2024.08.30
2024.08.30
令和3年度「世界青年の船」事業の参加報告の第3回は、喜多唯千香さん(地球環境法学科4年)からです。喜多さんは、環境問題のコースディスカッション、オーガナイザーとして関わったワークショップ、最後に、自主企画の香港問題について学ぶ会について報告します。
環境問題コースでは、今年度世界青年の船事業の共通テーマになっているSDGsの中から目標7、11、13に焦点をあて、1日目は世界の環境問題、2日目は各国のエネルギー問題、最終日の3日目は未来のまちづくりについて、ディスカッションを行いました。以下、それぞれのディスカッションについて、具体的に紹介します。
まず、1日目はゲストの専門家の方からSDGsと環境問題についての基礎知識と、ファシリテーターの出身地であるバーレーンにおける気候変動への取り組み “Bahrain’s Climate Connection Champions Program” について学びました。その後、グループに分かれて、気候変動が及ぼす影響について議論しました。
2日目は、各グループが事前に配られていた再生可能エネルギーの導入例を用いながら、エネルギーの可能性について議論しました。私のグループは中国における洋上太陽光発電の導入例を参考に、どのような条件下ならば導入可能か、一般化の可能性はどれほどあるか等について意見を交わしました。
3日目のテーマは「未来のまち」でした。これまでの議論を踏まえ、理想の町を描き、発表し合いました。空飛ぶ車や水上都市等、各自が思い描く街について自由に生き生きと話していたのが印象に残っています。
環境問題コースでの活動を経て、環境問題に関する知識が豊かになったのはもちろんですが、特に重要な収穫は、これまで自分が持っていなかった視点から問題を捉えることができたことだと思っています。例えば、太陽光発電について議論していた際にオマーンの学生から挙げられた、砂による発電機器維持の困難さ。水上都市について議論していた際に海洋大学で学ぶ学生から挙げられた、海の生態系への影響等です。これらは、環境問題を法律の観点から学んでいる私にとって、どれも新鮮で興味深い視点でした。多角的な視点から問題について議論できることは、世界各国から多様なバックグラウンドを持った青年が集まる青年の船事業ならではの魅力であると感じています。
続いて、私がオーガナイザーとして携わったワークショップについて紹介します。私たちのグループは、“Let’s Write Your Name in Japanese Characters!” というワークショップを行い、参加青年に日本語での名前の書き方を教えました。
オーガナイザーとのコミュニケーションがオンラインに限られる他、文化の異なる青年相手に教えるということで、難しい点も多くありました。特に、名前の漢字を考えるために事前申し込み制にしていたにも関わらず、当日参加者11人中8人が申し込みをしていなかったハプニングには焦りました。しかし、ブレイクアウトルームに分かれて実際に教える際には、各オーガナイザーが参加青年の日本語力、人数等を考慮して、カタカナのみ教える、その場で漢字を調べて教える等、工夫してやりきることができました。とっさの判断力、マネジメント力を鍛える良い経験になったと思います。下の写真は、最後に参加青年全員で実際に書いた名前を見せているところです。笑顔が輝いています。
私はプログラムの期間中、自主企画として「環境問題勉強会」と「香港問題について話す会」を開催しました。
「環境問題勉強会」は環境問題コースのメンバーの中で、環境問題に関する知識、経験等をもつメンバーが、環境問題初心者のメンバーに教える、というものです。私は環境法を学んでいるので法的側面から見た環境問題、海洋大学の青年は環境問題が海洋生態系に与える影響、自動車関連の企業で働く青年は自動車と大気汚染についてそれぞれ紹介しました。「香港問題について話す会」は、私が2019年の香港抗議活動中に香港留学をしていた経験を持つことから、香港問題の原因、衝撃的な経験、報道と現実の違い等について、現地で撮った写真と共に紹介するイベントです。
他にも、ジェンダー問題に詳しい青年は「夫婦別姓について考える会」、留学経験を持つ青年が開催する「留学について話す会」等、プログラム期間中や終了後の現在でも、各青年が強みを活かして企画をしています。世界青年の船事業は年齢も背景も異なる青年が集まるプログラムであるため、このように多様なトピックに触れることが可能です。好奇心の幅が広い人にとって、大きな魅力だと感じています。
以上、3回に分けて令和3年度「世界青年の船」事業について報告しました。少しでも事業に興味を持っていただけていたら幸いです。もっと知りたい! という方は、ぜひ内閣府のホームページをチェックしてみてください。ソフィアンの挑戦をお待ちしております!
内閣府HP : https://www.cao.go.jp/koryu/
制限の多い大学生活の中で、積極的にアクションを起こし、刺激的な学びの機会を得た皆さん。参加してみたいと興味を持った方も多かったのではないでしょうか。自由なココロで自分に合う経験を大学時代に重ねていくことを願っています。
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それでは次回の発見もお楽しみに。
2024.08.30
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