2021.08.30
こんにちは! みりんです!
突然ですが皆さん、こちらの模様をご存じですか?
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「言われてみれば見たことあるなぁ……」くらいでしょうか。
さて、ここで生まれる疑問がありますね。
「この模様は何?」
私のリサーチでは以下のことが分かりました!
Sophians’ Diaryからのヒント
デザインを担当した日本デザインセンターのサイトにはこう記載されています。
「表紙には、校舎の意匠に使われている象徴的な建築モチーフを抽出」
Sophians’ Diary | 日本デザインセンター (ndc.co.jp)
なるほど……。ではキャンパス敷地内の建築を巡り、模様を探そう! ということで探検しました~。以下の地図では大まかにですが、模様のある場所を星マークで示しています。
いざ、キャンパス探検!
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キャンパス内から見られる場所
- 北門の扉(茶色の部分)
- 2号館と6号館の渡り廊下
- 2号館(外部階段)
- 3号館(1階A階段脇)
- 4号館(南門前出入口手摺り)
- 9号館カフェテリア屋上(手摺り)
- マシンホール、クルップホール、パワーステーション1(キャンパス内側外壁部)
- 13号館(特別食堂内仕上げ)
キャンパス外から見られる場所
- 2号館1階とイグナチオ教会の間(搬入車両用入口の上部)
- 東門
- マシンホール、クルップホール、パワーステーション1(キャンパス外側外壁部)
北門の扉(茶色の部分)
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門扉の茶色い部分にうっすらと刻まれています。門を通るときは見てみてください!
2号館と6号館の渡り廊下
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北側、南側の両側から見ることができます!
ちなみに、こちらは南側から見た様子です。
2号館(外部階段)
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2号館から6号館へ向かう渡り廊下を通る際に見ることができます。これは気にしていないと見逃してしまいそうですね……。
3号館(1階A階段脇)
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この場所はなかなか行かないかもしれないですね。私も初めて訪れました(笑)。
階段の雰囲気を含め、重厚な雰囲気がありますよ!
4号館(南門前出入口手摺り)
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こちらはコンパクトバージョンです(笑)。
さりげないアクセントになっています!
9号館カフェテリア屋上(手摺り)
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歴史を感じさせる風格がありますね!
残念ながら現在立ち入ることはできませんが、解放されたら近くで見てみましょう~。
マシンホール、クルップホール、パワーステーション1(キャンパス内側外壁部)
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一番下の模様は2メートル近くあり、とても大きいです。ちなみに、ハラルデリカフェのテラスからよく見えますよ~。
13号館(特別食堂内装仕上げ)
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いかにも特別な部屋という感じがしますね! ここは普段は学生が自由に出入りすることはできません。職員の方も特別な行事以外で入ることはないそうです。
今回は学生センター職員の方が以前訪れた際の写真を使用させていただきました。
まだまだキャンパス探検の途中ですが、ここで模様について分析してみましょう!
こうして多くの場所を見てみると、「円」と「四つ葉」と「窓」のような3つの模様が存在することに気づきますね。そこで、キリスト教シンボルについて調べてみました。
文献からのヒント
- 「円」について
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「神性。1本の線で描くことができる完全なる幾何学図形である円は始まりも終わりもない。また、円は計ることができない。これらの属性から円は神のシンボルとされる」
『キリスト教シンボル辞典』ミシェル・フイエ著 武藤剛史訳、白水社、2006年、30頁より
神性という偉大な意味があるようですね!
- 「四つ葉」について
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「四つ葉のクローバーは豊かな象徴性を持つ。また、神の受肉の形象となる。つまり、神性が人間的現実(伝統的に四角で表される)に入ったことのシンボルである」
『キリスト教シンボル辞典』61頁より
神の受肉とは神が肉体を持つ、つまり人間の姿で現れ、救いを成すことを示すようです。神が人間と近くなるようなイメージでしょうか。
「建築の用語で『四つ葉飾り(quatrefoil)』と呼ばれるこの装飾は、ゴシック建築やアメリカ南西部のミッション様式の建物に多く用いられています。
『四』という数には様々な解釈があり、『東西南北』つまり『全世界』あるいは、その形から十字架を表すとも言われます。
その中でもとくに、イエス・キリストの言行を記す『福音書』が、新約聖書の『四つの福音書』を象徴するものと考えられるようになりました。四つの葉は『福音』=グッド・ニュースをもたらすと言うわけです。
関西学院大学西宮上ヶ原キャンパスサイト 「キャンパスの中のキリスト教シンボル」より
4という数字には良い意味が沢山あるようですね~。
実際、キャンパス内の模様の中でも最も四つ葉が多く、そして大きく描かれている気がします。
・「窓」について
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「ひとが通り抜けることはできず、ただそれを通して遠くを見るだけである。また、空気を、そして何よりも光を室内に入れる機能を持つ」
『キリスト教シンボル辞典』159頁より
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キリスト教における窓、そこから得られる光には深い意味があるように感じます。例えば、教会建築ではステンドグラスが印象的ですよね。また、こちらのバルバトスにある聖ヨハネ教会の窓が模様と似ています! もしかしたら手がかりとなるかもしれません。
続いて、キャンパスの外から見ることができる模様の場所を紹介します!
2号館1階とイグナチオ教会の間(搬入車両用入口の上部)
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一見分かりにくいですが、3種類の模様がありますね! これらはキャンパス内からも見ることができます!
東門
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ちょっとマイナーな東門ですが、模様は沢山、そしてはっきりと描かれています!
現在改装中ですので、そちらが終了次第、近くで見てみたいですね~。
マシンホール、クルップホール、パワーステーション1(キャンパス外側外壁部)
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東門から紀尾井方面沿いにかけて沢山ありました(笑)。
シンプルな外壁に模様の装飾が目立つ形で使用されていて面白いですね! それだけこの模様を大切にしていることが伝わります。
さて、ここまでキャンパスのいたるところにある模様を見て来ましたが、模様の正体に迫る大きな手がかりはなさそうでした……。
そこで、大学資料から手がかりを探ります。
大学資料からのヒント
・1972年の大学案内
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表紙は、Ⅲ号館の土手寄りにあるロマネスクふうの壁を、一部分写真にとり、デザインしたもの。この壁は1962年、Ⅲ号館を新築したとき、12世紀に建てられたあるヨーロッパの教会をモデルにした。この時代の教会建築はロマネスク様式とよばれ、十字架の平面プランに重厚な壁をもつアーチが重なり、外観は単純で重々しく神秘感に富むのを特色としている。
これらの資料に使用されている模様は以前の3号館の外壁です。残念ながら、現在外壁は変わってしまい、この模様を見ることはできません。ですが、「12世紀に建てられたあるヨーロッパの教会をモデルにした」と示されており、手がかりとなりそうです。
さて、続きが気になるところですが、今回はここまでです。
最後に
キャンパス探検は行ったことがない場所も多く、建築の歴史も感じられ、楽しかったです! 皆さんも今度ぜひ、模様視点といういつもとは違う角度からキャンパスを楽しんでみてください! もしかしたらまだ発見できていない模様があるかもしれませんよ。
模様の意味など、まだまだ疑問は残りますね。次回パート2では、インタビューを中心に模様の秘密に迫ります! お楽しみに~。
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