1月8日、上智大学OBで元ゴールドマン・サックスの田中渓さんをお招きした講演会が行われたのはご存知ですか?
200人を超える学生が集まり、期待に包まれた6号館301教室。その登壇直前の貴重なお時間を割いていただき、上智学生記者クラブが単独インタビューを実現しました。
私、ほのかと12月に入会したこうき記者が現役大学生を代表して、気になることをたっぷり伺いました✨ 限られた時間の中で語られた、想像を超えるほど力強いメッセージの数々を記事にまとめました。
記事の後半では、この大規模なイベントをたった1人で成し遂げた主催者である国際関係法学科4年青木研人さんへのインタビューもご紹介します。
ぜひ最後までお楽しみください!

田中渓さんへのインタビュー
Q 「失敗しても打席に立ち続ける」強さは、学生時代に育まれたのでしょうか。また、大きな挫折をどう乗り越えましたか。
A 学生時代の私は諦めが早い方でしたが、ゴールドマン・サックスに入り、周囲の超エリートの中で自分が最下層だと自覚したことが転機となりました。
会社での失敗は「クビ」が最大のリスクであり、命までは取られません。すぐに斬られてしまう戦国時代に比べれば非常に低リスクな環境だと捉えています。リーマンショックでチームの9割がリストラされた際、自分は新人だったため、「自分がいなくなったら困るはずだ」と開き直り、ミスを恐れず動いたことが結果的に信頼につながりました。
Q 理系学生であったとのことですが、専門外で学んでおいてよかった知識はありますか。
A 歴史、言語学、脳科学、社会人類学などのリベラルアーツはすべて学ぶべきです。また、世界のエリートは日本人と比べて、自国の歴史や宗教に非常に詳しいです。こうした教養は、社会に出てから多様な人と信頼関係を築くための強力な武器になります。特に脳科学を学ぶことは大切だと思います。人間の行動原理を知っておくと、自分をコントロールしたり、人を惹きつけたりするのに役立ちます。
Q 自由な時間が多い大学生へ、これだけは習慣にすべきというものはありますか。
A 何を習慣にするかよりも、「習慣化」という技術を身につけることが一生の財産になります。「毎朝コップ一杯の水を飲む」、「毎日階段を2階分昇る」といったハードルの低いことで良いので、365日続ける自信をつけてください。
Q 吹奏楽部など、学業以外の活動が社会人になって役立った瞬間はありますか。
A 吹奏楽部時代、音楽経験がない中で周囲に追いつくため、質を凌駕する量をこなした経験は自信になりました。指揮者としての経験は、まさに仕事におけるプロジェクトマネジメントそのものです。チームの真ん中に立ち、周囲に指示を出しながら全体を動かしていく技術は、部活動を通じて学んだ大きな財産です。
Q 最後に、後輩へのメッセージをお願いします。
A 「大学院を中退した」や「やりたかった仕事に就けなかった」といったことがあっても大丈夫です。社会は開かれており、いつからでも、どこからでも何者にでもなれます。人生はいつでも取り返せることを覚えておいてほしいです。
また、就職活動のために作る「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」は必要ありません。自分が本当に熱中したことや、幼少期の悔しい経験など、自分の根っこの部分にある話を大切にしてください。小手先の経験は不要です。

青木研人さんへのインタビュー
次に、このイベントを主催された青木研人さんへのインタビューをご紹介します。
Q 今回、田中様をお招きした一番の決め手は何だったのでしょうか。
A 上智のOBの方で、世界的な規模でご活躍されている方がいらっしゃるという事実が、決め手となりました。OBでこれほど優秀な方がいるのに、お話を伺わないのは大変もったいないと感じたので、今回実現できてすごく良かったと思います。
Q この講演会を通じて来場者の方々に一番伝えたいメッセージは何ですか。
A 世界に通用する人材が、上智大学から輩出されているということそのものを、知っていただきたいと思っています。歴史上の人物ではなく、今この時代を共に生き、活躍されている先輩だからこそ、その言葉一つひとつを自分ごととして受け止めてもらえると感じています。
Q 企画するにあたって特にこだわった点や苦労された点はありましたか。
A まず、企画をすべて1人で進めたことがすごく大変でした。また、これほどの規模のイベントは、通常半年もしくは1年程前から準備を行いますが、今回のイベントは1ヶ月で実現しました。とても大変でしたが、生成AIを積極的に活用したことで、このスピード感で実現できたのだと思います。

講演会を振り返って
最後に、講演会についても少しお話しさせてください。正直な感想として、「上智生全員に全内容を共有したい!」と心から思うほど、学びと刺激に満ちた素敵なイベントでした。
イベントの構成も素晴らしく、質疑応答の時間がたっぷり取られており、「今、私たち学生が本当に聞きたいこと」に焦点を当てた運営は学生のニーズを的確に捉えていて、主催者である青木さんの力量に深く感銘を受けました。
登壇された田中さんの講演や回答は、一つひとつが未来への指針となるような貴重でためになるものばかりでした。学生のリアルな疑問に本気で向き合い、快く答えてくださった田中さんに感謝の気持ちでいっぱいです。
次に開催される際は、記者としてではなく1人の学生として必ず参加したい――そう強く感じさせられる、最高に楽しい講演会でした。

快くインタビューに応じてくださった田中渓様、ならびに貴重な対話の場を設けてくださった主催の青木研人様に、この場を借りて深く御礼申し上げます。
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2021.12.15