こんにちは、れいれい&Nikoです! 今回私たちがインタビューしたのは、上智で働く職員のお二人です。大学生の私たちにとって1番身近なお仕事の1つとも言える「大学職員」という職業ですが、どんな方々がどんなお仕事をなさっているのか、考えてみたことはありますか? 学生センターや学事センターは、比較的身近かもしれませんね。でも、職員の皆さんがいらっしゃる部署は、それだけではないんです!
そこで今回は、こちらのお二人にお話を伺いました。若手ということもあり、お二人ともとても親しみやすくお話し下さいました。
次に、お仕事のイメージを大まかにつかんでおきましょう。お二人に「とある1日」のスケジュールを伺いました。
ちなみにお昼休みの過ごし方は、「①お弁当、②セブンやアトレで購入、③外へ食べに行くの3パターン」(中野さん)なのだそう。11時半から12時半と、学生の昼休みとは1時間ずれているためお会いすることは少ないですが、「お弁当を持ってきた日は2号館学生食堂やアクティブ・コモンズで食べることも多い。」(齋藤さん)とのことです。
それではお待ちかね、インタビューの内容に入っていきましょう。お仕事のことはもちろん、学生時代の活動や学生の私たちへのメッセージなど、盛りだくさんの内容です!
齋藤璃央さん
まずは、経理グループの齋藤さんのお話から。実はインタビュー前、「大学の経理」と聞いても今ひとつピンとこなかった私ですが、ウェブサイトで公開されている学校法人上智学院の「2020年度 事業計画」を見てびっくり。年間の予算は500億円近い大きな金額で、これだけでも経理のお仕事の重要性が分かると思います。齋藤さんは、大学時代には教育学部で学ばれたそうで、大学で働こうと思ったきっかけも伺いました。インタビューは2020年10月12日に行いました。
—まず、経理グループについて教えて下さい。
経理グループは15人で構成される部署で、13号館にあります。仕事は予算業務・決算業務の2つに分かれています。私が担当する予算業務は、上智学院の予算計画を立て、実際に予算の管理をする仕事です。私は特に、教員の研究費管理や来年度の予算策定準備・査定に携わっています。また、予算チーム・決算チームの共通のメイン業務として、日々たくさん送られてくる伝票の処理があります。学校法人の会計基準で定められている内容に合っているかを確認するなど、学院のお金の流れの透明性を保つ重要な業務です。
—「経理」と聞くとルーティーンワークの印象をもつ人も多いと思うのですが、いかがですか?
学生の皆さんから見ると、そのような印象が強いかもしれませんね。でも、実はいろいろなことをしていて、ルーティーンという感じではありません。常に新たなことが起きますし、時勢に合わせた改革も必要です。例えば新型コロナウイルスの流行下では、紙の伝票処理が課題になりました。そこで経理グループでは、伝票の電子化や、脱ハンコ等を検討しています。日々多様な業務に取り組む中で、日々成長を実感しています。
—なるほど。新たな発見でした。お仕事で、グループを超えた繋がりはありますか?
教職協働・職員協働イノベーション研究プロジェクトは、部署の違いや教員・職員の垣根を超えた活動です。学院をより良くするためのプロジェクトが様々あり、私は去年、若手職員から学院に対して改善点を提案しよう、というプロジェクトに参加していました。若手職員の働きやすさ、職場の風通しの良さ、働き方改革などをテーマにしていました。このプロジェクトに参加して、大学は様々な立場の人の協力で運営されていて、職員として多様な形で大学に貢献することができると気づきました。やりたいという気持ちがあればいろいろなことができる点は、上智で働く良さの一つだと思います。
—教育学部で学ばれたとのことですが、大学で働きたいと思ったきっかけを教えて下さい。
始めは、中学校や高等学校の教員になることも考えました。ただ、生涯学習を専攻していたので実習で公民館の運営に携わる機会があり、そこで「学びの“場”を支える」ことのやりがいに気がつきました。その“場”を利用する人全体に貢献できることに魅力を感じ、「教育の基盤づくり」に携わりたいと思うようになりました。特に大学は、「学生が自分のニーズに基づいて主体的に学ぶ場所」であり、学生のその後の人生に一番影響力のある“場”です。大学職員は直接的に学生に何かを教えることはありません。でも、学生が学びたいと思う場を支え、人生の選択肢を増やしていくことができる重要な職業だと考えています。
—お仕事のやりがいを教えて下さい。
経理業務は、大学職員の業務として皆さんが1番に想像するものとは少し違うかもしれません。ですが、「大学を根本から支える柱でありたい」と考えていた私にとって、経営基盤という大きな柱を支える力になれていることは大きなやりがいです。限られた財源の中で、どの計画・部署にどの位の予算を付けるかは大学の一進一退に関わることでもあり、それによって大学での教育の質も変わってくると考えています。
—今後の目標は何ですか?
就職すると、いろいろな人と関わることで関心が広がり、学ぶ意欲も湧いてきます。経理グループの仕事では、学校法人の会計基準や研究費の管理で関わる企業・団体のルールなど、覚えることがたくさんあるので、もっと成長したいと思います。また、教職協働・職員協働イノベーション研究プロジェクトにはより活発に参加したいと思っています。学生の頃は、「就職がゴール」という感じがするかもしれません。でも、むしろ就職はスタートです。皆さんも、恐れずやりたいように楽しんで下さい。
—学生読者へのメッセージをお願いします。
私もそうでしたが、学生の時は「社会人はこうあるべき」というイメージに自分が合わないと不安になることがあるかもしれません。でも、「こうあるべき人」という正解はないので、不安になる必要は全くありません。それぞれが自分の得手不得手やオリジナルのやり方を最大限に発揮して補い合っていることを日々実感しています。皆さんのできること・やりたいことを活かして働けば絶対に活躍できると思います。皆さんが自分に合う場所や役割を見つけて、自分らしく働けるよう願っています。
中野冴子さん
中野さんと初めてお会いしたのは、「若手職員と話そう!」のイベント。今回は1対1で取材をさせて頂いたのですが……取材、というよりもお話が楽しくて! 普段の過ごし方や好きなことについてもお聞きしましたが、中野さんは明るく気さくに答えてくださいました。好きなアーティスト(伺ったところ、Nissy!)の話や、今は行けないけれどリフレッシュとして富士急に行きたい! というところから絶叫系の話でも盛り上がりました。
事前にメールにて質問し、頂いていた回答と交えつつお伝えしていきたいと思います! インタビューは、2020年10月14日に行いました。
—総務グループのお仕事はどのようなものか教えてください。
総務グループでは、行事(入学式や学位授与式など)、会議体、規程、秘書などの業務を行っています。私が担当しているのは、以下のとおり、主に役員・副学長の秘書業務と会議体業務です。
<秘書業務>
先生方はとても多くの会議、委員会、打ち合わせ、ワーキンググループに出席されます。また個別の面談希望も多くあり、それぞれの日程調整を行います。また、副学長宛てに提出される願書や資料などを取りまとめ、承認が下りると回答文書の作成などを行います。
<会議体事務局>
3つの会議を担当しています。
- 学院全体に関わることについて、審議・報告する会議の議案・資料取りまとめ
- 各部署に関わることについて、協議・報告する会議の議案・資料取りまとめ、同席し議事録作成
- 大学の取り組みに関することについて、協議・報告する会議の議案・資料取りまとめ、同席し議事録作成
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2年目まで所属されていた言語教育推進室の事務室は、6号館の5階。ちょうどソフィアタワー使用開始の年から、そこでお仕事をされていたそうです!
上智の好きな場所を尋ねると、この6号館、そして13号館6階とソフィア通りだと教えて下さいました。普段学生は入れませんが、13号館6階からは迎賓館や新国立競技場がとってもきれいに見えるそうです! ソフィア通りは、桜の時期最高にきれいで、少し遠回りになっても通りたくなる場所ですよね、と。
—職員として大学で働かれる中で、大学そのもの、また大学職員のイメージについて、学生のころと比べて変わりましたか。
大学そのものについて、大学には様々な業務があり、それら全ては教員と職員との協働(教職協働)によって成り立っているということに気付きました。正直、学生時代には学事センター、グローバル教育センター、キャリアセンターの窓口にしか行ったことがなく、職員の方々は履修登録、留学、就活に関わる業務をしているのだろうなという表面的なことしか考えていませんでした。また、先生方とは講義で接するくらいであったため、大学運営において、どのような関わり方をしているのか具体的なイメージは持っていませんでした。入職1・2年目に語学科目のカリキュラムを担当した際には、開講する科目に関するあらゆることについて先生方と相談しながら業務を進めていました。教員と職員それぞれの立場から意見を出し合い、一緒に授業運営をしているという感覚でした。現在の業務においても、様々な部署との打ち合わせを調整する際に教職員が一丸となって取り組んでいるということを実感します。
大学職員という仕事に対してのイメージは、若手のうちはあまり挑戦する機会がないかもしれないと思っていましたが、初年度から多くのことに挑戦することができました。1年目には、学生時代に参加した留学プログラム(Sophia AIMSプログラム)の学生調査のためタイへ出張に行きました。2年目にはベトナム、3年目にはアメリカでの入試広報活動に立候補し、実際に出張に行きました。上智大学について関心を持っていただくために自分自身の知識を増やしたり、プレゼンの練習をしたりと大変なこともありましたが、とてもやりがいのある業務でした。上智では学生時代と同じように職員としても様々なことに挑戦できる環境があると感じました。
—立候補制で、海外で入試広報活動もあるのですね! その時のことについて教えてください。
アメリカ(ロサンゼルス)での広報活動は、他大学の方々と一緒に現地高校訪問や説明会を実施しました。最初の数日間、上智からの出張者は私一人だけであったため、かなり緊張しながらも、自分がきちんと大学の魅力を伝えるんだという強い責任感を持って挑みました。現地校では、日本語の授業を受けているなど、特に日本に興味を持っている高校生に向けて、上智大学の紹介や英語プログラムなどの説明をしました。またホテルの会場を借りて、現地で暮らす日本人の高校生とその保護者に向けてもお話ししました。
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中野さんは上智の外国語学部英語学科を卒業されています。そこでお聞きしてみたいのが……
—中野さんはどのような大学時代を?
留学とアルバイトで充実した4年間の学生生活を過ごしました!
2年生の秋学期にSophia AIMSプログラム(本学の提携大学であるASEAN諸国4カ国名門7大学のいずれかで、各大学が提供する様々な分野を1学期間、英語で学ぶことができるプログラム)に参加し、タイのバンコクにあるチュラロンコン大学に1学期間留学しました。異文化理解を目標として掲げ、タイの歴史や文化、東南アジア文化について学びました。東南アジア諸国から同じプログラムで参加している学生とも仲良くなり、とても充実した生活を送ることができました。3年生の春学期にはオーストラリアのメルボルン大学に1学期間交換留学をしました。英語力向上を目的にハイレベルな授業を受講し、日々大量の課題に追われていた思い出があります。
アルバイトは色々なものをしましたが、一番楽しかったのは、3年生の秋から始めた成田空港での仕事です。様々な国の方々と関わることができ、とても刺激的でした。中国の方とお話しできるようになりたいと思い、大学で中国語の授業を取って勉強もしました(第2外国語としてイスパニア語を履修し、留学がきっかけでタイ語も履修していました)。
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外国語、すごいですよね⁉ 語学を学ぶ上での秘訣を尋ねたところ、話せるようになりたいという思いと興味を持つこととのことでした。すごく見えるのは数の多さだけ、と笑顔でおっしゃっていましたが……素敵です! しかも中野さんは連続して2か国に長期留学をされた初めての学生だったようで! この時、職員の方々が、海外滞在中に次の留学の手続きをどのように行えば問題が生じずに進められるかを一緒に考え、サポートしてくださったことがきっかけで大学職員を志望したそうです。
「私が大学職員を志望した一番大きな理由は、『学生の挑戦をサポートしたい!』という思いからです。私にとって留学が大変貴重な経験になったように、おそらく多くの方にとって学生時代の経験や挑戦は、人生において大きく影響を与えるかけがえのないものとなります。学生が主体的に考え、何かに挑戦したいと思った時にその挑戦を実現できるようサポートできる仕事に携われたら嬉しいなと思い、大学職員になることを決めました。」
—最後に、学生・読者へのメッセージをお願いします。
学生の皆さんは職員の仕事に対してどのようなイメージを持っていましたでしょうか? 今回の記事を通して、少しでも大学職員という仕事に関心を持っていただけたら嬉しく思います。現在私が担当している業務では、学生と直接関わることはほぼありませんが、学生の皆さんに上智で学べてよかったと心から思って卒業してもらえるようにという気持ちで日々業務に取り組んでいます。ぜひ素敵な学生生活を過ごしてください!
終わりに
いかがでしたか? 今回のインタビューで、様々なお仕事を担当する皆さんの力で大学が運営されていることを再確認できたように思います。もっとたくさんの職員の皆さんにお話を伺ってみたいですね。
そして、お二人とも学生の私たちに向けてとても温かいメッセージを下さいました。いろいろなことに挑戦して学生生活を思う存分楽しみたいと思いましたし、お二人の姿から明るい社会人ライフも垣間見ることができました。齋藤さん、中野さん、本当にありがとうございました!