2022.10.14
ボランティア・ビューローでは、2011年に発生した東日本大震災以来、各地の復興支援ボランティアでの学生の活動に交通費補助を行っています。今回は、ソフィア祭実行委員会の皆さんが、公益財団法人鎮守の森のプロジェクトが主催する植林活動に参加された際の報告となります。
活動場所
福島県南相馬市小高区塚原
活動期間
2024年9月28日(土)~9月29日(日)
活動内容
福島県南相馬市の海岸沿いに植林を行って、森の防波堤をつくる作業をしました。この作業では、21種類の木を互い違いに植えていきます。栄養のある土と水通しの良い土を混ぜて植えることや抜けないように角を押し込んで固定することを工夫しました。斜面に300本ほど植えて雑草防止と防寒対策の藁を敷いたうえで、紐で全体を固定して作業は終わりました。
活動後に感じた被災地、被災者が抱える「課題」、そこから読み取れるニーズ
初日の朝、植林会場に到着し、実際の光景を目の当たりにすると、(東日本大震災のときに)陸地のかなり奥まで津波が押し寄せたことが分かりました。近くに集落はありませんでしたが、遠くに見える集落と海との間に位置する高台に植林することは確かに津波を止めるのに効果があると感じました。
現地のボランティアの方は、コンクリートの堤防は100年すれば崩れてしまうが森は世代交代をしながら1,000年でも2,000年でも生き続けると話してくださりました。しかし車で植林会場付近を移動した際、植林会場周辺ではしっかりと堤防に木が生えていたものの、5分ほど移動するとその区間も終わり何もない区間が現れました。植林活動をすれば津波から街を守ることができるというのはそのとおりであっても、実際に植林を十分に完了するまでどれほどの時間と労力を要するのかが気に掛かりました。
頭では理解していましたが、いざ行動に移すと現場の広さや一本ずつ木を植える疲れは理解していなかったことがわかりました。より長期的なスパンで活動を続けること、そしてより多くの人を巻き込んで作業効率を上げていくことが求められており、それこそが街の人々の希望にもつながるのではないでしょうか。
全体的な感想・気づき・初めて活動に参加しようと考えている学生へのアドバイス
ソフィア会実行委員会の仲間たちと植林活動をして多くの新たな発見に出会うことができました。それと同時に仲間と共に協力して活動をすることが楽しかったです。活動後に打ち上げをした際、仲間の多くも同様にみんなで植林できたのが楽しかったと語ってくれました。今回の植林活動に参加したことで、人のために努力することは仲間たちの絆を深めることにもつながるということも気づかせてくれました。一本ずつ木を植えていく疲れは体験してみないと真に理解することはできませんでしたし、仲間たちも木を植えた後に藁を敷く段階になった際に、まだ作業に続きがあるのかと衝撃を受けていました。
実際に足を運んでこのような活動に参加しようと考えているのであれば、より多くの仲間を連れていくべきだと思います。それは全体の活動量を増やすことができるという意味だけではなく、活動の難しさや辛さを仲間と共に感じ、共有して初めて頭だけではなく体でもその活動を理解することができるからです。