南三陸プロジェクト2024の現地研修が10月19日、20日に開催されました。
今回は、初日の研修の様子をお届けいたします。
※2日目の様子はこちら
<1日目>
①南三陸への行き道と昼食
19日朝、全メンバーが東京駅に集い、和やかな空気で新幹線に乗り込みました。南三陸へは仙台まで新幹線で行った後、1時間半ほど高速バスに揺られるという長旅でしたが、各々これから始まる南三陸でのスタディーツアーに心を躍らせ、隣の人との会話を楽しんでいました。
南三陸に到着した後はさんさん商店街で昼食をいただきました。さんさん商店街は南三陸を存分に感じられる商店街で、南三陸で育まれた杉を使った店舗と南三陸でとれた海産物を使ったキラキラ丼が有名です。
②3.11メモリアル「いのちを想う」とまちあるき語り部
さんさん商店街で昼食を済ませたあとは、すぐ近くにある南三陸311メモリアルに行きました。南三陸311メモリアルでは、住民の方の証言や映像を基に周りの人と対話しながら学ぶことができるラーニングシアターに参加しました。私たちが視聴したのは「いのちを想う」というプログラムです。60分間のプログラムですが、体感10分で終わってしまうほど集中し、深く印象的な学びを得ることができました。動画の中で最も印象に残ったのは、安全であるはずの避難所にまで津波が押し寄せて、早々に避難を終えていた人々が大勢亡くなったというお話です。このお話を聞いた時、避難所にいるから安全だろうという思い込みとよく知った人々が同時にその場所に避難しているという安心感が更なる避難を遅らせたのだろうと感じました。ニュースで聞くだけでは知ることができない南三陸で起きた事実を、実際にその場にいらした方の生の声と共に知ることができることは非常に有意義で記憶に残るものでした。
南三陸311メモリアルでラーニングシアターを視聴した後、数人ずつ班に分かれて語り部ツアーに参加しました。この語り部ツアーでは、南三陸で実際に被災された方と町を歩きながら直接お話を伺うことができました。南三陸町防災対策庁舎からは津波の威力が果てしないものだったことが伝わり、恐怖を覚えました。遺族の方の間でもこの庁舎を取り壊すか保存するかで意見が割れたというお話を伺い、私たちがこの庁舎から学べるのも沢山の方々の思いがあってこそだと実感しました。また、南三陸が以前から津波に悩まされてきた土地であったことから、昔の人が「三人立」や「大船」といった地名を使って後世に津波の危険性を伝えようとしたというお話も伺い、地元の方々ならではの知識を共有していただけて興味深かったです。
③ホームビジット
1日目は昼過ぎから数人ごとに分かれ、南三陸の地元の方々のご自宅にお邪魔しました。各家庭によりお野菜を収穫したり、お夕飯を一緒に作ったりして、本当に実りある時間を提供していただきました。私がお邪魔したご家庭では、まず東日本大震災の実際の被害について貴重なお話を聞かせていただいたり、同年代の娘さん2人と南三陸での暮らしについてお話しさせていただいたりしました。お夕飯は畑で育てられているお野菜や南三陸の特産であるタコがメインで、どれも非常に美味しく、あたたかい気持ちになりました。特にタコは気に入ってしまい、お土産に買って帰ったほどでした。3時間という短い時間でしたが、実際の南三陸での生活を経験することができ、南三陸PJTならではの本当に印象的な時間を過ごさせていただきました。
事後学習に関して
今後、私たちは2号館1Fで南三陸の写真とパネルの展示を行います。期間は12月9日から12月16日ですので、ぜひお立ち寄りください。また、下記のQRコードから南三陸PJT公式インスタグラムにアクセスいただけますので、こちらもぜひご覧ください。これらの取り組みから、南三陸や震災・復興、第一次産業に興味を持っていただけたら幸いです。