いよいよ今日から師走。もう2021年も終わるの……? と思わずにはいられませんね。忙しくなる束の間の息抜きに是非Sophia Topicsを読んでみてくださいね🎶
今回はタイトルの通りとあるゲストにお越しいただいている回なのですが、その前に少しこの記事を書くに至るまでの経緯を。
我々上智学生記者クラブは学生目線で大学のことや上智生のことを日々発信している訳ですが、その時ふと思いました。
「上智生と大学、はたまた上智生同士を繋ぎ情報発信を担っている学生記者クラブの一員として、先輩記者にお話を聞きたい……!」と。
私はまだ新米記者で取材のいろはも体得しきっておらず、難しいと感じることばかり。さらには、上智生の皆さんの中にも将来記者として活躍したいと思っている方も多いのでは……?
こうした感情が渦巻く中、こう思わずにはいられませんでした。
「これはプロに取材させて頂きたい……!」
こんな勢い余って、としか言いようのない取材を快諾してくださったのはこちらのお二方です。
【秋吉 圭さん】
文学部新聞学科を2019年3月に卒業後、文学研究科新聞学専攻に進学し、2021年3月に修了。今年の春からPR会社に勤務されている。ゼミから院にかけてPRを研究されていた。上智学生記者クラブの創始者の一人。
【磯貝 映奈さん】
文学部新聞学科を2019年3月に卒業後、毎日新聞社に記者として就職。現在、福島支局にて勤務されている。在学中は上智新聞にも携わっていた。
後述しますが、やや緊張気味の私にも優しく明るく接してくださるとっても素敵な先輩方でした。
では早速インタビュー!!
—どうして今の職業を選ばれたんですか?
磯貝さん)
新聞学科を選んだ理由もここにあるんですけど、昔から活字が好きでした。
新聞の「その日あった出来事が形として残る、物に刻まれていく」というシステムが面白いなと思っていて。そう考えると、記者は自分も歴史を刻んでいく人になれる。今はネットで検索すれば情報が見つかるし流し読みしていく時代だけど、それって勿体無いなあと。形に残せるメディアって新聞くらいなんじゃないかな。もちろんそれぞれのメディアに善し悪しがあるけど。
だから、テレビの記者とかはあまり考えていなくて。人生で一度はやってみたい職業の内の一つが新聞記者だったというのもあります。
秋吉さん)
自分自身の選択の根源として、海外サッカーのマイナークラブが好きという気持ちがありますね。普通にクラブを追おうと思っても、日本語のニュースも無ければテレビでも見られない。自分でインプットするのだけでは勿体無いから自分からも発信したいと思って、高校の時から文章を通して情報発信をしていました。
ゼミの専攻や就職先を選んだ理由にも、サッカーという自分が楽しいと思っているものをみんなに分かってもらうための手段となるのがPRだと考えたからですね。学部で勉強する内に興味深いなと思い大学院まで進みました。
なので、今やっていることの全てが何に繋がっているのかと聞かれるとサッカーになりますね(笑)。
—学生時代で印象的な経験や、振り返ってみると今に繋がっていると感じるエピソードがあれば教えてください。
秋吉さん)
無い!!
こういうと頭良い人みたいなんですけど……進路については逆算して考えていて。メディア系の仕事で食っていくんだ、という気持ちがあってそれが変わらなかったんですよね。PR会社という環境でも、PRを大学で専門にして勉強していたという人はあまりいないんです。なので、自分が大学でPRを研究テーマとしていたということは大きな強みになっていますし、もともと広報学会にコネクションがあったこともアドバンテージと言えますね。
ただ、例えば礼儀作法なんかを始め、むしろ社会に出てみて足りないなと感じることも沢山あります(笑)。
磯貝さん)
学生時代だと陸上の追っかけをしていたり本や新聞を読んでいたり……(笑)。
色々な所に足を運ぶことやその先々で人と繋がることは積極的にやっていましたね。現場に足を運んでみるっていうのは好きでやっていたことだけど、考えてみると記者としての今に活きているかもしれないなと思います。
また、今の仕事って人と会って、人の話を聴くことが基本なんですよね。学生時代に色々な所に遊びに行っていたことで取材の際の話題づくり、話のネタにもなっている気がします。
—仕事の中で楽しさや難しさを感じる時はどのような時でしょうか?
お二人)
全て!! 毎日!! (口々に)
秋吉さん)
本当に忙しいです(笑)。ただ、PR会社が忙しいということは分かって入社してはいるので、思っていたのと違うみたいなのはあまり無いですね。
PR会社に入っているのにコミュニケーションが苦手だとかなり大変だと思いますけど(笑)、僕はコミュニケーション取っていくのが辛いみたいなことも全く無いですね。
色々なクライアントさんと幅広い業務に携わることで勉強にもなりますし、本当に色々な事が出来ているのでやっていて楽しいですね。そういう意味では刺激的な日々を送っています。
まあ1年目は楽しいとか感じる前にとにかく経験を積むみたいな所はあるんですけど(笑)。
磯貝さん)
一言で言えば「充実している」に尽きますね。きついことや、上手くいかないことも含めて。ようやく福島での3年目の生活にも慣れてきました。仕事においてもコツが掴めてきた段階で、得意不得意の特性も分かるようになってきた。少しだけ軌道に乗り始めた時期ですね。
世の中では毎日違うことが起きていて、日々動いて行く。なので、毎日いろんな現場で、全く違うジャンルの方々とお話をしています。記者って色んな方とお会いする中で自分の知見も広げることが出来るんです。勉強しながら仕事をしている感覚が凄い楽しいです!! そう言うのが好きな方には記者向いていると思いますよ(笑)。
—学生の内にやっておけば良かったと思うことはありますか?
秋吉さん)
学生って誰にでも会えますよね。社会人になると、誰に会うにしても名刺を出す必要がある。意外と在学中には気付けないけれど、誰にでも会えるということは大きなメリット。学生の内は人の繋がりを広げやすいと思います。維持は大変かもしれないけどね(笑)。
磯貝さん)
マスコミ関係の会社でバイトしていたけれど、その時知り合った記者さんが、執筆した記事を読んで連絡してくださることもあります。福島に出張がある時も連絡してくれてお会いしたりも。学生は時間があるから、やりたいことを見つけて没頭するでも人脈を広げるでもやりたいことをやり尽くした方が良い!! 私は結構やりたいことやり尽くせたと思っています(笑)。
—お二方は仕事の中で人と話す機会がとても多いと思うのですが、その際大事にされていることはありますか?
磯貝さん)
相手がどんな人なのかを知ろうとすることは心がけていますね。相手のことを探る所から始めるようにしています。取材相手のことを調べられるようであれば、調べてから行くようにしています。
また、取材相手が自分から話をしたい方なのかこちらから聞き出して行くべきかを見極めることも大切にしていますね。また、勤務地が福島ということもあり東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の被災者の方とお話しする機会も多いのですが、その際の距離感なども相手によっては気を配るようにしています。
私自身元々人見知りなどもせず、人と話すことが好きなタイプなんですよね(笑)。周囲からも、どんな相手でも普段の自分っぽく接していると言われることが多いんです。そういう意味では、元々の性格が活かされていると言えるのかもしれません。
秋吉さん)
学生時代の時から意識しているのは、変に壁を作らないということ。自分達より下の子達って凄く律儀で、敬ってくれているのは伝わるけど用件以上のことを話しにくいなと思うことも多々ありますね。敬語を少し柔らかくしてみることや、原稿を作ってお話しするというよりは生の言葉で話すことを心がけていますね。コミュニケーションを取るにあたって萎縮している人が多いから、そことの差異化にもなるかなと思います。
立場の差はあれど、生身の人間と生身の人間が話すのがコミュニケーションだと思っていて。会話やコミュニケーションそのものを楽しむことが大事ですよね。
—学生へのアドバイスも込めて、人との関係性を築く上で気をつけていることがあればお願いします!
秋吉さん)
人脈を広げようと思って人と会わないほうが良いと思いますね。それだと、人と会うことが目的になって相手の印象に残らないんじゃないかな。学生時代やっていたサッカー関係のバイトでいろいろな関係者に会いましたけど、行った先々で盛り上がるのは結局サッカーの話題だったんですよ。僕の趣味は独自性のあるもので興味を持ってもらえることは多いけど、それも最初から独自性をつけようとしてこうなった訳ではない。「何かを好き」という純粋な気持ちや情熱を忘れないようにしてほしいです。
磯貝さん)
私の場合、色んなコミュニティに入って行くっていうこと自体が結構好きで。人脈は、気になった場所に足を運んだ結果として広がりましたね。目的を持って人と会うことも大切ですけど、自分の利益のためみたいな感じで動くとどうしても嫌らしさが出てしまうと思うんです。自分の興味とか「これが好きだ!」っていう気持ちから起こしたアクションの先に人脈や、自分に返ってくるものがあるっていう流れだと良いんじゃないかなと思いますね。
いかがでしたか?
人と話すこと、言葉にすることを仕事にされているお二方のお話は、一記者(と言うのもおこがましいですが……)の私としては学ぶところが沢山ありました。
取材中強く感じたことは、色んな話を聞き出すためには相手のことを想う力が大切だということ。取材中、お二方が私のことを気にかけながらお話ししてくださっているのがひしひしと伝わってきて、そのおかげで私も緊張をほぐしながら取材させていただけました。
私はまだまだ記者として駆け出しですが、取材だけではなく普段でも人と話すときに相手のことを想いながら話を聴けるように心がけていきたいです。
今回はここまで!!
またお会いしましょう〜〜!