こんにちは、れいれいです。図書館で借りたい本がある時、OPAC(図書館のオンライン蔵書目録)で調べた配架場所や請求番号をもとに探せば、お目当ての資料が見つかりますよね。これは、「シェルフリーディング」や「配架」といった作業で図書館の本が管理・整理整頓されているからなんです。
なんだか聞きなれない言葉ですが、今日は学生アルバイトとしてこうした業務に携わる2人へのインタビューをヒントに、図書館の「裏側」をのぞいてみましょう!
岡村遼平さん(グローバルスタディーズ研究科2年)は、学部1年生の終わりから図書館でアルバイトをしているベテラン。本が好きで、「アルバイトをするなら本に関わる仕事をしたい」と思っていたところ、Loyolaで募集を見つけたんだとか。
加幸凜奈さん(国際関係法学科2年)は、1年生の春休みから図書館でのアルバイトを始めました。「図書館での仕事ってどんなだろう?」と興味がわき、応募したそうです。
図書館での仕事って?
まずは、アルバイトの主な業務3つを紹介します。
①シェルフリーディング
図書館の資料は、決まった分類法に従って配架されています。背表紙のラベル(以降、背ラベル)に書かれている数字やアルファベットが、その本の分類、つまり「住所」を示しています。シェルフリーディングは、全ての本が正しい住所にあるかを確かめる作業です。本の並びが間違っていれば、背ラベルの番号やアルファベットの順に直します。
「慣れるまで、とても苦戦しました」と加幸さん。担当の棚にある本を端から端までチェックしていくので、集中力が欠かせません。
上智の図書館では、主に和漢書は「日本十進分類法(NDC)」、洋書は「米国議会図書館分類法(LCC)」で本が配架されています。それぞれの分類法で、図書のジャンルごとに分類番号が決まっています。これが、本の背ラベルの1段目に書かれている数字またはアルファベットです。
例えば「法律」関連の本の場合、和書なら「320」、洋書なら「K」が分類番号で、4階に(入門レベルの和書は地下1階にも)配架されています。自分が専攻する分野の分類番号と配架階だけでも知っておくと便利ですね。背ラベルの2段目以降には、著者や巻号数、出版年などを表すアルファベットや数字が書かれています。
②蔵書点検
図書館内にある本を確認する業務で、夏期・春期の長期休み中に行われます。ハンディターミナルという機械で、配架されている本のバーコードを順に読み取っていく作業です。読み取られた本のデータを集積し、所蔵している図書のデータと照合することで、本が館内に正しく配架されているか、紛失されている本はないかを点検します。
「バーコードを読み取り忘れてしまうと、その本が図書館内にないことになってしまいます。責任重大、と思って点検しています」と加幸さん。正確さとすばやさ、丁寧さも求められる仕事です。
③配架
返却された本を元の配架場所に戻す業務。シェルフリーディングと同様、本を正しい「住所」に配架することが大切です。
「配架業務をしているうちに、どの種類の本がどこにあるかが分かってきます」と岡村さん。言葉の通り、様々なジャンルの本を迷いなく配架していく手さばきに驚かされます。
アルバイトをして気づいたこと、教えてください
岡村さん・加幸さんに、図書館での業務を通じて感じたことを聞きました。
Q:アルバイトを通じてどんなことを発見しましたか?
(岡村さん)大学生は「遊んでいる」と言われることが多いですが、返却されてくる本の量を見れば、大学生がいろいろなジャンルの本を借りて、ちゃんと勉強していることがわかります。それを見て、自分もしっかり勉強しなきゃ、と思うこともありますね。
Q:業務の中で「おもしろい」と思う場面を教えてください。
(岡村さん)新着図書のラインナップを見ていると、いま人気の本・話題が分かります。国際関係を勉強しているので、学問的にホットなトピックを知ることができるのは役立ちます。
(加幸さん)本にたくさん触れる仕事なので、おもしろそうな本に出会うことがよくあります。私は法律を勉強しているので、法律関係の本にはもちろん興味をひかれますし、全く知らないジャンルでも「こんな本があったんだ」という発見があると本好きとしては楽しいです。
おわりに
いかがでしたか? 目当ての本が「あるべき場所」にあるのも、返却した本がきちんと元あった棚に戻っているのも、シェルフリーディングや配架といった仕事があるからこそ、なんですね。図書館の蔵書は、110万冊以上。自分の専門分野の本を極めるもよし、未知の分野を開拓してみるもよし。いろいろな本との出会いを楽しみたいですね!