2021.10.08
2021年10月11日から15日の5日間、「防災WEEK2021」がオンラインで開催されました。
この企画を主催した課外活動団体“Sophia Volunteer Network”(以下、SVN)のメンバーから、4つのトピックに分けて報告してもらいました。
今回は上智生から募集した「防災グッズ」についての紹介です。
「防災グッズコンテスト」の開催
「防災WEEK2021」において「あなたがあったら良いと思う防災グッズ」のアイデアを募集したところ、以下のような多様性に富む作品が集まりました。
・防災グッズでありながら日常使いができるモノ
・災害を想定してのシミュレーションができるモノ
・被災者の健康を考えたモノ
・簡易家具でゲームもできるユニークなモノ
・二次被害を防止するモノ など
それぞれの着眼点から、災害時に直面する様々な場面が想像できます。
優勝者1名、入賞者4名の作品を以下に詳しくご紹介します。
応募くださった皆さん、素晴らしいアイデアをありがとうございました。
優勝者の作品
○国際教養学科3年 三原黎香さん
「たたんでひろげて」
~防災グッズの説明~
大きな布をたたんで、小さなバッグとして持ち歩けるアイテムです。布は80cm角で、避難所等でのプライベート確保や防寒、敷物や風呂敷として利用できます。バッグにすれば14cmx28cm程度の大きさで、スマートフォンなどを入れて普段使いするのにぴったりです。布をバッグにするには、まず角を中心に折り込みます。同じ作業を3回繰り返してから半分に折り、両脇の穴に紐を通して固定します。最後に、口から片方の角を引き出して蓋にします。表には、蓋の端を通せる帯もついています。防災グッズを「非日常のもの」としてしまい込まず、「日常」で使えるように、という思いで考えました。
~この防災グッズが欲しいと思った理由~
災害への備えとして、大きめの風呂敷を用意していたことがありました。しかし、鞄の中でかさばるのが難点でした。風呂敷自体を鞄にすれば、ストレスなく持ち運べるのではないか、というアイデアがヒントになりました。
入賞者(4名)の作品
○哲学科2年 机の下のむさしさん
「避難生活にも楽しみを!椅子や机として使えて、中にはゲームグッズを収納した簡易家具」
~防災グッズの説明~
椅子としても机としても使え、テーブルゲームを楽しめる持ち運びグッズです。
~この防災グッズが欲しいと思った理由~
避難しているときは娯楽がありません。情報もラジオ程度しかなく、電気も水も切断されていることがあります。そのため、子どもからお年寄りまで時間を持て余してしまいます。楽しいことがないと、気分も落ち込み、避難生活が辛く苦しいものになってしまいます。また、避難所で地べたに座るのは衛生的にもよくありません。床にたまるほこりやウイルスで病気になりやすくなります。「持ち運べる椅子として使うこともでき、テーブルとして使うこともできる。そしてテーブルの中からテーブルゲームグッズを取り出せば、4人で遊ぶこともできる。」このようなグッズがあれば、避難所での生活を向上させることができるのではないかと感じ、この防災グッズを考えました。
○国文学科1年 沖田早和玲さん
「口の中で溶かせる子どもにも飲みやすい1週間分の栄養不足が吸収できるビタミン」
~防災グッズの説明~
1週間分のビタミンを摂取できるビタミン剤。錠剤なので長持ちします。世帯数に応じて4つ程の形態に分けて提供され、口の中で溶かして飲むこともできるため、子供でも摂取することが可能です。
~この防災グッズが欲しいと思った理由~
災害時には食料が配布されます。その際、エネルギー重視の観点や傷みにくさの問題からパンやおにぎり、乾パンなどの炭水化物がどうしても多くなります。野菜などは傷みやすく配布することが難しいため、ビタミン不足になることがあると聞きました。そのため、日持ちして、場所も取らない災害専用のビタミン剤があればいいなと思いました。
「椅子や机として使えて、中にはゲームグッズを収納した簡易家具」
「1週間分の栄養不足が吸収できるビタミン」
○総合グローバル学科2年 くりさん
「地震での浸水を防ぐ!大きな揺れを感知したら自動で洗濯機の元栓がしまるグッズ」
~防災グッズの説明~
洗濯機の元栓で、大きな揺れを感知したら自動で元栓を閉め、動かないように止めるもの。
~この防災グッズが欲しいと思った理由~
この防災グッズが欲しいと思った理由は、自分の熊本地震で被災した経験からです。洗濯機の元栓を閉めていなかった状態で、大きな揺れによって洗濯機のホースが取れてしまいました。家族全員で避難していたため、そのことに気づくことができず、1日経って家に帰ったらマンションに住んでいたにもかかわらず、床が水浸しになっていました。そして、床に落ちたものや家具などが水の被害を受け、フローリングも張り替えるという経験をしました。この防災グッズがあれば、元栓を閉めていなくても安心して避難することができるのではないかと思いました。津波や大雨の災害での浸水は防ぐことが難しいものの、地震での浸水は防ぐことができると思います。災害時に被害を最小限にするために必要なグッズであると考えました。
○英語学科3年 中津川夏帆さん
「災害の危機を回避する防災ゲームアプリ」
~防災グッズの説明~
大学生も楽しめる防災ゲームアプリです。災害の危機を回避するゲームで、例えば、あと20分後に津波が発生すると分かったら、何を持ってどこに誰と避難をするのかということをいくつかの選択肢から選びます。正解不正解を教えるのではなく、「もし今災害が起きたら?」ということをゲームの使用者に考えてもらうきっかけにしたいと思います。
~この防災グッズが欲しいと思った理由~
防災ゲームは防災カルタなど小中学生向けの物は多くありましす。しかし、20代といった大学生が楽しみながら防災を学ぶようなゲームは存在しないと感じます。私は昨年、東日本大震災の被災者の方の声を伺うイベントを企画しました。参加した学生からは、いつどこで自分が災害に遭うか分からないということを初めて意識したという声が多くありました。また、ほとんどの参加学生がハザードマップを見たことがなく、備蓄品を用意したことがないと話していました。 私自身も、ハザードマップは正直見づらく、難しいという印象を持っています。 若者の防災意識を向上したいと考えているため、まず防災に興味を持ってもらうきっかけとなるゲームを開発したいと思いました。そのため、ゲームでは自分の地域を選択し、グーグルマップのように実際の建物を避難場所に設定することができるようにすることで若者が楽しく災害の想定を行えるようにしたいと考えます。
「大きな揺れを感知したら自動で洗濯機の元栓がしまるグッズ」
「災害の危機を回避する防災ゲームアプリ」
上智生の考えた防災グッズ、いかがでしたか?
「防災」と一言で言っても、いろいろな状況を想定して考えることの大切さにあらためて気づかされました。
防災グッズは市販されている物も様々あります。これを機にどのような物があるのか調べてみてはいかがでしょうか。
また、「こんな時どうする?」「こんな時どういう物が必要かな?」と防災の観点から生活を見直してみると、備えておくべき物が見つかるかもしれません。
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