2021.08.30
こんにちは、れいれいです。今日は、スタートを5月17日に控えたIslam Weekについてお届けします。SSIC※が主催するIslam Weekは、学生による発案の新企画。運営メンバーへのインタビューと、プレイベントとして4月25日に行われたイフタールパーティーの様子をお届けします。
※SSIC(Sophia Student Integration Commons)は、学生センターが運営する学生の交流スペースです。異文化紹介や日本文化体験などのイベントを通じて、特に、留学生と日本人学生が相互交流できる拠点を目指しています。
Islam Weekとは?
Islam Weekでは、5日間を通じてイスラームに関する5つのイベントが行われます。運営チームは、発案者の羽田慶広さん(総合グローバル学科4年)を中心に久保田優芽さん(総合グローバル学科4年)、桑原茉央さん(法曹養成専攻1年)、久永優吾さん(総合グローバル学科4年)の4人。まず、皆さんのこの企画にかける思いを聞きました。
Q:なぜこの企画を立ち上げようと思ったのですか?
(羽田さん)学生主体で大きなイベントを成し遂げたい、という漠然とした思いがありました。1人でできることには限りがあるので、仲間を集めると同時に、SSICなどと協力して「学生と教職員の協働」の形をとることにしました。副専門分野として中東・アフリカ研究領域を学んでいるので、企画のテーマはイスラームにしました。「寛容かつ多様なイスラームの形を伝えること」「イスラームに関心がある人も、ない人も楽しめる企画作りを目指すこと」の2つを目標にしています。
Q:久保田さん、桑原さん、久永さんは、なぜ運営に携わろうと思ったのですか?
(久保田さん)私は中東・アフリカ研究領域を専攻しています。イスラームとの関わりが少ない日本には、知識不足などによるイスラームへの偏見があります。まずは多くの方に「イスラームを知ってほしい」という思いで、運営チームに加わりました。
(桑原さん)イスラームや中東の文化に興味があったので参加を決めました。これまでなじみのなかったイスラーム地域の映画に触れるなど、イベントを準備する中でイスラームに関する新たな発見がたくさんありました。
(久永さん)専門的に学んでいるわけではありませんが、中東やイスラームに関心があったので、参加を決めました。
一緒に食べて、一緒に知る、イフタールパーティー
Islam Week本番に先立って行われたイフタールパーティー。イフタール(إفطار)とは、イスラームのラマダーン(断食)後に楽しむ特別な食事のことです。4月25日の日没後、およそ30人がアクティブ・コモンズ(9号館地下1階)に集まり、イスラームの伝統的習慣を体験しました。
参加者は、東京ハラルデリ&カフェ特製のイフタール弁当を味わいます。スクリーンに映し出されているのは、トルコやパキスタンなど様々な国でイフタールを楽しむ人々の様子。イフタールパーティーを担当した久永さんは、コロナ禍で黙食が求められる中でも「皆で一緒に食べる」イフタールを再現しようと、各国の風景を上映することにしたそうです。
日中の断食の後、まずデーツ(ナツメヤシの実)で胃をならしてから食事を始めるのが伝統なのだそう。ビリヤニ(ご飯)や煮込み野菜、チキンティッカ(鶏肉料理)など、充実のお弁当でした。
食事の後は、ラマダーンに関するクイズ。「体が資本のサッカー選手も断食するのか?」という質問では、2021年のイングランド・プレミアリーグで、試合中に日没を迎えるムスリムの選手に水分・栄養補給の時間が認められたことが紹介されました。
参加者は、「日本人の学生が多かったですが、私のように海外から来た学生も参加していました。ラマダーンについてたくさん知ることができました」「実際の体験を通して文化の多様性を知ることができてよかったです。このイベントは、ムスリムの友人をもっと理解するきっかけになったと思います」など満足の様子でした。
Islam Weekには魅力的なイベントがいっぱい!
Islam Weekでは、たくさんのイベントが企画されています。ここでは、その中から2つをピックアップしてお伝えします。
映画上映
上映されるのは、イスラーム地域の映画2本。『オフサイド・ガールズ』は、女性が競技場での男性スポーツの観戦を禁止されているイランで、少女たちがサッカー観戦を目指して奮闘する物語です。
『キャラメル』は、イスラームを含む様々な宗教が共存するレバノンに生きる女性たちの愛と友情を描いたロマンティック・コメディです。映画上映会を企画した久保田さんによれば、同じイスラーム地域でも、イランとレバノンでは社会の様子が大きく異なるそう。映画という親しみやすいメディアを通じて「多様なイスラームの形」を伝えたいと話していました。
モスクツアー
約80年の歴史をもつ日本最大級のモスク、東京ジャーミイ(渋谷区)へのツアー。礼拝を見学したり、解説を聞いたりと、イスラームになじみのない人にとっては新鮮な体験になりそうです。ツアーを担当する桑原さんは、「参加する人に満足してもらえるプログラムにしたい」と話します。
このほか、東南アジアのムスリム社会などを専門とする久志本裕子先生(総合グローバル学部)への質問会や、刺繍作品の販売を通じてシリアの女性に収入の道を開くプロジェクト「イブラ・ワ・ハイト」による講演会&ディスカッションも開催予定。中東や東南アジアなど、幅広い国・地域のイスラームをカバーするイベント構成になっています。
そして、東京ハラルデリ&カフェでは、Islam Weekとのコラボ学食を楽しめます。5月16日から5日間限定で、ミーゴレン(5月16日・17日)・ミートローフ(5月18日)・ビリヤニ(5月19日・20日)の3メニューが提供されます。
おわりに
いかがでしたか? なじみのない人にとって、イスラームは、知っているようで知らない世界かもしれません。でも同時に、遠くにあるようで実は近くにある世界、とも言えそうです。Islam Weekは、そんな世界への扉を開くきっかけになるかもしれませんね。Islam Weekのイベントの一部は、事前申し込み制です。詳細・予約方法は、LoyolaやFIND SOPHIAをご覧ください。
【Islam Week開催概要】
期間:5月17日〜21日(コラボ学食は5月16日~20日)
主催:SSIC
企画:学生有志
後援:総合グローバル学部・上智大学イスラーム地域研究所