ホフマン・ホール防災訓練
2023.02.07
ホフマン・ホール防災訓練
2023.02.07
先週からお送りしているウェルネスセンター記事、つづく第2回は気になるQ&Aと学生へのメッセージです! 利用している方、利用を迷っている方、サービスを知らなかった方それぞれに、大切な情報と言葉をお届けできればと思います。ぜひじっくりとお読みください!
応急処置、内科・精神科の医師による面談(週2回予約制)、看護師への身体・心の相談ができる。
その違いはとても大きいと思っています。身体の悩みに対する心の悩みの違いは2つ、問題点の曖昧さと解決策が多岐にわたることだと思います。
身体の悩みは問題点が「痛い部分」や「困っている症状」など明確ですが、心の悩みはまず問題点(何に困っているのか)を明確にするのが難しい。見えないものを形にするところから始める必要があります。また解決策も、身体の悩みは基本的に対・症状の療法なので比較的わかりやすいのに対し、心の悩みは解決策にこれまで生きてきた環境、経験したことなどが強く影響するため一般化が難しい。
見えない問題点とその解決策を考えること。その作業は自分で考えることで上手くいく場合もあれば、誰かに話すことで頭の中が整理されて見えるようになることもある。そしてそれをお手伝いするのが心の健康相談だと思っています。「これで困っている」とはっきり言えなくても大丈夫、相談しながら困っていることを言葉にし、目に見える形にしていきましょう!
ウェルネスセンターを知り、相談しに来てくれてありがとうございます。
ここでは学生の皆さんの心や身体の悩みを少しでも減らせれば、と日々様々なことを企画しています。それには学生さんが実際に何に悩んでいて、どんな問題が学生生活に潜んでいるのかをリアルタイムで知っておく必要があります。皆さんが利用してくれることで、学生のありのままの姿を知ることができ、私たちの活動がより学生さんに寄り添ったものになっていきます。これからもどんどん利用してください。
検討している理由にもよるとは思いますが、もしもそのことで一定期間悩んでいたり、そのことが自分の頭の中の多くの部分を占めているな、と感じていたりするなら是非来てください。自分だけだと10回考えて10回同じ結論になることも、別の人に相談すると案外別の結論になったりもします。気軽に来室してください。
また、もしも利用を迷っている理由が「時間がない」「相談はしたいが来室が難しい」という物理的な理由なら、電話やメールで相談を受けることもできます。できる限り、学生さんそれぞれの状況に合わせたサポートを提供できるよう心がけています。
この度は知っていただきありがとうございます。もしもあなたやあなたの周りの人が困っていたら、是非ウェルネスセンターにお越しください。
スタッフみんなでお待ちしています!
公認心理師・臨床心理士のカウンセラーとの面談、グループプログラムやワークショップの体験ができる(全て予約制)。
大きな違いは解決へのアプローチ。健康支援は医師・看護師に相談し、症状の重さや病院に行くべきか、時にはお医者さんやお薬の紹介など医療的に身体の面から悩みの解決を目指します。一方、カウンセリングは、カウンセラーに「何となく気分が沈んで」など、話しやすそうなところから話していただき、心の面から、解決を探していく。例えば、よく眠れない、ご飯が食べられない、というときに、身体の具合が悪い場合と、心の問題のサインとして起きている場合があります。
ですが、二つとも共通しているのは学生の皆さんによりよく生きてほしい、ということだと思っています。
印象として、上智大生の皆さんは、問題を自分で分析して解決することに慣れているように見えます。成績を上げるにはこれが足りないから、ここを頑張ろう、とか。でも心の問題は自分の中だけ、分析だけで解決できるものばかりではないですよね。なのでひとつのタイミングとしては、「普段楽しいはずのことが楽しめない」「普段の自分ならしないことをしている」など今までとちょっと違ってなんだかおかしいな、という自分に気付いたときかなと思います。
悩みに大きい、小さいは関係ありません。苦しい時間をひとりで歯を食いしばって耐えるのではなく、一緒に眺めるようにして話していけたらと思います。カウンセリングは人に頼るとか、甘えるとかいうイメージがあるかもしれませんが、そうではなく「お互い」だと思います。そして、今、相談してくれたことが、これから誰かのためになる、そう思って頂ければと思います。
真摯に相談してくれて嬉しく思っています。せっかく来てくれたその時間を有効に使えるように、お話しできたらと思っています。
相談を考えているということは、ご自身だけで抱えているのがいっぱいいっぱいになっているときだと思います。もうどうにもならない、そうなる前に、ぜひ一度来てみてください。
カウンセリングサービスはメンタルに問題のある人だけが利用する場では決してなく、話をする中で何か気付きを得て、自分の成長に繋がる場です。図書館を利用するように、くらい、身近な感覚で来てみてください!
障がいを有し、修学上の配慮・支援を必要としている学生の一次相談窓口。学生からの要望を聞き取り、学内の関係部署等に繋げ、大学で実施可能な配慮(合理的配慮)を調整するコーディネーターの役割を担う。
学生ごとに、障がいの状況や、得意(できる)・不得意(できない)なことが多様であることから、学生ごとに対する適切なアプローチの見極めは難しいです。
「合理的配慮」は英語の“reasonable accommodation”から訳された言葉ですが、日本語の「配慮」という言葉には、「特別な優遇をする」といった印象を持つ方もいるかもしれません。ですが、高等教育機関で行う「合理的配慮」の本質としては、「変更・調整」という言葉の方が合致しています。
障がい学生支援として求められることは、障がいのある学生が、障がいのない学生と公平な修学上の環境や情報を得られるよう、大学側の障壁(バリア)を取り除く変更・調整を行うこと、その必要性を適切に判断することにあります。
学生の相談に寄り添うとともに、大学側のスタッフとして「大学としてできること、できないことがある」ことを学生に理解してもらうために説明していく必要もあります。その中で、学生と建設的な対話を行っていくのが私たちの務めです。
日々様々な相談があり、検討が難しい局面も多くありますが、一人一人の大事な学生生活の環境を整える仕事なので、慎重に、かつ、やりがいをもって対応しています。
障がい学生支援では、障がいによる困りごとを抱えている学生が、大学生活だけでなく卒業後の社会でも生き抜いていく力をつけていってほしいという思いから、「支援を通して目指すゴール」として3つの力(①援助要請力②自己理解力③工夫する力)を掲げており、時間をかけてでも、学生本人が納得のいく人生を歩んでいけるように、個々の学生さんのサポートをしたいと考えています。
私たちに相談いただくことが「自分から必要な助けを要請する力」の第一歩となります。迷っている時は、一人で悩まず、お話を聞かせてください。
相談にいらっしゃる方には、まずはご自身の障がいという特性を「自分自身で理解して」あげてほしいと思います。
誰かの力になりたいと思う人はたくさんいますが、誰もが相手の心の内に気づけるわけではありません。また、相手によっては、あなたの置かれている状況が十分に理解できなくて、勘違いされてしまうこともあるかもしれません。
だからこそ、「自分はどんなことが苦手で、どんな工夫があるとやりやすいのか」という自身の状況を自分の言葉で伝えていくことは、障がいという特性を活かしながら社会と付き合っていくうえで、とても大事なことです。
私たちは、障がい学生支援という関わりを通じて、みなさんが上智大生として、一人ひとりの能力・適性を伸ばし、社会に出ていくための礎となる力を得ていくことを願っています。
2022年9月に正式スタート。どこに相談したらよいか、大学に相談してもよいのか、自分の相談内容に合わせて大学内の適切な部署・サービスに繋いでもらえる。〈Web Piloti申込フォームより相談〉
困っていることがあればぜひ相談に来てほしいと思う一方で、大学としてどこまでできるのか、すべきなのかというところ、またすべてを本質から解決できるわけではないところに、もどかしさとともに難しさを感じています。
また私たちにとって大切なのは、お悩みの解決だけではありません。もちろんその学生さんに同じ問題が起こらないことが一番ですが、もしまた同じことが起きたときに自身で解決していける力をつけてくれることも重要ではないかと考えています。相談したその後、さらに卒業後、生きていく力をつけてほしいと思って相談に対応しています。
必要であればいつでも活用してください。一度利用したからと言ってもうできない、なんてことは全くありません!
こんなこと聞いてよいのかな……と思っている方、迷っている方は、ぜひそんなことは思わずにまず一度ご利用してみてください!
こうしたサービスが上智にあることを知ってもらって、その上で「相談はないから利用しない」というのが一番です! そしてもちろん、大学に相談してよいのか、どこに相談したらよいのか、迷ったときは「なんでも相談窓口」に聞いてみてください。
ウェルネスセンターの一層の充実のため、全体をオペレーションする場として2022年7月、新設。
「連携」がひとつのカギになると思っています。「なんでも相談窓口」から健康支援の精神科医の先生との面談に、障がい学生支援からカウンセリングサービスに、などそれぞれの学生さんがより必要とするサービスに繋ぐことが大切です。
個人情報の管理、守秘義務はどの部署でも慎重にしているのですが、障がい学生支援・メンタルヘルスに関しては特に厳重にしています。一方で、もちろん学生さんに許可を得てからですが、より良い対応のためにウェルネスセンターの中で情報を共有することが必要です。さらにはキャリアセンターへの連携や学外の専門医を紹介する必要があることもあります。
これからさらに体制を整えて、学内にも、また学外にもウェルネスセンターによるサービス・支援の内容や活動を見える化していけたらと思います。
本来、身体についても心についても学生さんからの相談件数というのは少ない方がよいですよね。ですがその少なさが、悩みの少なさを表しているのか、単に相談できるしくみが認知されていないのか知ることは難しい。学生さんに知れ渡っているが、悩みが少ないから利用が少ない、というのが一番だと思います。私たちとしても大学のHPやソフィアンズガイドで、大学のどこに何のサービスがあるのか、どんな機能があるか示していくことが大切で、それを学生さんに見て理解してもらうことが必要だと思っています。
そして、学生さんが今どんな悩みを抱えているのか知ることも大切だと日々感じています。
お互いに情報をキャッチし合い、理解を深められたらと思います。そしてより良い学生生活を、その後の人生を送ってほしいと願っています!
取材を通して本当にたくさんの貴重なお話を聞きました。記事にする上では泣く泣く厳選したところも少なくありません……。ですが全体を通して強く思ったのは、上智の学生生活の環境というのが、一人一人それぞれに違うという考えとお互いにという心をいつも大事にしているということ。
大学の理念などはよく表面的にとりがちですが、上智の理念は本当に実態となって表れているんだと感じずにはいられませんでした。
この記事を通して、上智って良いな、そう改めて思いました!
最後に、インタビューに協力してくださった鳥居さん、郷さん、野尻さん、釜田さん、渡邉さん、また撮影にご協力くださった健康支援の看護師の皆さま、そして取材にご協力くださったすべての方々に、心より御礼を申し上げます。