智生も9年生のパーソナリティを理解することができ、のちの交流をより効果的にすることができました。
3日目は上智生それぞれが勉強にまつわる自身のエピソードを持ち寄り、紹介しました。こちらも上智生それぞれが多様な経験を共有できました。9年生は自らメモをとったり、上智生が出すクイズに答えてくれたり、積極的な姿勢で話を聴いてくれました。
折り返しとなった4日目は、事前に9年生からもらっていた勉強に関する質問に回答しました。交流を通して自身がもつ悩みをより具体化して教えてくれたため、上智生もより明確に回答することができました。また9年生それぞれが抱える悩みについて、個別に相談する時間をとりました。勉強や将来について、上智生と9年生がそれぞれの考えを共有し、どのような解決方法・選択肢があるのかを探りました。
最終日を目前にひかえた5日目は、交流会をとおして深まった自己理解を表現するべく、初日につくったマインドマップをさらに広げました。交流会の効果があってか、9年生は次々とマインドマップの枝を広げてくれました。この日は9年生同士が近くで作業していたため、よりリラックスした雰囲気で交流することができました。9年生同士のオフラインでの会話を見ていると自身の中学生時代を思い出し、懐かしさからか少し涙が……。
6日目、とうとう最終日です。最初に個別のグループに分かれ最後の準備をしたあと、全体で9年生がつくったマインドマップをそれぞれ発表してもらいました。これまでの経験や今考えていること、受験のこと、将来のことなど、様々な方向に広がるマインドマップは、9年生それぞれの個性と無限の未来を表現しているようで、大変感慨深かったです。発表のなかで将来に向けた目標に言及してくれた際には、勉強の方針や物事に取り組む姿勢など、交流会で得たものと自分の考えをうまく結びつけてくれました。全員の発表が終わったとき、交流会の成果を感じられ達成感を覚えるとともに、9年生とお別れする寂しさを感じました。
今回の交流を振り返って
今回の交流会のテーマは9年生のキャリア支援でしたが、上智生にも学びのある機会となりました。同世代である9年生や上智生がそれぞれ様々なバックグラウンドをもち、お互いの考えを共有することで、多様な視点を学ぶことができました。答えがひとつではない課題に、真摯に向き合い、ともに考えることの尊さを知ることができました。
将来、人生のどこかで、今回のメンバーと再会できることを楽しみにしています。