「上智・学生チャレンジ支援金制度」!
2021.12.23
「上智・学生チャレンジ支援金制度」!
2021.12.23
読書は知性の筋トレであり、最も手軽な旅でもあり、時には人生を変えることも。各学部の先生から3 冊ずつ「学生時代に出会ってほしい本」を紹介します。価値観を揺るがす学術書から不朽の文学まで。まずは一冊、読んでみては。
(大学手帳『SOPHIANS’ DIARY 2022』より転載)
神学部神学科 角田佑一先生
『ロヨラの聖イグナチオ自叙伝』
聖イグナチオ・デ・ロヨラ 著/アントニオ・エバンヘリスタ 訳/李聖一 編、ドン・ボスコ社
イエズス会の創立者イグナチオ・デ・ロヨラの求道の生涯は、私たちに生きる指針を与えてくれると思います。
おすすめ2│『死者の書・口ぶえ』 折口信夫、岩波文庫
おすすめ3│『風姿花伝』世阿弥 著/野上豊一郎・西尾実 校訂、岩波文庫
文学部 フランス文学科 永井敦子先生
『銅版画のマチエール』
駒井哲郎、美術出版社
銅版画の材料や技法をめぐる淡々とした語りが、倫理になり、文学になり、遺言にもなっている、稀有な本です。
おすすめ2│『永瀬清子詩集』永瀬清子、思潮社
おすすめ3│『沼地のある森を抜けて』梨木香歩、新潮文庫
総合人間科学部 心理学科 齋藤慈子先生
『利己的な遺伝子(40周年記念版)』
リチャード・ドーキンス 著/日高敏隆 他 訳、紀伊國屋書店
自己増殖するという生物の一特徴から、われわれヒトの攻撃行動や利他行動等の解説を試みた有名な古典。適応万能主義に注意しつつ、一度は読んでもらいたい。
おすすめ2│『わたしを離さないで』カズオ・イシグロ 著/土屋政雄 訳、ハヤカワepi 文庫
おすすめ3│『路傍の猫』津田明人、メディアファクトリー
法学部 法律学科 富永晃一先生
『若者と労働:「入社」の仕組みから解きほぐす』
濱口桂一郎、中公新書ラクレ
本書は、現在の種々の労働問題の根本にある日本の雇用慣行の特徴をとても明快に説明しています。これから就活という方にも参考となると思います。
おすすめ2│『人間の本性を考える:心は「空白の石版」か(上・中・下)』スティーブン・ピンカー 著/山下篤子 訳、NHK ブックス
おすすめ3│『銃・病原菌・鉄:一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎(上・下)』ジャレド・ダイアモンド 著/倉骨彰 訳、草思社文庫
経済学部 経営学科 若林利明先生
『グレート・ギャツビー』
フィツジェラルド 著/野崎孝 訳、新潮文庫
1920年代の狂騒の米国を具現化したかのような20世紀文学の金字塔。ギャツビーの生涯を読み解く中で、読者自身の「内奥の二面性」にも気づかされるでしょう。訳は野崎孝がオススメ。
おすすめ2│『星の王子さま』サン=テグジュペリ 著/内藤濯 訳、岩波文庫
おすすめ3│『ダロウェイ夫人』ヴァージニア・ウルフ 著/丹治愛 訳、集英社文庫
外国語学部 イスパニア語学科 松原典子先生
『名画を見る眼』
高階秀爾、岩波新書
西洋美術鑑賞のための手引書は数あれど、初版刊行から半世紀余を経ても、内容の豊かさ、文章の明晰さという点で卓越した古典的名著です。
おすすめ2│『イスラーム文化:その根柢にあるもの』井筒俊彦、岩波文庫
おすすめ3│『選択の科学:コロンビア大学ビジネススクール特別講義』シーナ・アイエンガー 著/櫻井祐子 訳、文春文庫
総合グローバル学部 総合グローバル学科 Augustine Sali先生
『シッダルタ』
ヘルマン・ヘッセ 著/手塚富雄 訳、岩波文庫
私自身が学生として読んだものの一冊。20 世紀ドイツの作家ヘルマン・ヘッセの小説。わりと小さい小説ですが、人生の旅における様々な葛藤が描かれます。ヘッセの文章力と東洋哲学的深みで美しい。自分の道を歩む中で何が大切かについてヒントを与えるかもしれません。
おすすめ2│『預言者』カリール・ジブラン 絵・文/佐久間彪 訳、至光社
おすすめ3│『暴力の人類史(上・下)』スティーブン・ピンカー 著/幾島幸子・塩原通緒 訳、青土社
国際教養学部 国際教養学科 Bettina Gramlich-Oka 先生
『性ジェンダー差の日本史』
国立歴史民俗博物館 監修/「性差の日本史」展示プロジェクト 編、集英社インターナショナル新書
3冊とも同じような問題を取り上げ、差別の複雑さと歴史性を強調しています。男女差別だけでなくどんな差別も廃止できるという希望を与えてくれます。
おすすめ2│『Die Wahrheit über Eva: Die Erfindung der Ungleichheit von Frauen und Männern』Carel van Schaik ・Kai Michel、Rowohlt Verlag
おすすめ3│『女性差別はどう作られてきたか』中村敏子、集英社新書
理工学部 情報理工学科 荒井隆行先生
『生物多様性と地球の未来 :6度目の大量絶滅へ?』
ジョナサン・シルバータウン 編/太田英利 監訳/池田比佐子 訳、朝倉書店
生物多様性は地球環境に直結することはもちろんのこと、あらゆる「ダイバーシティ」にもつながるもの。今一度、その意味について考えるきっかけを与えてくれる一冊。
おすすめ2│『閉じこめられた僕:難病ALS が教えてくれた生きる勇気』藤元健二、中央公論新社
おすすめ3│『ロウソクの科学』ファラデー 著/竹内敬人 訳、岩波文庫
基盤教育センター 身体知領域 吉田美和子先生
『血と砂と祈り:中東の現代史』
村松剛、中公文庫
中東現代史の複雑な世界が、仏文学者でありながら、アイヒマン裁判の傍聴をきっかけにこの地に深くのめり込んでいった著者の語りによって熱く紐解かれ、その熱がやがて、思いもよらぬ遠い場所まで自分を旅立たせた一冊。
おすすめ2│『神話の力』ジョーゼフ・キャンベル、ビル・モイヤーズ 著/飛田茂雄 訳、ハヤカワ文庫NF
おすすめ3│『Sensing, Feeling and Action: The Experiential Anatomy of Body-Mind Centering』Bonnie Bainbridge Cohen、Contact Editions
2021.12.23
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