「ちよだをつなげる女性30人」という千代田区の企画のもとで、不登校の中高生の居場所 “colorful LABO”をつくる活動が行われています。2023年2月8日、colorful LABOの立ち上げイベントが開催されました。上智大生4名がこのイベントに参加しました。その一人、矢部成美さん(英語学科1年)に当日の様子を報告していただきました。
【colorful LABO立ち上げの背景】
今回の企画の主催者で「ちよだをつなげる女性30人」に参加をしている井上淑子さんに、colorful LABO立ち上げの背景について教えていただきました。「ちよだをつなげる女性30人」の企画発表までのチーム名は「ちよ☆がく」でした。主に中高生(全般)の居場所つくりでしたが、その中でも、不登校の中高生向けの居場所を早急に作った方がいいと思い、「colorful LABO」を立ち上げました。小学校では家庭と学校の距離が近く、放課後も学童などがあるため、保護者は学校での子供の様子を把握でき、子供も自分の居場所を作りやすくなると考えているそうです。しかし中高生になると、自立が求められる中で自分の居場所を見出せず不登校になる生徒がいるといわれてます。保護者側も子供の学校や放課後での様子に目が行き届かず、疑問や心配が生まれるそうです。そこで、不登校の中高生が外部との関わりを持てる場であると同時に、保護者が安心して送り出せる場所としてcolorful LABOの企画に至ったそうです。
【居場所を考える】
私自身は、中学生の頃に不登校の同級生の力になりたいと思いつつも何もできなかったことを心残りに感じています。そのことがきっかけとなり、今回のイベントに参加しました。
今回のイベントは、不登校のお子さんがいる保護者の方や上智生が参加しました。不登校の中高生の居場所としてcolorful LABOをつくるため、ディスカッションを通して居場所のイメージを膨らませていきました。保護者がお子さんの不登校の様子を話したり、上智生が自らの不登校の経験を共有したりしました。円をつくって穏やかな雰囲気で意見交流が行われ、お互いの話に耳を傾けて「そうだよね」と共感し頷く姿がありました。
保護者の話や不登校を経験した上智生の話を聞いていると、いじめを受けて学校に行けなくなったという話や、特性により授業で席を立ったり、グループワークで困難が生じたりすることがあるなど、初めて聞くことがたくさんありました。私は小中学校で児童会や生徒会にいた経験があり、チームワークが求められる学校行事でこのように大変さを感じている生徒もいるということに気がつけていたのだろうかと自分の視点を疑いました。また、ディスカッションを通して、学校で辛い思いをしたり不登校になったりしている中高生にとってcolorful LABOという居場所があるということの意義を感じました。
【今後の予定】
井上さんは今後の活動について、まずは定期的に集まれる場所を探すべく、月に1度程度のイベントを開催したいと考えているそうです。colorful LABOによって不登校の中高生が安心して過ごせる居場所が実現できるよう、私も継続して活動に参加していきたいと思います。
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