2023年の南三陸プロジェクトの現地研修が10月14日・15日に開催されました。
今回は二日間の研修の様子をお届けしたいと思います。
<1日目>
①南三陸への往路
14日朝、東京駅から新幹線に乗車して仙台へと向かいました。移動中は隣の人と話したり南三陸のことについて調べたりと和気藹々とした雰囲気でした。
仙台に到着後はバスで南三陸まで移動し、さんさん商店街で名物のキラキラ丼を頂きました。キラキラ丼とは、2009年の11月からスタートした南三陸産の海鮮をふんだんに使ったどんぶりのことで、震災後は復興のシンボルのような存在となりました。どのお店のキラキラ丼も非常に美味しかったです。
②山から学ぶプログラム
昼食をとった後はバスで移動し、「山から学ぶプログラム」に参加しました。このプログラムでは、林業家の方々とともにFSC認証がされた山林において適切な森林管理が行われているかを実際に確認しながら審査を体験しました。FSC(Forest Stewardship Council)認証とは、環境・社会・経済の便益に適い、きちんと管理された森林から生産された林産物を使用した製品を目に見える形で消費者に届ける仕組みです。林業家の方のお話を通して、森林の持続可能な運用と保全のためには、森林・人間・動物・環境全てに配慮した上で未来を見据えた多角的な視点から林業を行う必要があるのだと痛感しました。
お話を伺った後は火起こしのミニブッシュクラフト体験を行いました。山の中を歩いて燃料に使えそうな枝や枯れ葉を拾い集め、グループごとに火起こしをし、その火でマシュマロを焼いて皆で頂きました。共同作業を通して参加者の仲が深まったとともに、日々の生活ではする機会がない火起こしの難しさを実感しました。
③ホームビジット体験
1日目の夕方は班ごとに分かれ、南三陸で暮らす方々のご家庭に実際にお邪魔しました。班によって体験したことは様々で、野菜の収穫を行ったり、一緒に夕食を作って頂いたり、東日本大震災や復興、日常生活についてのお話を伺ったりしました。私がお邪魔したご家庭ではお母さんが最初に震災についての話をしてくださったのですが、当事者にしか分からない苦しみが直に伝わり、いかに東日本大震災が悲惨なものであったのかを痛感しました。特に震災の被害を受けて完全に崩壊した以前のご自宅の写真からは津波が2階部分まで凄まじい威力で到達したことが一目でわかり、恐怖を覚えました。
お話を伺った後は一緒に夕食を作りました。作っている最中から良い匂いが部屋中に広がり、自然と話も盛り上がりました。メインの生姜焼きで使用したお母さんが継ぎ足して作ったタレが非常に美味しかったです。また、どの料理からも食材の素朴な旨みが感じられ、南三陸の食の魅力に気がつきました。南三陸のオススメのお土産についてなど、地元の方だからこそ知っている事柄にも触れることができました。
3時間という短い時間ではありましたが、南三陸での実際の生活を肌で感じることのできた貴重な体験だったと思います。
④いりやどでの宿泊
1日目のプログラムを全て終え、私たちは「学びの里 いりやど」に到着しました。夕食後の全体ミーティングでは、1日目の活動報告や事後研修についての話し合いを行いました。特にそれぞれがホームビジットを通して経験したことはどれも貴重で有意義なものだったことが伝わり、学びの大きい時間でした。
~1日目を終えての参加者の声~
- 森林管理に関わる方々の話を聞き、自然の生態系を壊さず促進させるような働きかけをしながら、自然からの恩恵を受け取ることが、理想的な共生の在り方なのだと学べた。
- 全て貴重な経験だったが、私は特にホームビジットが印象に残っている。ご夫婦お二人とも本当に優しく迎えて下さり、たくさんのことを教えて下さった。震災当時の経験を始め、養殖、本、南三陸の街づくりのことなどを一緒に料理をしたりご飯を食べたりする中でお話して下さり、大きな学びとなった。何よりもお二人の暖かさと優しさが祖父母の家にいるような感じで、本当に楽しく良い経験だった。
「南三陸〜海・山・人と繋がる二日間〜」を開催しました/南三陸PJT2023 (2日目)はこちら
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