2022.10.14
ボランティア・ビューローでは2011年に発生した東日本大震災以来、各地の復興支援ボランティアでの活動に交通費補助を行っています。この制度を利用して能登半島へ災害復興支援ボランティアに参加した学生の声をお届けしていきます。今回は2023年度末にのボランティアに続き、2回目の復興支援に行かれた頼住悠さん(法律学科3年)からの報告です。
活動場所
石川県珠洲市
活動期間
2024年4月8日(月)~4月9日(火)
行程・活動内容
1日目
08:05 金沢駅西口集合
10:30 奥能登ベースキャンプ(穴水町)到着
12:30 珠洲市災害ボランティアセンター到着⇒活動開始
16:00 活動終了
17:10 奥能登ベースキャンプ到着
初日は、半壊した住宅から、高さ2メートル以上、大人6人でぎりぎり持ち上がるくらい大きい仏壇を救出する活動を2件行いました。災害ゴミではなく、住民の方の大事なものなので、運び方に細心の注意を払って救出しました。住宅は、平衡感覚を失うくらい斜めに傾いており、天井は崩れ、ふすまも動かない状態でした。階段も損傷しており、大きなタンスを下ろす作業もしましたが、いつ倒壊してもおかしくない状態で、建物も地震がまた起きたら崩れそうな状態で死と隣り合わせの活動でした。
2日目
07:20 奥能登ベースキャンプ出発
08:30 珠洲市災害ボランティアセンター到着⇒活動開始
13:30 活動終了
14:40 奥能登ベースキャンプ到着
17:15 金沢駅到着 解散
2日目は、大雨により活動が制限され、ボランティア作業車の清掃などを行いました。
活動後に感じた被災地、被災者が抱える「課題」、そこから読み取れるニーズ
前回の七尾市の活動でも感じましたが、被害を受けた方への支援(ボランティア面)が全く足りておらず、より多くの人の支援、より継続的な支援が必要であると感じました。
奥能登ベースキャンプにて体育館で寝袋を敷いて宿泊をしましたが、床が固く、夜中になども起きてしまったりなど熟睡しづらく感じました。また、断水が続いていることで、トイレは簡易トイレで、匂いや衛生面が気になり、水道も使えないため、手も洗いづらい状況でした。
こうした生活を3ヶ月以上続けることは、とてもストレスの溜まることだと感じました。そうした被災者の今後の生活への支援も必要だと感じました。半壊し斜めに傾いている家に住み続けている方や家の倉庫に移って住んでいる方もおり、安全性の観点からも仮設住宅の設置が必要と感じました。
全体的な感想・気づき・初めて活動に参加しようと考えている学生へのアドバイス
私は、穴水町にできた「奥能登ベースキャンプ」に宿泊しました。奥能登ベースキャンプという場所だと考え、看板などの写真を撮ったりしていました。しかし、行って初めて理解したのですが、ここは、元は「高校」。4月8日、本来であれば新学期が始まり、毎日のように授業が行われるはずの教室で私たちが弁当を食べ、休み時間には賑わう廊下には支援物資が並び、体育や部活で使う体育館で寝袋を敷いて寝泊まりをする。
地震なんて起きなければ。Googleマップでみると、奥能登ベースキャンプと書かれている。高校とは書いてない。高校のはずなのに災害がそこをベースキャンプに変えてしまったんだと気づかされました。本来であればそこにあったはずの青春は姿を消し、全国から来たボランティアの受け皿になっている。これを当たり前と思ってはいけない、この場所を少しでも早く元の姿に戻すために活動しないといけないのだと感じました。
今回初めて、1泊2日の行程で津波被害も受けた珠洲市に行きました。持って行った方が良いものがかなりあったので、下記に記載します。
- 寝袋
- 枕
- 耳栓
- ウェットティッシュ
- ティッシュ
- ゴミ袋(多め)
- 間食(栄養補給できるもの)
- スイーツ・お菓子(精神的にもストレスがかかるので、気分転換できるもの)
- 防塵マスク
- かっぱ
アドバイスとしては、真剣になりすぎてしまうことはやめましょう。楽しむという表現が正しいか分からないですが、元気に笑顔で活動を楽しくやることです。被災者の方は、精神的なダメージを負っている方もいるので、笑顔で元気を分け与えられるようにした方がいいと思います。それも含めた支援です。また、全国から様々な人がボランティアに来ているので、コミュニケーションを積極的にとった方が楽しいと思います。