2023.03.07
先の報道にもあるとおり、元旦に石川県能登半島で発生した「令和6年能登半島地震」は地域に甚大な被害をもたらしました。災害復興支援のボランティアに参加した吉田拓人さん(新聞学科2年)の報告をご紹介します。
2024年3月18日から19日の2日間にわたり、私は石川県の鳳珠郡能登町で能登町社会福祉協義会災害ボランティアセンターにて災害ボランティアに参加しました。
1日目
バス移動 8:30~12:30
- 午前8時半に金沢駅の西口のロータリーからボランティア専用バスに乗車し、宿泊所がある穴水町の旧向洋中学校に向かいました。
- 道路は金沢市を抜け能登方面に向かうにつれ、災害の影響で地割れがひどくなっていき、高速道路でも時速40kmの速度制限が設けられていました
- バス車内で各自購入したおにぎりやパンで昼食をとりました。宿泊所到着後は荷物を置き、再びバスに乗車後、すぐに災害の被害が大きかった能登町に向かいました。
ボランティア活動 12:30〜16:00
- 能登町到着後、ボランティアセンターに集まり、ボランティア各自がボランティア活動を行う被災者宅を決めました。
- 実際に被災者宅に訪れ、家の外にすでに置いてあったタンスや本棚といった大型の家具や廃材、屋根から落ちてきた瓦などを仕分けし、軽トラで廃棄物処分場まで運搬しました。
バス移動 16:00〜17:00
ボランティア終了後はすぐにバスに乗車し、宿泊所まで戻りました。夕食は配給されたお弁当を宿泊所で食べました。
2日目
バス移動 8:10〜9:00
各自で持ってきた朝食を食べ、午前8時半に宿泊所の入り口に集まり、そこからボランティア専用バスに乗車し、前日とは別のボランティアセンターに移動しました。
ボランティア活動 9:00〜12:30
- ボランティアセンター到着後、前日と同じように、ボランティア各自でボランティア活動を行う被災者宅を決めました。
- この日訪れた被災者宅は、前日ボランティア活動を行ったお宅より被害が大きく、割れたガラスや日用品などが床に散乱していたため、まずは簡単な清掃から行い、タンスや本棚といった大型の家具や廃材、割れたガラスなどを家の外に運び出してから、仕分けを行い、軽トラで廃棄物処分場まで運搬しました。
バス移動 13:00〜16:30
ボランティア終了後はすぐにバスに乗車し、配給されたお弁当を食べました。途中宿泊所に置いてあった各自の荷物をバスに積み込み、金沢駅に向かいました。
ボランティアを終えて
今回のボランティアで、私は非常に貴重な経験をさせてもらいました。「普通の日常が過ごせること」へのありがたさを再認識させられ、「助け合い精神」の美しさを実感しました。今まで過ごしてきた人生で最も価値観が変わったといっても過言ではありません。私は今回初めて災害ボランティアに参加し、参加以前は力になれるか正直不安でしたが、結果、そのような事を心配する必要は一切なかったと今になって思います。被災地で貢献する事ができない人は一人もいません。
被災地の課題も浮き彫りになったと感じました。被災者の多くは高齢者で自身で災害によって生じた廃棄物を片付けることが困難であると実感しました。今回訪問させてもらった3件のお宅の居住者は全員65歳以上の方でした。これは今回のボランティアに参加した方々にも言えることですが、力作業が必要な災害廃棄物の処分作業を行なっているほとんどの方は高齢者だったのです。これにより、かなり重いタンスなど大型家具を運べる人は限られており、若い人の力の必要性を感じました。事実、私が参加したボランティアのグループには学生が全体人数の10分の1ほどと非常に少なかったです。学生はもっと被災地に興味を持ち、ボランティアに参加するべきだと感じました。そのためにはもっと、被災地支援の必要性を多くの人に認知してもらい、「気軽」にボランティアに参加できることを知ってもらうことが重要だと思いました。
※上智大学では学生の皆さんの災害復興支援活動への交通費補助を行っています。詳細はLoyola掲示板をご覧ください。