なんで、私が上智大に就職?
2022.02.25
なんで、私が上智大に就職?
2022.02.25
こんにちは、ゆづです!
本を読んだり、探したり……と多くの学生にとって身近な施設だと思われる図書館ですが、そこでの業務内容を皆さんはどのくらい知っているでしょうか? 「本の整理をする」というイメージをお持ちの方もいると思いますが、実はその他にも様々な業務があるんです!
そこで図書館への理解を深めるために、昨年度、図書館で夏期・春期長期休暇中に短期アルバイトを経験した私から、業務内容の一部を紹介したいと思います!
(※短期でのアルバイトで経験した範囲の内容になります)
短期でのアルバイトでは、本の整理をする業務が中心でしたが、「本の整理」にもいろいろあります。私が経験した図書館業務は、一冊一冊の本が正しい場所に配架されているかをチェックする「シェルフリーディング」と、図書館が所蔵している本が実際の書架にあるかを確認する「蔵書点検」でした。シェルフリーディングは日常的にも行われている業務ですが、蔵書点検は夏期・春期長期休暇中のみに行われている業務です。
そして業務を行う際には、主にこちらを使っていました!
左端にある機械は「蔵書点検」で使用するハンディターミナル(バーコードリーダー)です。右端の手作りの段ボール板は「面揃え定規」で、どちらの業務でも使っていました。中央の4つの札は主に「シェルフリーディング」で使います。
シェルフリーディング業務は、①配置されている本の順番に間違いがないかチェックする→②間違いが判明した本を正しい番号順に並び替える→③面揃え(※)をするという3つのステップで行います!
(※)面揃え(つらぞろえ)とは?
→本の背の位置を書架棚のラインに揃えること
先ほど、シェルフリーディングとは「一冊一冊の本を正しい場所に配架されているかをチェックする業務」と説明しました。シェルフリーディングのステップ①では、配置されている本が正しい順番で並んでいるかを確かめるとともに、破損していたり、本の背表紙に貼ってあるラベルが剥がれていたりしていないかも確認します。修理が必要だと判断された本は、先程の写真にあった「破損」や「ラベル修理」の札と共に、図書館スタッフの方にお渡しします。
そして、シェルフリーディングでもっとも重要になるのが、「請求記号」といわれるもので、本の「正しい場所」を教えてくれているのが、背表紙についているラベルなんです! このラベルに本を正しい場所に置くための情報が載っています。
例えば、こちらの2つの写真をご覧ください。
いずれの本のラベルにも、数字やアルファベットがありますよね。実はこれ、それぞれの本の「情報」を表しているんです。ちなみに、上から順番に、本の分類番号→著者記号→出版年という情報が載っています。そして、著者記号は苗字のイニシャルのアルファベット(例えば田中さんならT)で表され、出版年は西暦で表されます。
そもそも図書館に所蔵されている本には、分類法に応じてそれぞれ分類番号が付けられており、画像(上・下)の本はどれも「日本十進分類法(NDC)」という方法でグループ分けがされています。画像(上)の本の分類番号は「361」で「社会学」を表しており、画像(下)の本の分類番号は「332」で「経済史・事情・経済体制」を表しています。その後に続いている番号は、更に細かく分類するためにつけられています。
また、画像(上)の本のラベルには「GAKUBU」という文字があります。このラベルが付いている本は、「学部学生図書」を擁する地下1階および地下2階に保管されます!
配置されている本が正しい順番に並べられていればそのまま③に進みますが、万が一間違っていた場合、それを並び替える必要があります!
並び替えには様々なルールがあり、和書、洋書でルールがすべて同じというわけではないため、最初のうちはそれを覚えるのに苦労しました。ですが、回数を重ねていくうちに、誤った配置も見分けられるようになりました。間違って配置されているものがないかを見分けるコツは、アルファベットの順番を正しく判別すること! 集中力が切れると見落としてしまう可能性もあるので、集中がカギです。(余談ですが、アルバイト後、利用者として図書館に行く際にも素早く本を見つけられるようになりました!)
さて、ここでは和書の並び替えについて紹介したいと思います。
和書では、ラベルの一番上にある「分類番号」の数字が小さいものから順に並べていくという決まりがあります。また、分類番号のすぐ下には、アルファベットと数字が一緒に並んでいます。
↓こちらの写真をご覧ください!
ラベルの一番上は全て「333」になっています。一番上の段が正しければ、次に見るべきは2段目! 「GAKUBU」図書以外の2段目の著者記号には、「アルファベット順」→「数字の小さい順」に並べるという決まりがあります。この写真の中にある本は「N→O」と正しいアルファベット順になっているので、これはOK! では、数字の方はどうでしょうか……?
左から3冊目と4冊目の順番が違いますね! 「423」は「273」よりも大きいので、シェルフリーディング中にこれを見つけたら並び替える必要があります。
この他にも、本によっては「333.1」と小数点のある分類番号が付いているものがあります。その場合は、「333→333.1→334→335……」となります。並び替えには他にもルールがあるので、興味のある方はぜひ図書館へ!
シェルフリーディング最後のステップは「面揃え」です。図書館に行った際、それぞれの本の背表紙が同じ位置でピシッと揃えられているのを見たことはありませんか? 実は、これは「面揃え」されているからなんです。本の並び替えが終わったら、最後の仕上げとして、このような作業を行っていきます!
面揃えは、図書館のスタッフが作成した「面揃え定規」を使って行います。各書架の上から1〜3段目までは後ろ揃え(定規を半分に折った分の余白を取って揃える)、4段目以降は前揃え(各書架の手前)で揃えていきます。上3段目までが後ろ揃えなのは、地震などが起きた際に落下しにくいように考えられているからです。
後ろ揃えを終えると、下の写真のようになります。
続いては、前揃え。
面揃えを終えた書架を見ると……
しっかり揃っていてとても綺麗な状態に! これでシェルフリーディングの業務は終了です!
蔵書点検は、図書館の所蔵データの通りにその本があるか(紛失していないか)を確かめる業務です。そのチェックは、専用のハンディターミナル(バーコードリーダー)を使用します! 本を借りる際に、貸出機で本についているバーコードをスキャンしますよね。蔵書点検でもそのバーコードを使うんです! 書架の状況にもよりますが、私がアルバイトをしていた際には、半日で3,000冊ほど読み取ったこともありました。大体10人前後の学生アルバイトで蔵書点検をしていたのですが、それでも数日かけて行う業務だったので、上智の蔵書の多さに驚く毎日でした!
蔵書点検で最も注意すべきことは、「本を見落とさないこと」だと思います。蔵書点検でスキャンし忘れてしまった本があれば、その本は「上智の図書館には無かった」ということに……。所蔵されている本の中には、厚さも様々で、かなり薄いものも混じっているため、他の本に重なっていたり、書架の奥に入ってしまっていたりしていないかを一つ一つ丁寧に確かめる必要があります! スキャンし忘れてしまったかが不安な場合はもう一度最初からやり直せるので、ゆっくり着実に進めていけば完璧です。
スキャンし終えたら、その書架の右端にある本を横倒しにします。これは「この部分は蔵書点検済」ということを示すサインになります! これをもって蔵書点検は終了です。
今回は、図書館での短期アルバイトの「体験記」として図書館での業務内容の一部を紹介しました。
私は、本が好きということもあって、図書館での仕事に興味を持っていました。また、図書館の蔵書を沢山読みたいと思っていたものの、その量に圧倒されてもいました。そこで、図書館で働くことができれば「未知なる様々な本に沢山出会えるのでは?」と思うように。そんな中、Loyolaでアルバイト募集の掲示を見かけ、「これだ!」と思いすぐに応募しました!
実際に業務中には、自身の専攻分野や興味のある分野とは異なる書架の整理も担当することが多くありました。普段の自分であれば、興味のある範囲の狭さから、辿り着くことも難しかったような本に出会えることもあり、自身の興味の範囲を飛び越えて「本に出会う」経験もできました!
夏期長期休暇中のアルバイトの募集は6月中旬にMy Sophiaに掲載されます。図書館業務に挑戦してみたい方、図書館に所蔵されている様々な本に触れたい方は、ぜひ、アルバイトへの応募を検討してみてください!
それでは、また次の記事でお会いしましょう!
2022.02.25
2022.02.25