2021.09.21
2021.09.21
こんにちは! 沙都です。いつの間にかすっかり秋らしくなりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。今回は、先々週・先週に続き短期留学プログラム第3弾として、留学の様子をお届けします。
私は2024年9月10日~20日にかけて、グローバル教育センターが開講する「エストニア・スタディーツアー:持続可能な社会構築に向けた教育の可能性」に参加しました。このプログラムは語学研修とは違う実践型のプログラムの一つで、語学そのものを学ぶ短期語学講座に対し、現地での学びに重点を置いたプログラムです。
春学期にエストニアについて学ぶ複数回の事前講義を受講後、首都であるタリン、エストニアで一番広い島であるサーレマー島、そして文化都市であるタルトゥを訪問しました。2022年度の冬にこのツアーに参加した先輩記者がいらっしゃいますが、このツアーは毎年時期や内容が違うのが特徴です! 今回は、2024年度・夏期版として皆さんにお届けできればと思います。冬と夏のスタディーツアー、比べてみても面白いかもしれません。
ちなみに、エストニアってどこだっけ……? っていう方のために。エストニアはバルト三国の一つで、フィンランドの南・ロシアの西に位置している小さな国です。面積は九州よりやや広いくらい。左下の大きい島が今回訪れた場所の一つ、サーレマー島です。
第2次世界大戦以降当時のソ連に併合されていましたが、1991年に独立を回復しました。公用語は、エストニア語。ですが、多くの人が英語を話せることや教育大国であること、そして住民登録や企業など全ての国への申請がデジタル化されている国でも知られています。かくいう私も地理が苦手なので、行くと決めるまで位置があやふやでしたが……(笑)。(上画像は外務省ホームページから引用)
エストニアへ行ってみて印象に残っているのは、街の至る所にエストニアの国旗が掲げられていたことです。もちろんエストニアの国旗が一番多かったですが、ウクライナの国旗もよく目にしました。エストニアはロシア(ソ連)以前にも、13世紀以降様々な国から長期間支配を受けていました。流暢な日本語でタリンをガイドして下さったSisi Salumaaさんによると、このような歴史的背景から、エストニア人は他国からの侵略というものに対して強い危機感を抱いているそう。
ロシアによるウクライナ侵攻を受け、エストニア政府は積極的にウクライナからの難民を受け入れるなど、ウクライナへの支援を手厚く行っているとのことでした。日本にいるとウクライナやロシアの情勢がどこか遠い出来事に感じていましたが、エストニアに来てみると今近くで戦争が起きているという現実を強く感じました(もちろん、危険な雰囲気は一切なかったです!)。
今年のスタディーツアーの最大の特徴と言っても過言ではないのが、サーレマー島を訪問した事です。エストニアが領有する島で一番面積の広いサーレマー島。広大で豊かな自然が残ると同時にクレサーレ城というお城を中心に発展しているので、本土に住むエストニア人からの人気の観光地としても知られているのだそう。
ここでは現地に住んでいらっしゃる何人かのガイドさん達にツアーをしてもらいながら環境に対する意識や、自然と暮らす彼らのライフスタイルがどのようなものなのかをお聞きしました。その中で一番驚いたのは全員「持続可能な環境とは、自然を100%手付かずの状態にすることではない」と仰っていたことです。
植物を完全に放置しありのままの自然にしてしまうと、草木は伸び放題になり荒れてしまい、かえって生態系が崩れてしまうそう。木を少しだけ人の手を加えて育てたり、また伸びすぎた草を刈り動物達が住みやすいようにしたりするなど、ある程度人の手を加える“semi-natural (半自然)”という状態にすることで、人間と動物、植物が共存できる環境を目指しているそうです。
写真では伝わりにくいですが、真ん中にある細いワイヤーを超えて左半分は植物が生い茂っているのに対し、右半分は少しだけ刈られていました。草を短くすることで鳥が餌を食べやすくなるそう。
私達が最後に向かったのは、エストニア第2の都市、タルトゥです。タルトゥは今年欧州文化首都(ヨーロッパの都市をアピールするために都市を選定し、その都市は1年間集中的に文化行事が開催される祭典)なので、街の中心にはこのようなオブジェが!
ここでも様々な場所を訪問しましたが、一番印象に残っているのは、ネイチャーハウスという教育施設を見学したことです。
ここの中には大きな庭や温室があり、自然と触れ合うことができます。子供たちが放課後にここへ来て野菜を育てたり、温室で育てている植物や動物を見学することができたりするそうです。他にも工作や実験等ができるようで、施設には沢山の本や顕微鏡などがありました。子供達の興味や好きな事を探究できる施設です。
中でも一番エストニアらしいな、と感じたのは温室にあったこの換気扇。なんとパソコンなどのインターネットから放出された熱を再利用し、温室を温めているのだそうです。訪れたのはちょうど小学校の終わる15時頃だったので、ネイチャーハウスはとても賑やかでした。ここで放課後を過ごせるなんて、現地の子供達がちょっと羨ましかったです。
そして、タルトゥでは今回も日本文化を体験してもらうイベント、Japan Nightを開催しました! 日本や日本文化に興味がある抽選で当選した約60人のエストニア人に来ていただき、書道・折り紙・スーパーボールすくいを体験してもらいました。来場してくださった人達から日本の「アニメ」や「歴史(武将や忍者など!)」、「食べ物」の他にも「日本を観光するのに、おすすめの場所を聞きたい!」という方や、「日本語をオンラインで習っているんだ!」という小さな子もいました。現地の新聞にもJapan Nightの様子が掲載されたようで、日本文化に興味を持ってくれる人の多さに驚きと嬉しさで胸がいっぱいでした。
いかがでしたでしょうか。このスタディーツアーを通してエストニアという、まだまだ知られていない国の文化や歴史を、直接現地の人から聞き、知ることができたとても貴重な機会であったと思います。またこのツアーは、語学習得のための留学ではないですが私は海外自体がほとんど初めてだったので、私にとってはいい英語の勉強にもなりました(笑)。
上智の海外短期プログラムは、他にもいろいろなツアーがあります。気になる方はぜひグローバル教育センターなどからチェックしてみてください!
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