キルギス共和国で1ヵ月生活してみた
2023.11.10
アフリカ、と聞くと皆さんは何を思い浮かべますか?
今回インタビューしたのは、上智大学アフリカWeeks2023を運営した学生26名の、その代表お二人! 太田萌々さん(法律学科4年)と長澤里桜さん(総合グローバル学科2年)です!
イベント運営の裏側から、アフリカとの繋がりに関することあれこれを、アフリカweeksに興味を持った&実際プログラムに参加した、Niko記者・ひかるこ記者・ゆう記者の3人でたっぷりお聞きしてきました。
記事のあちこちで、太田さん、長澤さんからしか聞けないようなとっておき情報も載せています。
ぜひ最後までお楽しみください!
アフリカとの出会いは、小学生のころ。近所の病院の広報誌に、女医さんが寄稿されていた連載記事だという太田さん。アフリカといえば貧困、治安の悪さ……そんなイメージとは裏腹な様子が、記事では発信されていたそうです。バックパッカーをして急に訪ねたおうちのおばちゃんが家に泊めてくれていたり、一緒に踊ったり。人の優しさにフォーカスを当てたアフリカの日常の姿を伝えてくれる記事に感銘を受けたと言います。そのときの経験が、現在に繋がっているそう!
今年3月、ルワンダに渡航したという長澤さん。そんな長澤さんのアフリカとの出会いは高校2年生のときだといいます。アフリカを研究地域として大学で学ぶことを決め、公募推薦ではウガンダで国際協力をする方に話を聞きレポートを書いたそう。また高校生の時に見つけた、日本とルワンダをつなぐ学生団体に、実際に今所属されているそうです。しかも、代表を務められているとか! 今回のルワンダ渡航も学生団体の活動の一環。
(太田さん)企画・運営に関わる学生たちは、アフリカ好きな人たちが集まっていて、アフリカに詳しい人、これからどんどん深めていきたい人ばかりです。一方参加してくれる方々は、アフリカに触れるのが初めてだったり、ちょっと興味がある、だったり。そのため、ディスカッションのトピックを設定するときは、どうすればハードルを感じずに参加してもらえるか、みんなで考え、練り上げました。
また、同じ運営メンバーには、ASANTE PROJECTという学生団体(タンザニアに赴いてボランティア活動を実施。上智・大阪大学の学生で構成)や、NPOの活動で渡航経験のある人たちもいて。そのような中で、大学の授業や講演会で興味を深めてきた私には何ができるだろうか、ということも考えていました。
(長澤さん)「Youth Conference」という講演会で、当日に向けてどうするのか不透明な部分もあるまま講演会直前を迎えてしまったので苦労しました。でも、Zoomを活用してミーティングを重ねたことで乗り切りました。1回だけ、対面で15分程度の打ち合わせができたのですが、基本はオンラインでの準備進行がメインでした。
あとは、雑誌企画にてアフリカ人留学生のお話を執筆したのですが、ルワンダやマラウイにいるアフリカの学生とZoomをつないだ際は、時差の関係から時間調整が大変でした。ちなみに、彼らとは前の代表がWhatsApp(メッセージアプリ)でつながっていて、紹介を受けたんです。
(太田さん)今回いちばん関わったワークショップの例ですが、NPOの方と一緒にコーヒーを飲みながらフェアトレードを考えるイベントで。最初の企画段階では、当日の話し合いのトピックとして「これからフェアトレードを推進するにはどうしたら良いか」のような学術的なものを含めてしまっていました。そこで、もっとシンプルな分かりやすいトピックで話し合えるように見直しを図りました。
またコーヒーが苦手な人もいるのでは、と考え、当日に向けて違う会社のフェアトレードチョコレートの取り寄せも。
また雑誌企画では、出身高校に送ることも考えて、内容が高校生にも分かりやすくキャッチ―なものに、そしてひとつの分野に偏らない広がりのあるものになるよう目指しました!
(長澤さん)今年はあえて主題の「アフリカWeeks」だけでやらせてもらい、副題をつけなかったんです。つけることでメンバーのアフリカ観の印象が強くなったり、参加者が副題に沿ったアフリカの見方をしないといけないと思わせてしまう恐れがあったりしたので。こちら側のアフリカ観を押し付けず、それぞれのアフリカを楽しんでほしいという思いを念頭に置きました。
(太田さん)参加側としては、自分の中のアフリカ関連情報がアップデートされたことです! これまで大学の授業を通して私が主に目を向けてきたのは、ポテンシャルや発展といった光の部分でした。ですが今回、ケニアのスラム街で活動されていた方のお話を聞いて、整備された中心地からそう遠くない場所でも貧困や治安の悪さなど問題が残る実態を知りました。貧しさと、進む最新技術、この両面を見ていくことが大事だと実感しました。
運営側としては、高校生の参加に立ち会えたことが大きかったです。アフリカに興味を持っている人が増えていることを実感して、すごく良いなと思いました。またメンバーの中にも、高校生のときアフリカWeeksに参加して今は運営側に、という人がいて。そうした繋がりも感じられました。また、私は法律学科ということもあり、アフリカの外交に興味を持ってきましたが、メンバーは国際協力や音楽や文学や、本当にそれぞれ色々なものに情熱を持っていて。自分もこれからもっと学ぼう、と刺激を受けました!
(長澤さん)代表という職が初めてでもあり、とても大変でした。昨年に比べて増えたメンバーひとりひとりへ楽しめているか気を配りつつ、メインの企画も進行しないといけなかったので、大変でした。
人との出会いというと、登壇者の方との出会いですね。ルワンダの義足のイベントではルワンダの方が来てくださったのですが、私も今年3月に2週間、ルワンダを訪れていたんです。なので、上智を通して再びルワンダとつながれてうれしかったですし、渡航の時のことも思い出しました。
「エソギエ」(新宿三丁目)by太田さん
▷飲んだことがないようなすごく酸っぱいお酒や、羊肉などが楽しめる
▷ナイジェリア出身の店主や隣に座ったアフリカ出身のお客さんとおしゃべりが弾むことも
「カラバッシュ」(浜松町)by長澤さん
▷現地輸入で素材にこだわり
▷ライブやパーティーも
▷懐かしさが漂う、アフリカのおばあちゃんの味
アフリカに関する授業は数多くある中、なんとお二人とも一致でした!
「アフリカにおける開発援助とビジネス展開」(秋/全学共通/輪講)
▷豊田通商、アフリカ開発銀行、JICA(国際協力機構)等のゲストスピーカーから話を聞ける
▷太田さん、これまでとった中でNo.1授業!
「アフリカに学ぶA・B」(春&秋集中講義/全学共通)
▷太田さん・長澤さん、今年度春学期の履修で、この9月コートジボワールに行くそう!
(太田さん)知ることだと考えています。私が小学生の頃までは、アフリカは貧しいというイメージが強くて。でも今のアップデートされた知識だったら、例えば電話線がないからこそ携帯が急に発展したとか、そういうもともと日本みたいな先進国だったら発展に時間がかかったこともアフリカではどんどん進めることができるメリットがあることに気づきました。そういう点がまだあまり知られていなくて、色んなビジネスチャンスが日本人にとっても転がっているなと思っています。普段のニュースや新聞だけでなく、JETRO(日本貿易振興機構)のような機関が出したより詳細なビジネスや社会情勢等の情報にも触れることで、私達大学生にも良い刺激になると思います。またひとことにアフリカと言っても、その中でも色々な国があり、東部と北部でも全然色が違います。より一国一国を知っていくことで、新たに気づきを得ることができるのかなと感じています。
(長澤さん)やはりアフリカに関わる学生団体に所属することでしょうか。学生だからこそ提供できること、考えられることがあると思っています。例えば、ルワンダの学生とディスカッションをしたときにも、かなり深い話ができました。働きだしたら、どうしてもその組織の視点で考えることになると思うのですが、学生はならではの柔軟な視点でお互いに理解を深められると感じました。
あとは大学でアフリカに関する授業を受けることも。全学共通科目、学科科目ともにアフリカに関わるものがたくさんあるので、ここでは学生同士のディスカッションを通して、色々考えを深められる。これもひとつのアクションかなと思います。
(太田さん)日本とアフリカは、人権に配慮したビジネスをもとに繋がり相互発展できると考えています。借款により国家間で従属的な関係が生まれてしまっているところもある中で、日本はODA(政府開発援助)にも配慮していて、今回のアフリカWeeksでも、アフリカの人々は日本に対して「人権に配慮した経済支援や投資をしてくれる」というイメージを持っていることが印象的でした。アフリカの人口の増加速度は大きく他の国々に比べて発展していく勢いがあり、そういう面からもこの先日本とアフリカがお互いに利益をもたらしながら発展していき、その流れが他の国々にも広がっていくのではないかと考えています。
(長澤さん)2050年には世界人口の1/4がアフリカ人になると言われていて日本で暮らしていくにも、この先アフリカの人々との交流は増えてくると思います。そこでは人と人との関わりを通してお互いに理解し合うことが、大事になってくるのではと。また学術的には、世界の貧困を考えたときに大事な地域であり課題を抱える地域として、日本の企業とJICA(国際協力機構)など、官民が協働し、一緒にお仕事ができる機会があるのではと思っています。
学生というこの時期にアフリカと繋がることができるのはすごく貴重な経験だし、イベントを提供する立場にまわることができるのは、とても感慨深いものがあります!
こちらにも、お二人に向けた別のインタビューが掲載されています!
「上智のいまを発見」
「上智大学通信 第470号」
代表学生のお二人×記者3人でお送りしたこちらの記事、いかがでしたか?
記者としては、これまで知らなかった、想像もしなかったアフリカの溢れんばかりの魅力をたくさん教えていただけた――そんな素敵な機会となりました!
太田さん、長澤さん、本当にありがとうございました!
2023.11.10