アフリカWeeks2024特集③
2024.05.17
3月14日(金)に、SSICでは株式会社ミカフェートの代表取締役の川島良彰氏をお迎えして、Sophia Sustainable Coffee Movementの皆さんとコーヒーに関するセッションを開催しました。この会はSSICで開催したパナマ大使館イベントでミカフェートさんのパナマゲイシャコーヒーを使わせてもらったことをきっかけにしたスピンオフ企画です。
初めにコーヒーについての講義を受けました。何と川島代表は高校生の時に留学前にスペイン語を習うため上智大学に静岡から通っていたのだそうです。当時の上智のカトリックの神父様がスペイン語を教えてくれたという話をお聞きし、一気に親近感が湧きました。
講義では現代のコーヒーを巡る環境問題・労働者の状況、それに関して農園や労働者に向けてミカフェートが提供している支援についてお話を伺いました。コーヒーに関する2050年問題*を私は信じていたのですが、実際の状況と世間で話題の的になっていることには乖離があることなども分かりました。また生産地を離れ、消費者に提供する場面では、バリスタとして障がいのある方を雇用するなど、多くの人に新しい就業の機会を作っていることも知ることができました。コーヒーで世界を変えるというのはどういう意味なのか、と講演前には思っていましたが、川島代表のお話を聞くうちに一杯のコーヒーで実際に世界が変わっているという実感を持つことができました。
*コーヒーの2050年問題とは、地球温暖化による気候変動がコーヒーの栽培に影響を与え、コーヒーの生産量が減少・品質低下する可能性を指しています。
講演後はミカフェートの3種類のコーヒーの飲み比べをしました。ミカフェートで販売している2種類の豆と、販売ルートには乗っていない乳酸発酵したゲイシャナチュラルの1種類です。3種類のコーヒーは全く雑味が無く普段飲んでいるコーヒーとは別物の味がしました。川島代表がお話した「コーヒーはフルーツ」という意味が分かります。完熟豆のおいしさとはこれだったのか!と目からうろこが落ちました。どれも美味しかったですが、個人的に乳酸発酵したコーヒーがほんのりヨーグルトのような香りがして気に入りました。
最後に川島代表に質問タイムがありました。SSCMの学生からは多くの質問が出てセッションの時間も延長したほどでした。「コーヒーが持続可能な飲み物でありつづけるために自分たちにできることは?」という学生の問いに、「美味しくないコーヒーには、ちゃんと美味しくないです。と意思表明をすること」という回答が。私は一瞬この意味を理解できなかったのですが、そのココロは、原価率をしっかり確保した質の良いコーヒーをカフェやレストランが提供することで、生産者にも正当な利益を還元できるようになり、それがコーヒーの価値を上げ、安定して生産供給され、また自分たちに美味しいコーヒーとして戻ってくる。ということです。なるほど、その通りですね!
たかがコーヒー、されどコーヒー。今回はコーヒーの持つ「人を繋ぎ、世界を変える力」に驚きの連続のセッションでした。講義で紹介のあったため息が出るほど美しいコトワ農園には、いつか行ってみようと心に誓いました。川島代表、ご担当くださった田村様、本当にありがとうございました!