2021.09.14
今年で創立110周年を迎えた上智大学ですが、先日はそれを記念してバルーンリリースセレモニーが開催されましたね。それについては263号でお届けしましたが、今回の記事ではもう1つ、110周年を記念した企画をご紹介します。それはズバリ、110周年を記念した、特別な学食メニューが提供されます!
それがこちらです。
【メニュー名】110周年記念洋食プレート
ハンバーグ(デミグラスソース)、オムレツ、カニクリームコロッケ、ナポリタン、サラダ、カレーピラフ、コンソメスープ、ミニデザートが盛り込まれます。これらに加えて、110周年ロゴが描かれたパッケージに入った、ソフィアンくんとSOPHIAの文字入り金太郎飴も付くそうです。
【提供期間】2023年12月18日(月)から22日(金)
【提供場所】2号館5階 学生食堂
【値段】400円
【提供食数】1日あたり110食
今回はメニュー選定のための試食会の様子&メニュー誕生までの裏側をお届けします!
試食会
試食会は、10月23日(月)、2号館5階の教職員食堂にて開催されました。学生センターや環境整備グループ、ソフィア・アーカイブズなどの職員に加え、上智学生記者クラブ、ソフィア祭実行委員会、学教職協働「ピア・カフェ」プロジェクトの学生も参加しました。試食会では4つのメニューが出され、その中から復刻メニューとして提供する1つを選ぶことを目標に、それぞれを食べ比べて感想を共有しました。
実際に試食会で出された4つのメニューと、それぞれに寄せられた感想をいくつか紹介します!
候補① ビーフシチュー(ライスver.)
候補② ビーフシチュー(パンver.)
①はライス、②はパン(バターロールとクロワッサン)という違いがありますが、両方にビーフシチューとミニサラダ、コンソメスープが付きます。ビーフシチューの脇には、にんじん、ブロッコリー、パスタ、ポテトが付いていました。参加者は、この中でもビーフシチューとコンソメスープを試食しました!
○出された意見
- お肉がおいしくて、インパクト大!
- コンソメスープがとてもやさしい味で、水筒に入れて持ち歩きたいくらいおいしい。
- パンの方がビーフシチューによく合いそう。
- 味が少し濃く感じた。
ちなみに、同様のコンソメスープは以下の2つの候補「洋食プレートA・B」にも付きますし、今回提供される110周年記念洋食プレートにも付いてくるので、皆さんも召し上がれます。ビーフシチューのお肉がやわらかくて、とてもおいしかったのが印象的でした!
候補③ 洋食プレートA
洋食プレートAには、デミグラスソースのハンバーグ、カニクリームコロッケ、エビフライ、ナポリタン、カレーピラフ、サラダ、コンソメスープが付きます。
候補④ 洋食プレートB
洋食プレートBには、トマトソースのチーズハンバーグ、カニクリームコロッケ、オムレツ、ナポリタン、カレーピラフ、サラダ、コンソメスープが付きます(AとBで入っている具材が微妙に違うので、異なる具材を太字にしました)。
○出された意見
- カニクリームコロッケが、サクサク&とろとろでおいしい!
- 量が多い気がするが、400円でこのボリュームだとインパクトがある。
- 全体的に味が濃いので、ピラフではなく白米やバターライスでも良いかも。
- 量を減らしてデザートを付けると良さそう。
- Bのチーズハンバーグは、冷めたらチーズが固くなりそう。
カニクリームコロッケの評判が良く、これをメインにしても良いのではとの意見もありました……! 個人的には、オムレツがとろとろでおいしかったです。チーズ好きとしてはチーズハンバーグも好きでしたね~。一方で、量が多いので調整できると良さそう、全体的に少し味が濃いとの指摘もありました。
実際に学食で提供される「110周年記念洋食プレート」のメニューには、デミグラスソースのハンバーグとカニクリームコロッケ、オムレツ、ナポリタン、そしてミニデザートまで付きますね! 試食会の時には無かったデザートまで付いてくるので、いつもの学食では味わえない、よりプレミアム感のあるメニューになっていると思います。ぜひ皆さんにも食べていただきたいです!
どのメニューもとてもおいしく、参加者から様々な意見が出たことから、試食会の日にメニューが決定することはありませんでした。しかし、この試食会は「110周年記念洋食プレート」が完成するまでの過程の一つに過ぎません。ここからは、この復刻メニューができるまでの全貌を、ざっくりと皆さんにお見せします!
メニュー誕生までの裏側とは?
「110周年記念洋食プレート」の実現に携わった、学生センターの三谷さんと早坂さんにお話を伺いました!
Q. なぜ復刻メニューを提供しようと思ったのですか?
今年、上智大学が創立110周年であることから、何か企画をしようという動きがありました。その中で、学生が日々の生活の中で「上智は110周年で歴史のある大学なのだ」と思い起こしてくれることがしたいと思い、周年の際にふさわしい企画として、復刻メニューを思いつきました。
また、今回はただメニューを提供するだけではなく、それをチャリティーにしようと考えています。1食が400円なのですが、そのうち110円がカリタスジャパンという慈善団体に寄付されます。これは、日比谷松本楼というレストランが、チャリティーイベントとして10円カレーを提供し、その売り上げを寄付していたことから着想を得ています。チャリティの要素を含めることで、より上智大学の教育精神である「For Others, With Others」らしさを出すこともできるのではないかと考えました。
Q. なぜこのメニューに決定したのでしょうか?
復刻メニューを作るにあたり、上智大学の史資料を保管する「ソフィア・アーカイブズ」(上智大学中央図書館9階)に、学食に言及がある新聞記事や写真の提供を依頼しました。昔の学食の写真や当時の学食のメニューを紹介している記事を送っていただくことができたので、その中でも「いまの私たちにとって目新しいもの」であり、かつ「かつて学食で出されたもの」だということを条件に、提供するメニューを何にするか考えました。候補としては、例えば、かつての9カフェで提供されていたという鉄板焼きグリルや海鮮丼(鮭いくら丼といったメニューが出されていた)、ハンバーガー、豚骨ラーメン(豚骨ラーメン専門店があった)、量り売りのサラダバー(サラダが1グラム1円で提供されていた)が出ました。現在「東京ハラルデリ&カフェ」がある場所には、かつてパスタ専門店があったことから、スパゲッティも候補として出ました。
これらの案について学食の業者の方に相談したら、例えば鉄板焼きグリルは安全管理上の理由で、海鮮丼は衛生上の理由で提供が難しいと分かりました。提供できそうなメニューを絞り込んでいく中で、鉄板焼きグリルから着想を得て、洋食プレートみたいなものはどうかと考えました。そこで、ビーフシチューと盛り合わせの洋食プレートを試食会で食べてもらい、いただいたフィードバックをもとに話し合い、この洋食プレートに決定したという流れです。学食で何が提供されていて、材料や値段はどうだったのかといった詳細な情報が意外と資料に載っておらず、苦労しました……。
Q. 注目してほしいことはありますか?
1つは、ソフィア・アーカイブズの存在を皆さんに知っていただきたいです。ソフィア・アーカイブズという、上智に関する史資料を残している場所があるからこそ、昔の学食について知り、このメニューを作ることができたので、そのことが皆さんに少しでも伝わると良いなと思います。
2つ目は、普段学食に行かない人が、これを機に学食に行ってほしいという思いがあります。復刻メニューがあるから学食に行ってみようと思っていただきたいですし、身近な卒業生とかに復刻メニューが出たよと話をして、自分の時はこんなのだったよ、みたいに昔の上智に思いを馳せてもらえるきっかけになればうれしいです。
ただ、学生の皆さんの意見を取り入れたり、色々試行錯誤したりと苦労して作ったメニューなので、とにかくおいしく食べてもらえることが一番です(笑)。ソースはトマトかデミグラスか、ピラフと白米のどちらにするかなど、色々と判断することがあった中で、なるべく見た時に「わぁ!」って思ってもらえるものにしたかったです。元々の企画名が、かつて学食で提供されていた定食のうち一番豪華だったセットの名前にちなんで「ドリームランチ」という名称だったこともあり、見た目からしてドリーミーで楽しいものが良いと思ったのも、ビーフシチューではなく洋食プレートにした理由の一つです。
復刻メニューの誕生までにはソフィア・アーカイブズの協力があったこと、また学食の売り上げの一部が寄付されるという取り組みから、ただおいしくメニューを食べるだけではない、「特別感」が出ていると感じます。今では見られない、昔の上智の学食についても教えていただき、とても興味深かったです! 復刻メニューをきっかけに、過去の上智の姿に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
おわりに
「110周年記念洋食プレート」について、少しでも興味を持っていただけたでしょうか? 記事の最初でもお知らせしましたが、提供期間は2023年12月18日(月)から22日(金)、1日110食限定なので、食べてみたいという方は、早めに2号館5階の学生食堂に行ってみましょう! 職員と学生が携わって完成させた特別な一皿になっているので、創立110周年という記念の年に上智に在学しているからこそ、ぜひ食べに行ってみてください!