2022.03.08
2022.03.08
みなさん、上智大学は大阪にもキャンパスがあることをご存じですか?
東京の大学という印象が色濃くある上智ですが、実は大阪にも「大阪サテライトキャンパス」という上智大学の施設があるのです。学内でも大阪サテライトキャンパスがどのようなことをしている場所なのか知らない人がとても多いのではないでしょうか。今回、兵庫県出身である私は、春休みの帰省の際に、大阪サテライトキャンパスの全容を調査してきました。記事を通して大阪サテライトキャンパス通になっていただけると嬉しいです!
大阪サテライトキャンパスは関西及びその周辺地域の方にも上智をもっと知ってもらうため、そして上智大学として関西地域に向けて貢献をしていくために2011年に開設されました(大阪サテライトキャンパス公式サイトより参照)。
キャンパスは、大阪梅田駅からほど近い場所にある「サクラ ファミリア」(カトリック大阪大司教区の「祈り、 研究、 交流の場」であるカトリックセンター)の2階に設置されています。サクラファミリアは4階建ての建物で、1階は「サンパウロ」というキリスト教専門書店、3階にはカトリック大阪梅田教会の聖堂があります。
聖堂は外から見せていただいたのですが、とても荘厳で美しい空間が広がっていました!様々な国の方がミサや集会でサクラファミリアを利用されているそうです。
聖トマス大学という兵庫県尼崎市にあったカトリック系の大学とのつながりがきっかけとなり、大阪サテライトキャンパスの開設に至ったそうです。
上智大学で社会人向けに夜間や土曜日に開かれていた市民向けの講座のことをソフィア・コミュニティ・カレッジ(=上智大学公開講座)といいます。
大阪サテライトキャンパスでも2011年から年に数回公開講座を開催していて、2020年3月にソフィア・コミュニティ・カレッジが閉鎖されてからは大阪サテライトキャンパス独自で行っている取り組みです。
コロナ禍になってからは、総合グローバル学部教授の前嶋和弘先生の講座などでオンライン開催を取り入れ、受講者は関西だけでなく全国に拡がっています。4月15日(土)・5月20日(土)・6月17日(土)には前嶋先生に連続講座を開講していただくことになりました。こちらもオンライン受講可能です。
(http://www.sophia-osaka.jp/update/20230221_01.html)
教職・学芸員課程センターと上智大学神学部が共催している、キリスト教を学びたい社会人を対象とした公開講座のことをいいます。
今回、大阪サテライトキャンパス開設に携わられた林さんと、日々の運営に携わっている平野さんにお話を伺いました。ホームページからは得られないディープな貴重なお話をたくさん聞かせていただきました。
大阪サテライトキャンパスでは、上智大学の特色や入試制度を関西地域の受験生に届けることを目的に、高校での出張説明会や進路指導部への訪問などの広報活動を行っています。また、グリーフケア研究所もサテライトキャンパス内に研究活動拠点を置いています。
グリーフケア研究所は2005年に兵庫県の尼崎市で起こったJR福知山線脱線事故をきっかけに設立された、日本で初めてのグリーフケアを専門とした教育研究機関です。2009年4月にJR西日本あんしん社会財団(JR西日本財団)の寄付協力を得て、聖トマス大学(兵庫県尼崎市)に設立されました。こういった事故や災害、自死など思いがけない形で身近な大切な人を亡くした方々が喪失を受け入れ、希望を持つことができるようケアしていくことをグリーフケアと言います。JR西日本は、事故発生後の2005年に財団を作ってそのようなケアに携わる人を育成したり、ケア講座を開始しました。元々聖トマス大学がやっていた活動ですが、2010年に上智大学に移管されたことを機に、グリーフケア人材養成講座(2年制)は2011年より大阪サテライトキャンパスで開講され、2014年から四谷キャンパスでも開講されています。毎週水曜日と隔週土曜日に集中的にカリキュラムがあり、病院や福祉法人などで働く方や、グリーフケアに関心のある方が、グリーフケア、スピリチュアルケアなどの「ケア者」となることを目指し学ばれています。
グリーフケア研究所の授業や講座での利用が主ですが、それ以外に、ゼミ合宿で関西へ来たときや旅行を兼ねた勉強会で使われたことがあります。この3月末には同法人の六甲学院の高校生が勉強合宿で利用されました。学生が教室を利用する場合は極めて少ないですが、先生方は関西にいらっしゃる共同研究者との打ち合わせや研究会などで使われることがあります。大阪サテライトキャンパスは京阪神へのアクセスが良く、関西の拠点として使うにはとても便利です。
今まで前例はありませんが、学生の方も勉強会や調査、課外活動の集まりなどで使うことは可能です。利用する場合は、必ず事前に大阪サテライトキャンパスのホームページにあるメールフォームから問い合わせする必要があります。
(問い合わせはこちら http://www.sophia-osaka.jp/inquiry/index.html)
関西以西の地域は特に、親世代や年配の方で上智を知らない方が結構多いんです。もちろん最終的には受験者、入学者を増やしたい思いもありますが、上智の良いところ、特徴が伝わっていないので、大学での取り組みや特性を幅広く知ってもらうためですね。講座にいらっしゃる方は特に60歳以上の方が多めになるので、歴史・文化・宗教などの分野を扱うことが多いです。2019年までは四谷キャンパスで行われていたコミュニティカレッジと連携して大阪でも講座が行われていました。ただ、2020年以降は四谷キャンパスでの講座がクローズしてしまったので、現在は大阪サテライトキャンパスの方で独自にやっています。
関西圏には「関西ソフィア会」という同窓会組織があるのですが、大阪サテライトキャンパスは上智大学の卒業生の集う場所としても活用できるのです。
※ソフィア会とは
上智大学在学生(準会員)、および上智大学・聖母大学卒業生(正会員)の同窓会組織です。
上智大学の学生は入学と同時に準会員に、そして卒業すると正会員になり、その会員数は2019年4月に13万人に達しました。
(上智大学 ソフィア会公式ホームぺージより引用)
実はソフィア会は東京のみならず、日本国内はもちろん、海外にも点在している組織なのです。そのため、名古屋には名古屋ソフィア会、北海道には札幌ソフィア会……という風に各地域にソフィア会はあります。そのため関西ソフィア会が特殊なわけではなく、数ある地域ソフィア会の一部という感じなのです。関西ソフィア会は活動的な地域ソフィア会で、定期的に読書会や、落語会を催しています。また、春には芦屋でお花見をして交流を楽しんでいます。
私は大阪サテライトキャンパスで開催されていた夏のミニオープンキャンパスをきっかけに、志望学部が定まったので、自分にとってはとても大切な思いを大阪サテライトキャンパスには抱いていました。ミニオープンキャンパスでは、関西出身の卒業生の方の講演があったり、在学生の方とZoomを繋いで、学生生活について話してくださったりしました。当時私は、フランス語学科とフランス文学科のカリキュラムについてパンフレットを読んでも詳細がわからないところがあり、個別相談をしたところ自分の不明確だった点が明らかとなったので、志望学部を決定することができました。疑問点に対し、とても丁寧にスタッフの方がお答えしてくださったのが印象的でした。
今回、取材をさせていただく中で、「そうなんだ!」と驚く事柄が次から次へと出てきて、とても楽しかったです。東京の大学で大阪にもサブキャンパスがあるケースはごく珍しいことだそうで、上智を含め2校ほどしかないと伺いました。ご縁があって、大阪サテライトキャンパスは開設されましたが、様々な特色を持つ上智の魅力を西日本にも伝えられる発信源があるということはとても素晴らしいと感じました。今回、取材をお受けいただいた、林さん、平野さん誠にありがとうございました。
大阪サテライトキャンパスはとてもアットホームな場所なので、関西になじみがないという方も、課外活動やゼミ合宿の際には是非一度訪れてみてはいかがでしょうか。
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