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上智学生記者クラブ通信

#129 Moodle担当者インタビュー オンライン授業後の裏側に迫る!

2021.08.30

こんにちは! みりんです!
突然ですが、皆さんの生活に欠かせないものはなんでしょうか?
……私は食事・睡眠・Moodle(ムードル)!

えっムードル?! 学生の方は納得できるかもしれませんが、そうでない方はムードルと聞いてもピンと来ないかもしれません。

ムードルとは

ムードル(Moodle)はModular Object-Oriented Dynamic Learning Environment(モジュラーなオブジェクト指向ダイナミック学習環境)の頭字語で、オーストラリアのマーチン・ドウギアマスさんによって開発されました。非常に長いうえによく分かりませんよね(笑)。

ロゴはこんな感じです。
改めて見ると可愛らしいですね!

では、もう一度ご説明します。

ムードルとは教育者のオンライン学習過程作成を助ける無料の学習支援ソフトで、上智大学ではそれをインストールして利用しています。もちろん、国立や私立問わず日本中、世界中の多くの大学で使用されています。
他の大学では学部やキャンパスごとで異なるソフトを利用するケースが多いようですが、上智大学は学部生・院生ともに1つのキャンパスで学んでいるため、利便性を考慮してムードル1つに限定しているそうです。導入されたのは2004年頃のようですが、当時は利用に応じてその都度申請する形を取っており、その面倒さのためか2012年以前はほとんど使われていなかったらしいです……。

しかし、現在では課題の提出はもちろん、オンライン授業に移行してからは、授業を受けたり、小テストを受けたりなど私達学生の生活には欠かせない存在になっています。

……そこで今回はムードルを管理する情報システム室の生熊さんにZoomにてインタビューさせていただきました。お忙しい中、本当にありがとうございました。

生熊さん

――オンライン授業後の変化について教えてください。

以下のグラフに沿って説明します!

①ムードル利用者・利用率の統計表

②ユニークログイン数とコース作成数のグラフ

①のグラフの1番左に示されているログイン数とは全てのログイン数を集計したものです。
ユニークログイン数とは半年に1回でもログインしたら集計されるもので、何パーセントの人が利用しているかを示します。オンライン授業が開始された2020年4月から10月の数は16,642人でした。短大や院生等を含めた全ての学生数、そして教授を含め約17,000人いるため、この半年間でムードルを使わなかった人はほぼいないことになります。
最も右に示されているコース作成数も4,000以上と非常に多いです。オンライン授業後は小テスト用など細かなコースも作成されたため、圧倒的に増えました。

②の統計で見ると変化がよくわかりますね!
私は1日に何回もログインするのですが、その全てが集計されているとは驚きました~。
利用率もほぼ100パーセントですね!
さすがオンライン授業といった感じでしょうか。

――ムードルは他の大学でも使われていますが、上智ならではの内容はあるのでしょうか。

特にはないです、というかできないです。ムードルとは無料ソフト・サービスであり、それをインストールして使用しているため、変えることはできます。ですが、変えると本家もどんどんアップデートされてしまい本元がそのまま使えなくなります。例えば、機能の拡張を入れすぎると1年1回のアップデートが使えなくなってしまうんです……。

上智のログイン画面

個人的にはオリジナル要素に少し期待してしまいました(笑)。
やはり他の大学、そして世界でも利用されていることを考えると違いがあるのではないかと気になってしまいます! もし他大学の知り合いでムードルを利用している人がいたら見せてもらおうかなと思います。

――ムードルの管理にはどのような苦労があるのでしょうか。

先ほど述べたように、アップデートやカスタマイズが便利だとわかっていてもできないことです。それが非常に悩ましいです。他の大学ではムードルを全学で使わずに学部やキャンパスごとで利用するため、その需要に応じて最適化できます。しかし、上智大学では全学で利用しているため、一方の需要に合わせると一方は不便になってしまいます。これをマッチポンプといいます。特にオンライン授業後は利用が増え、高解像度のデータや重いファイルを上げたいという教授がいます。その要望に応じて容量を増やすと学生もそれをダウンロードしなくてはなりません。そうするとデータの使用料や通信料が増えますよね? ですが、実際の通信環境は様々です。皆が通信環境や器具に恵まれているわけではありません。必ずしも機能を上げればいいわけではないのです。そのように、それぞれの利害関係を考慮し、バランスを取るのが難しいです。

こうした苦労があるんですね~。
公正さを維持する難しさを知りました。

――オンライン授業が始まってからの苦労はありますか。

サーバー増強のための機械の入れ替えですね。数千万円かかりました。オンライン授業になると決まった4月のうちに導入を決めたんです。新型コロナウイルスの影響で飛行機が飛ばないことや受注生産製品のため納品に2か月かかることを考慮し、別のプロジェクトで使おうとしていた機材をそのまま使用しました。その別のプロジェクトとは「ソフィアメールシステムの変更」なんです。こっちは6月の頭に実施する予定でしたが、8月に延期しました。プロジェクトが2か月中断されたんです。全部やり直しになりました。裏ではそういうことをしていたんですよ(笑)。

これですね!

皆さんは8月にソフィアメールのログイン方法が変更されたのを覚えていますか? 裏側ではこうしたドラマがあったんですね~。

――最後に、ムードルの利用時において学生が気を付けるべきことはありますか。

次学期の授業開始までは現在受けている授業のコースを抜けないで欲しいです! ムードルのトップ画面にも赤文字で大きく書かれているのですが……。というのもムードルはロヨラと全く連動していないんです。もし抜けてしまったら成績がつけられず、評価がF(落単)になる場合もあります。そうすると成績の付け直しなど、とにかく大変なことになります。確かに連動しているとスムーズですがね。そうした要望は特に先生から言われますが、どうしてもできないんです。

ホーム画面でよく見るやつですね!

ロヨラとムードルが連動していないため、確かにちょっと面倒な時はありますが
とにかく登録したコースは成績が出るまで抜けない! 私なんか昨年度のコースも抜けてなかったりしますが(笑)。

次は記者クラブメンバーのムードル利用時の工夫を見ていきましょう!

「お気に入りはHOMEのページではなくダッシュボードを登録しています!」
(さあや記者)

「ダッシュボードをスクショして課題の締め切り日を確認しています! ここに記載されない課題もあるので要注意ですが……。」
 (あみこ記者)

「プロフィールのアイコンに顔写真を入れています! 顔が見えると先生や学生との親しみが生まれる気がします~。」
 (れいれい記者)

「プリファレンスの設定を自分なりに工夫しています。例えば、通知プリファレンスをオンにしてムードルにログインしていない時もフィードバックをメールで確認できるようにしています!」
 (まおな記者)

プレファレンスはこの画面になります
まおな記者の設定

「フォーラムは全部をオンにしてしまうと通知が多すぎて逆に困ることもあるので調整は大事です!」
(まおな記者)

なるほど~。どれもすぐに試したくなるものばかりですね!

オンライン授業になってからは使う機会が増えたため、多くの方が工夫を凝らしているのではないでしょうか? ちなみに私は見るべきオンデマンドの授業や課題を紙にメモして管理しています。非常にアナログな方法になりますが、自分には1番合っている気がします(笑)。

最後に

現在、ネット環境や勉強方法等、立場を問わず多くの方が模索されていると思います。
しかし、裏では情報システム室の皆さんも苦労されてきました。そして日々、公平かつ円滑なオンライン授業のために私達を支えてくださっています。その働きに感謝しつつ、今後もムードルを上手に利用していきたいですね!

ではまた!

みりん
名前
みりん
所属
総合グローバル学部 総合グローバル学科
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教授がすごい人ばっかりなところ