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上智学生記者クラブ通信

#343 国際機関ってどんなところ?
実践型プログラム「ジュネーブ国際機関集中研修」

2025.11.07

暑かった夏もようやく終わり、肌寒くなってきましたが、皆さんはどのように過ごしていますか。私は大学卒業前に自動車免許を取るため、自動車学校に通いながら秋学期をスタートさせました。留学に憧れながらも、気がつけば4年生の私ですが…… この夏、ついに短期留学プログラムへ行ってきました! それが今回ご紹介する実践型プログラム「ジュネーブ国際機関集中研修」です。
国際機関に関するプログラムは、れいれいさんの記事でも紹介されています! ぜひ#84, #102も見てみてください !

▲スイス国旗が並ぶ街並み。赤と黄色の旗はジュネーブの旗です。

 IOM, OCHA, IPCC, UNITAR……アルファベットが並んで何やら呪文のようですが、WTO, UNHCRと言えば聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。これらは全て国際機関の略称です。このような国際機関の本部があるスイスのジュネーブを、学年や学部の異なる25名の上智生で訪れ、10日間にわたり各機関の活動内容やキャリア理解を深めてきました。参加動機は十人十色。国連で働きたい人、記事後半でご紹介する3+2プログラムでジュネーブ大学院進学を志す人、普段は入れない国際機関を知りたい人などなど。ちなみに私は、各国際機関の位置づけを自分の目で見て、理解したくて参加を決めました。

▲Palais des Nationsで1枚。後ろに見えるのは地雷撲滅の象徴「壊れた椅子」です。

そもそもスイスってどんなところなの??

スイスと言えば、アルプス山脈。マッターホルンやモンブランの自然を楽しみたくてチューリッヒを訪れる方は多いと思いますが、私たちが訪れたのはスイス西部にあるジュネーブです。とはいえスイス自体の大きさは九州と同じくらいのため西側のジュネーブにいても、晴れている日にはモンブランが綺麗に見えたり、標高が高いので夏でも朝晩は長袖が必要なくらい涼しかったりと山の気分を十分に味わえます。

 ▲噴水の後ろには、雪が残るモンブランが見えます。

スイスの公用語は4つあり、国際機関が30以上も集まる国際都市ジュネーブの公用語はフランス語です。レストランのメニューから町での会話まで全てフランス語だったので、英語だけではなくフランス語の発音が上達しました。Bonjour!

▲街中は石畳の坂が多いです。

実習期間中の過ごし方

1日に回る機関は約4箇所です。9時から17時頃まで4つの機関を歩いて回るので、ジュネーブにいた時の歩数計は毎日1万歩で健康的な日々でした(帰国後に測ったら筋肉量が増えていてビックリ)。各機関では職員の方から業務内容やキャリアまで幅広くお話を伺った後、質疑応答の時間が設けられています。留学だから全部英語でしょ、と思った方も安心してください。お話をしてくださる職員の方は外国の方と日本の方が半分ずつくらいだったため、日本語のセッションもあります。訪問した機関は4日間で合計18箇所。全てを記していると長くなってしまうので、ここでは私が特に印象的だった訪問先を2つご紹介したいと思います。

▲訪問した機関の1つ、WTO。

1つ目はUNDRR(国連防災機関)。複数の機関において、「災害が多い国として、その経験や技術を防災知見として世界に広める役割」を日本に期待されているとのお話が挙がっていました。このUNDRRはリスクの把握や災害の観測を通じて、まさに世界の防災を担う機関です。私たちはグループに分かれて実際に世界で起きた大災害を脆弱性やリスク因子などに要素分解することで、どのように防ぎ得たのかを分析するワークを行いました。地理的な要因、心理的な側面、そして公的な仕組みなど複数の問題が絡み合い災害は発生するからこそ、世界で起こり得る多種多様な災害に対して多面的に備える重要性や難しさを実際に体感することができました。

▲グループワークの様子。英語で各班、発表を行いました。

2つ目に印象的だったのはGI(国際・開発研究大学院)。ここは国際連盟の理念を元に設立された経緯があり、国際機関職員や国際NGO職員を輩出する世界的にも有名な大学院です。冒頭の参加動機に記載した3+2プログラムという言葉は何のことだろう、と思った方もいるのではないでしょうか。上智大学には学部で3~3.5年学んだのちに、提携する海外大学院で2年間の修士課程を終えて計約5年で上智大学の学士号と海外大学院の修士号が取得できるプログラムがあります。その上智大学と提携する海外大学院の1つが、ここGIです。

▲案内していただいたGIの図書館の様子。

講義のなかでは突然、私たち学生がなぜジュネーブに来たかの動機を尋ねられたり、質疑応答の時間にも「あなたはどう考えるか」と逆に意見を求められたりと、自分の意見を持つ必要性を肌で感じました。国際機関を志す学生に囲まれて修士号を短い期間で取得できる上智大学ならではのこの制度。入学案内や学内の見学もさせていただけたので、ぜひ気になる方は、この研修で現地を訪れてみることをオススメします!

▲講義の風景。

こんな感じで、どうやったら国際公務員になれるのか、自分が興味ある分野はどの国際機関が担当しているのかなどを実際の職員の方から教えていただけました。

研修以外の時間は何をしているの??

17時頃には研修が終わるので、夕食はスーパーでお惣菜を買ったり、時にはレストランで食べたりと各自、自由にスイスの生活を満喫していました。ヨーロッパあるあるかもしれませんが、スイスのお店や観光名所が閉まるのは19時と早いので、お土産も急いで買いに行くことになります。スイスは日の入り時刻が遅いので、20時になっても町は明るく、景色を長く楽しむことができました。

▲街中には路面電車が多く走っており、毎日利用していました。

スイスといえばアルプスの少女ハイジが美味しそうにチーズを食べるシーン……私も憧れていました! 実際、ホテルの朝食には数種類のチーズが出たり、スーパーには数えきれないほどのヨーグルトが並んでいたりと、乳製品好きにはたまらなく幸せな国であること間違いなしです。

▲チーズフォンデュはワインの良い香りがして、おいしかったです。

他にも観光メインの日も2日あり、1日はジュネーブ市街観光、もう1日はグループごとにスイスのモントルーかフランスのアヌシーの好きな方を選んで観光しました。モントルーのグループは、世界遺産のブドウ畑を車窓に眺めながら電車でシヨン城を訪れ、アヌシーのグループはフランスのヴェニス(Venice)と言われる美しい街並みを見に行くなど、国際都市ジュネーブとは一味違った一面を見ることができました。

▲ディズニー映画「リトルマーメイド」に登場するエリック王子が住んでいるお城のモデルと言われるシヨン城。

スイスは親切な方が多く、お店でも商品の説明を優しく教えてくれたり、スーパーのレジで「いらっしゃいませ」「どうぞ」と日本語で接客してくれたり、といった場面がありました。私は日本で海外からの観光客に会ったとしても咄嗟に相手の母国語を話せないので、スイスの方々の素敵なおもてなしが嬉しかったです。

おわりに

いかがだったでしょうか。上智大学は文系理系や学年を問わず学生が集うワンキャンパスのため、他学部と関わる機会には恵まれていますが、実践型プログラムは国際機関への関心を共有する仲間に出会える貴重な機会でもありました。

今回は将来の選択肢を広げたり、「働く」ということを考えたりすることのできる「ジュネーブ国際機関集中研修」をご紹介しました。上智大学では国連職員をはじめとする国際公務員の養成プログラムや国連ウィーク、春休みにはニューヨークで開催される国連の実践型プログラムが用意されています。国際機関に少しでも関心がある方は、ぜひ参加してみてください。

詳しく知りたい方はこちらから👇

上智大学国際協力人材養成センター https://dept.sophia.ac.jp/is/shric/

上智大学国連Weeks https://www.sophia.ac.jp/jpn/aboutsophia/global/weeks/unweeks/

あお
名前
あお
所属
経済学部経営学科
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