大学の中と外で、いまおきているあれこれを紹介する「上智のいまを発見」。今回は、先日の「第45回 音楽祭」について音楽協議会広報部の小野坂知子さん(社会学科3年)がご寄稿くださいました。
コロナ禍で音楽団体が抱える葛藤
私が所属する音楽協議会は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で2020年の2月を最後に、ほとんど全ての活動を停止せざるを得ませんでした。
音楽団体にとって、音漏れを防ぐための窓の無い地下の防音の練習室は不可欠でしたし、合唱・管楽器における飛沫飛散を気に留めたことはありませんでした。地下練習室の閉鎖に伴い、音楽団体は2020年10月まで、対面での一切の活動を禁止されました。社会が私たちに求める感染対策は、音楽活動をする上では大きすぎる壁となって私たちの前に立ちはだかったのです。
音協は活動を停止したまま代替わりの時期を迎えました。私自身も、後継が決まらず困っている先輩がかわいそうだと思い、広報部長がどんな仕事をするのか分からないまま役職に就きました。前任者は音協としての活動はほとんど何もしていないため、私はまともに顔も合わせたこともない先輩と、zoomで過去の引継ぎ資料をなんとなく読み合せて代替わりを終えました。
音楽祭に向けた思い
第45回音楽祭は、新宿文化センターの大ホールを借り、およそ400名の参加者と220万円ほどの資金をもって運営する非常に大規模なイベントですが、運営に携わっていたのは私を含めたった6名だけでした。そして6名全員が私と同様に、なんとなく代替わりを経て役職に就いており、さらにお互いに面識もありませんでした。
本当に何も知らない6名で音楽祭を開催するとなると、何から手を付けて良いか誰も分からない状態です。コロナ禍においてホールの利用方法や演奏会の開催の規約も大幅に変更されたため、コロナ以前の資料もあまり頼れません。そこで私たちは音楽祭の3か月半前から、毎週金曜日21時半からzoomで定例会を開き、時には1時過ぎまで議論を交わしました。
音楽祭のテーマは「音楽の復活」。それは失われた音楽の発表の場の復活としての意味だけでなく、音楽協議会の復活でもありました。せっかく白紙の状態から音楽祭を作り上げられるのなら新たな取り組みをして楽しいイベントにしようと話が盛り上がり、様々な案の中から、YouTube配信やソフィアンくんの登壇、全参加者のおそろいのTシャツ作成が決まりました。こうして運営メンバーで楽しさを追求した結果、もとより音楽祭の課題として挙げられていた「参加者のモチベーションの低さ」まで自然と解消されていきました。
今後の音楽協議会
代替わりをした頃からは考えられないほどに、音楽祭は大成功に終わりました。「音楽祭楽しかった!」という投稿がSNSにいくつも上がるのを見て、私は心の底から嬉しさと運営メンバーへの感謝の気持ちが沸き上がりました。
先日、私は次期広報部長にzoomで引継ぎをしました。私たちはコロナ以前とコロナ以後の音楽団体の活動を知っていますが、彼女たちはコロナ以後に大学に入学した学生です。恒例だったフレッシュマン・ウィークも、1号館で開催される音協主催のフレッシュマン・コンサートも未経験です。そんな彼女が、「フレマンのコンサートも、紀尾井の森コンサートも、せっかくやるなら楽しいものにしたいので」と話してくれました。彼女たちがまっさらな状態から作り上げる今後の音協の活動がどんなものになるのか、期待を込めて見守っていきたいと思います。
担当者memo
チケットが完売したと大成功の噂を聞いていた今年の音楽祭の裏には、大変なご苦労があったのですね。楽しいイベントにしようという運営メンバーの熱量が伝わってきました! 来年の音楽祭も楽しみです!
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それでは次回の発見もお楽しみに。
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2023.09.29